『ポケットに物語を入れて』

<ポケットに物語を入れて>
図書館で『ポケットに物語を入れて』という本を手にしたのです。
文庫本の書評集というふれこみであるが・・・
開高健、池澤夏樹、佐野洋子、三浦しおん、東海林さだお等々、大使好みラインナップであり、なにより、最近読んだ高野秀行著『アジア新聞屋台村』が載っているのが、ええでぇ♪


【ポケットに物語を入れて】
s角田

角田光代著、小学館、2014年刊

<「BOOK」データベース>より
本は、開くとき、読んでいるときばかりではなく、選んでいるときからもう、しあわせをくれるのだ。まるで旅みたい。読書という幸福な時間をたっぷりつめこんだエッセイ集。

<読む前の大使寸評>
文庫本の書評集というふれこみであるが・・・
開高健、池澤夏樹、佐野洋子、三浦しおん、東海林さだお等々、大使好みラインナップであり、なにより、最近読んだ高野秀行著『アジア新聞屋台村』が載っているのが、ええでぇ♪

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高野秀行著『アジア新聞屋台村』を見てみましょう。

<がんばれ、どうってことないから>p237~242
 高野秀行さんは、常人にはなんだかよくわからないものを求めて、世界じゅうの辺境をさまよい歩いている人だ。だれもしたことのないこと、いや、だれもしたいとも思わないようなことばかりを、率先しておこない、その様子をノンフィクション作品として発表している。この『アジア新聞屋台村』は、その高野さんによる自伝的物語である。

 語り手であるタカノ青年は、タイについてのコラムを書いてほしい、という依頼のわりには奇妙な電話を受け、それが縁で、エイジアンという不思議な会社の編集顧問として働くことになる。

 エイジアンというこの会社、劉さんという、子犬のような若い台湾人女性が社長である。社員やアルバイト、ボランティアのスタッフは、インドネシア、韓国、台湾、タイとアジア各国から集まった面々で、国際電話プリペイドカードの販売営業や、外国人相手の不動産斡旋などもしつつ、タイ語やマレー・インドネシア語など、5ヶ国の言語で新聞も発行している。

 とはいえ、その新聞作りは、学級新聞とほとんど変わらないほどの杜撰さ。編集顧問となったタカノ青年はそれに呆れつつ、同時に魅力も感じつつ、「エイジアン」というカオスのなかに次第に深く身を投じていく。
(中略)

 とはいえ、作者はそれぞれの異国をただ愛しているだけではない。一歩引いて、「あちゃあ」と思うところもきちんと踏まえているし、私たちとどうしたって相容れない部分があることも認めている。いわばクールな愛である。ムスリムのインドネシア人バンバンさんと、中国系インドネシア人アンジェリーナさんの反目が描かれた箇所がある。それぞれの言い分を聞いていると、私などはつい「外国の人は自国の政治や歴史についてきちんと意見を持っていてすごいなー」と思ってしまいがちだが、作者はそういった安易な受け取りかたも無条件な敬意も抱かず、「単に個人的に気が合わないだけかもしれない」と、さらりと書く。

 子犬のような劉さんが「私は台湾独立を支持している。ここは日本よ。私は負けない!」と息巻くときも、さすが日本人と違い愛国心にあふれていると感心したりしない。それが彼女の動物的勘にもとづく策略ではないのかとクールに眺めている。
(中略)

 2006年、本書が刊行されてすぐ読んだとき、私はある雑誌でこの物語をすばらしい「青春ストーリー」と書いた。今、そのことを申し訳なく思う。もちろん青春物語として読むことも可能だけれど、そんな括りにはおさまらない大きさが、この物語にはある。異文化とは何か、それと折り合うとはどういうことか、ひとりで立つとはどういうことか、わかり合うとはどういうことか、日本とはどういう国か、国民性とは何か・・・・抱腹絶倒必至のこの物語には、じつに深いことがらがいくつも埋めこまれている。

 とくに、本書の刊行から3年後、経済はいっこうに好転せず、職に就くのはますますむずかしくなり、しかも派遣社員が窮地に立たされているという現在の状況のなかで読み返すと、至極説得力のある仕事論にも読め、何かこの物語は未来を予見していたような気がしないでもない。そうすると、あらためて本書は新たな意味を持つ。


未来を予見していた本と、角田さんは評価しているのだが・・・
たしかに、高野さんの民俗学的な素養や、わりと深いポテンシャルが感じられるのです♪

先ごろ読んだ『アジア新聞屋台村』を紹介します。

【アジア新聞屋台村】
アジア

高野秀行著、集英社、2006年刊

<「MARC」データベース>より
ワセダ三畳間にくすぶっていたタカノ青年、突然、新聞社の編集顧問に迎えられて…本邦初!自伝仕立て“多国籍風”青春記。

<読む前の大使寸評>
高野秀行さんの本は絶対に外れはないはずである♪・・・大使が断言します。

高野さんの初期の著作であり、まだ「間違う力」が育つ前なので、わりと真面目な直球勝負になっているようです。

rakutenアジア新聞屋台村

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