『紅茶スパイ』4

<『紅茶スパイ』4>
図書館で『紅茶スパイ』という本を手にしたのです。
パラパラとめくると、東インド会社、王立園芸協会、三角貿易とか散見されるわけで・・・まさに女王陛下の007ではないか♪

おっと、冗談はさておいて・・・
ちょっと硬い視点かもしれないけど、アヘン戦争当時のイギリスの帝国主義、植民地主義を知りたいわけでおます。


【紅茶スパイ】
紅茶

サラ・ローズ著、原書房、2011年刊

<「BOOK」データベース>より
19世紀、中国がひた隠ししてきた茶の製法とタネを入手するため、英国人凄腕プラントハンター/ロバート・フォーチュンが中国奥地に潜入…。アヘン戦争直後の激動の時代を背景に、ミステリアスな紅茶の歴史を描いた、面白さ抜群の歴史ノンフィクション。

<読む前の大使寸評>
ちょっと硬い視点かもしれないけど、アヘン戦争当時のイギリスの帝国主義、植民地主義を知りたいわけでおます。

rakuten紅茶スパイ


園芸家としてのフォーチュンを、見てみましょう。
p39~41
<第三章 1848年チェルシー薬草園>
 植物の移植はイギリス帝国にとって最大の収入源だった。当時、イギリス帝国領は、西インド諸島のような古い植民地、インド亜大陸のような最近になって併合した植民地、大洋に浮かぶ島々の飛び地から成っていた。

 フォーチュンのような植物学者は国に以下のような提言をするのも仕事のひとつだった。外国で新たに発見された植物をヨーロッパ市場のためにどのように活用すべきか、換金作物を自然選択と交配を通してどのように改良すべきか、ある特定の植物を地球上のどこで栽培すれば、植民地の安い労働力を使って最大の生産量をあげることができるか、市場に流通させるためにどんなふうに植物に手を加えればよいか・・・。

 一方、プラントハンターとは高度に訓練された鋭い観察力の持ち主で、故郷や家族をかえりみず、植物発見の魔力にとりつかれてしまった男たちのことだ。産業革命の黎明期には、植物学的調査は、今日の産業研究所の調査に匹敵した。こうした植物学的帝国主義は植民地に経済的発展を促す方法であったため、プラントハンターはイギリス帝国の研究開発員と化した。

 植物学はフォーチュンの仕事の中心にあったが、彼は根っからの園芸家であり、園芸家は画家でもあった。彼のキャンバスは土地であり、絵の具は植物だった。園芸家は三次元の世界で作業し、樹木の高さの違い、堀沿いの花壇の奥行き、丘の傾斜、借景まで考慮に入れる。さらに四次元の世界でも作業する。時間が加わるのだ。

 園芸家は各季節を考えて計画を立てる。春に咲くのはどの花木か? レンギョウ、モクレン、サクラ、ライラック、リンゴ、秋に紅葉するのはどの落葉樹か? カエデ、ニキギ、ニワトコ。園芸家は数年先まで考えて木を選ぶ。早く成長し、すぐに高くなる木はどれか? カバノキとトネリコ。常緑の針葉樹はどれか? ヒマラヤスギ、モミ、マツ。それから永遠の遺産を残すためにゆっくりと成長する木はどれか? カシ、ブナ、カエデ・・・どれも何十年も生き続ける。
 フォーチュンは、一流の園芸家であるためには大いなる忍耐力が必要であることをよく知っていた。
(中略)

 1848年のその春の日。フォーチュンは蘇ったチェルシー薬草園を満足げに眺めていた。彼が着任したとき、薬草園は荒れ果てていた。堀沿いの花壇の花は伸び放題、温室の植物は腐り、薬草園の植物目録は有名無実だった。物事を組織立てて考えられる能力に秀でたフォーチュンは、彼自身の野心も手伝って、薬草園をすっかり生まれ変わらせた。

 薬草園を立て直すにあたって、フォーチュンはまず雑草を抜き、新しい園芸用具を購入し、植物の寄付を請い、他の植物園と植物交換をしてコレクションを増やした。中でも一番注目に値するのは、364ポンド相当の樹木と苗木を売却して費用を捻出し、新しい温室の建設と、今ある温室の修理にあてた。

 温室建設はタイムリーだった。17世紀末から続いたイギリスの「ガラス税」、つまり建物の窓にかけられた税金が1845年に廃止されたからだ。フォーチュンは手間賃の安いgラス職人を探し出し、新しいガラス温室の建築を注文した。こうしてできあがった半面ガラス張りの温室は、すぐに外国産の極めて珍しい園芸植物の新居となった。

 優美なランや観葉植物、尖った花のような葉を持つブーゲンビリア、鉢植えのヤシ、先史時代からあるシダ、新種のベゴニア、パンノキ、バナナの木、タケ、木材として使われるバルサ。


『紅茶スパイ』1
『紅茶スパイ』2
『紅茶スパイ』3

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