『永続敗戦論』5

<『永続敗戦論』5>
図書館に予約していた『永続敗戦論』という本を待つこと2日でゲットしたのです。
3年くらい前の硬い内容の本なら、予約したらツーカーでゲットできるようです。

一見して、白井さんの言説は右翼のようであるが、これだけ反米の右翼はいないよね♪

【永続敗戦論】
敗戦

白井聡著、太田出版、2013年刊

<「BOOK」データベース>より
「永続敗戦」それは戦後日本のレジームの核心的本質であり、「敗戦の否認」を意味する。国内およびアジアに対しては敗北を否認することによって「神州不滅」の神話を維持しながら、自らを容認し支えてくれる米国に対しては盲従を続ける。敗戦を否認するがゆえに敗北が際限なく続くーそれが「永続敗戦」という概念の指し示す構造である。今日、この構造は明らかな破綻に瀕している。1945年以来、われわれはずっと「敗戦」状態にある。「侮辱のなかに生きる」ことを拒絶せよ。

<読む前の大使寸評>
この本は待つこと2日でゲットしたのだが・・・
3年くらい前の硬い内容の本なら、予約したらツーカーでゲットできるようです。

<図書館予約:(9/01予約、9/03受取)>

rakuten永続敗戦論


タブーのようなお題目「日本の核武装」について、見てみましょう。
p156~161
<「平和と繁栄」の共犯関係>より
 つまり、日本社会の体勢にとって、「絶対平和主義」は、生命を賭しても守られるべき価値として機能してきたのではなく、それが実利的に見て便利であるがゆえに、奉じられてきたにすぎない。してみれば、米国の世界戦略に適応するかたちで着々と解釈改憲が進行し、対米従属の構造が精算されるどころか深化してきたのは、至極当然の成り行きであった。

 本来ならば、対米従属を批判する勢力は、こうした実利主義でしかない平和主義を精算しなければならなかった。しかし、永続敗戦の構造の根幹を占める権力があまりにも強固かつ頽落しているがゆえに、それに対する批判者の多くが、安全保障の問題を忌避した。かくして「平和主義は戦後日本社会の中心的価値観として確固たるものとなった」というフィクションは放置され、批判者の勢力は思考停止に陥ったのである。その間にも永続敗戦の構造は永久化され、いままさにその本質を裸のまま露呈されつつあるという事態に逢着している。

 思考停止が最も顕著に現れるのは、核兵器をめぐる議論における「唯一の被爆国である日本は・・・・」というクリシェである。このフレーズは、「いかなるかたちでも絶対に核兵器に関わらない」と続くことに決まっている。本来ならば、この言葉は、論理的に見て、二通りの結論を導き出しうる。

 ひとつは、公的に言われてきた「核兵器を絶対的に拒絶する」というものであるが、いまひとつは、「二度と再び他国から核攻撃されないように進んで核武装する」というものである。こうした立場設定は、空想的なものではない。例えばイスラエルは、そのような立場を国是としている。同国の国策は、民族絶滅の危機の経験から、いかなる手段をもってしても民族の生き残りを達成するという方針に貫かれている。

 誤解を招かないよう言っておくが、私は日本が核武装すべきであるとは露ほども考えない。問題は、平和主義や反核兵器の理念を、この国の社会がどのように形成し、経験してきたのか、その内実はどのようなものであるのかを問い直すことなのである。「唯一の被爆国である日本は・・・・」というフレーズの後に「いかなるかたちでも絶対に核兵器に関わらない」といった類の言葉が自動的に続くことになってしまうという事態は、もうひとつの論理的可能性を排除することによって成り立っている。

 それは思想の衰弱にほかならない。二通りの論理的可能性を引き受けた上であえて選ばれる反核でなければ、およそ思想的強度を持ち得るものではないのである。
(中略)

 嘘と欺瞞の空中楼閣を築き上げることをこの国の権力は選んだ。それはある意味では全く合理的な選択である。なぜなら、敗戦の責任から逃避し続けてきた連中とその後継者たる彼らには、国防への責任を云々できるわけがなく、そもそも資格がないからである。それゆえ彼らは、「核兵器はあまりに残酷であるから嫌だ」という国民に浸透した感情を、この空中楼閣を支える柱として選んだ。ここにおいて、永続敗戦レジームの中核層と平和主義者との間に成り立った奇妙な共犯関係を明瞭に見て取ることができる。



『永続敗戦論』1
『永続敗戦論』2
『永続敗戦論』3
『永続敗戦論』4

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