『紅茶スパイ』5

<『紅茶スパイ』5>
図書館で『紅茶スパイ』という本を手にしたのです。
パラパラとめくると、東インド会社、王立園芸協会、三角貿易とか散見されるわけで・・・まさに女王陛下の007ではないか♪

おっと、冗談はさておいて・・・
ちょっと硬い視点かもしれないけど、アヘン戦争当時のイギリスの帝国主義、植民地主義を知りたいわけでおます。


【紅茶スパイ】
紅茶

サラ・ローズ著、原書房、2011年刊

<「BOOK」データベース>より
19世紀、中国がひた隠ししてきた茶の製法とタネを入手するため、英国人凄腕プラントハンター/ロバート・フォーチュンが中国奥地に潜入…。アヘン戦争直後の激動の時代を背景に、ミステリアスな紅茶の歴史を描いた、面白さ抜群の歴史ノンフィクション。

<読む前の大使寸評>
ちょっと硬い視点かもしれないけど、アヘン戦争当時のイギリスの帝国主義、植民地主義を知りたいわけでおます。

rakuten紅茶スパイ


フォーチュンの中国への再渡航あたりを、見てみましょう。
p53~41
<第三章 1848年チェルシー薬草園>
 いよいよロイル博士からフォーチュンに、東インド会社に雇われて茶のプラントハンターとして中国に再渡航する気はないか、という誘いの言葉がかけられた。
 会社の条件はとても気前がよかった。フォーチュンの現在の年俸百ポンドとは大違いで、年俸五百ポンドを支給するというのだ。それは、重要な地位で25年間働いた人の年俸に匹敵した。中国とイギリスを往復する旅費はもちろん、それ以外の経費も支払われ、その中には中国からイギリスへ送る貨物代金も含まれていた。

 貨物のスペースを確保することは、プラントハンターにとって大事なことだった。何しろ、故国へ持ち帰ることになる貨物は市場に並ぶ商品の量と大差なく、その輸送代金はどんな植物探検においても最大の支出となった。珍しい植物はどれも、船の限られたスペースをめぐって、収益の多い茶や絹と競争しなければならなかった。結果、貨物代金は跳ね上がった。

 会社が提示した最も寛大な条件は、彼の任務は茶の種や苗木を集めるだけでよいというものだった。言い換えれば、仕事の合間に集めた茶以外の植物(観葉植物、草、種、苗木、花、果樹、シダ、球根)の所有権はフォーチュンひとりのものになるということだ。こうした寛大な条件ならば、自分のお金で植物を集め、オークションで売って莫大な利益を得ることもできるだろう。

 イギリス全体がガーデニングに夢中になるにつれて、穏やかでロマンティックな「イギリスらしい風景」がはやるようになった。田舎の領地には並木道が通り、湖が掘られ、丘が造られた。こうした新しい人工的な風景はあ、さらに魅力を増すために珍しい植物が必要だった。

 フォーチュンはそうしたガーデニングの流行をくだらないと思っていたが、会社の寛大な申し出が自分の資産を築くのに大いに関わってくることを抜け目なく理解した。当時、イギリスの庭園は変わりつつあった。オークション会場は、外国産の植物であふれていた。アマチュア、プロを問わず、落札希望者たちはプラントハンターが持ち帰った珍しい植物の値を競り上げた。

 もしフォーチュンがプラントハンターとして再び中国を訪れ、そこで発見した植物をイギリスに持ち帰って売ったとしたら、間違いなくひと財産築けるだろう。当時のプラントハンターの多くは、イギリス帝国の植民地で同じことをしていた。
 「よく考えてみます」とフォーチュンはロイル博士に告げた。

 ロイル博士を見送ると、フォーチュンは鉄製の正門に近い塀にたたずみ、薄いピンク色のツルバラを眺めた。ツルバラは蕾をつけていたが、咲いてはいなかった。もともとイギリスにあったバラはペルシャが原産地で、数百年前にイギリスに渡ってきたばかりだった。一方、中国でははるか昔からバラが栽培されてきた。そしてわずか50年前に、このふたつの品種の間でたまたま起こった他家受粉によって、今日よく知られている、どこの庭でも見かけるバラが生まれた。

 中国のバラがイギリスに紹介されるまで、イギリスには真紅のバラはなかったと言われている。だから薔薇戦争(1455~85)でランカスター家は真紅のバラを紋章にできるわけがなく、ただの薄いピンクのバラだったはずなのだ。バラもまた、いかにして東洋原産の花が西洋の花と交配して新しい品種が生まれたかを示す。チェルシー薬草園の数ある例のひとつだった。

(追って記入予定)


『紅茶スパイ』1
『紅茶スパイ』2
『紅茶スパイ』3
『紅茶スパイ』4

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