『喰らう読書術』2

<『喰らう読書術』2>
図書館で『喰らう読書術』という本を手にしたのです。
表紙には“一番おもしろい本の読み方”というコピーが見られます。
博識の荒俣さんの切り口が独特で・・・・ええでぇ♪


【喰らう読書術】
荒俣

荒俣宏著、ワニブックス、2014年刊

<「BOOK」データベース>より
「人間が発明した物の中でもっともよい頭(精神)の栄養、(他人の経験が詰まった)いわば頭の缶詰みたいなものが『本』です」。-「第一章」より。本書では、「知の巨人」「博覧強記の怪人」など、数々の異名を持つ著者が、何千、何万冊と本を読む中で得た、もっとも美味しく(おもしろく)、頭の缶詰(本)を食べ(読み)、無駄なく頭の栄養にするための「アラマタ流読書術」を初めて紹介します。

<読む前の大使寸評>
表紙には“一番おもしろい本の読み方”というコピーが見られます。
博識の荒俣さんの切り口が独特で・・・・ええでぇ♪

rakuten喰らう読書術

この本は読みどころが多いので、(その2)として読み進めました。

日本語とは何か?新文字とは何か?と、荒俣さんは大上段に問題提起しています。
p224~230
<論じるなら、まず起源にさかのぼれ>
 私はむかし、ようやくパソコンでの漢字変換が安定した1990年頃、この本もしばしば登場される紀田順一郎さんが、「一太郎」という漢字変換ソフトの仕事で、日本語をどのようにパソコンで処理すればいいかという大問題に取り組まれている時期を、そばで拝見していたことがあります。

 そのとき紀田さんは問題の本質を探るために、日本語とは何か、という基本中の基本から調査を始められたのです。単に『広辞苑』などを参考にして、この漢字を入れるとか入れないとかを仕分けたんではないのです。

 正直、私には遠大なプロジェクトに見えました。だって問題は、日本語とは何か、ですよ。こんなことは一生かけても結論が出ないと思います。でも、紀田さんはそのとき、好きだとか嫌いだとかでなく、日本語を知るための必須文献をたくさん集められたのです。しかし、それに加えて、必要ではなさそうな文献にも目を通され、それを「必用」な本に格上げされたのです。

 その、「これまで必用でなかった」本というのは、たとえば、新しい日本文字を個人的に発明した人たちの歴史です。そしてパソコンソフトの漢字変換問題を処理しながら、なんと、これまであまり類例のなかった「新しい日本語創造に命をかけた人たち」の研究書を出版されたのでした。

日本語

 『日本語大博物館 悪魔の文字と闘った人々』(ジャストシステム)がその本で、このなかに、「日本語改造法案 人口文字に賭けた人々」という一章があります。これは、パソコンと漢字変換ソフトが発明される前からあった大問題へのアプローチでした。

 日本語は漢字があるから効率が悪く、覚えるのが非常に難しいことに愛想をつかした人たちがあ、「それならアルファベットのように簡単できっちりした新文字を創造してみようではないか」と奮闘した記録です。一番わかりやすいのは、漢字もひらがなもやめて、直線で表記できるカタカナを「日本国の公式文字」にしようとする動きです。

 石原忍という、視力検査表を開発した眼科医の先生が、欧米のタイプライターを見て、日本語も機械で書くには、カタカナを利用するのが早い、と考えてカタカナタイプライターを試作しました。でも、どうもカタカナは横書きに向いていない。そこで、ローマ字、ギリシャ文字、ロシア文字を参考にして、横書きに向く新カタカナを創造しました。1939年頃の話です。

ひのでひので字

 ところが、石原さんよりも早く、新しい日本文字を創造して石原さんを刺激した中村壮太郎という人が、1935年頃に「ひので字」という非常におもしろい日本文字を作りだしました。この文字もどこかロシア文字に似ているのに、カタカナかひらがなの特徴も残しているので、日本人にはなんとなく読める、というところが売りだったようです。こういう「横書きができて漢字も不要」という新文字を開発しようとした人が、江戸時代から何人も存在していたことが分かりました。

 紀田さんの本には、多くの人口文字で記述された文章例が引用されていますが、それらを見ますと、文字を極端に簡略化し、機械で処理できるようにしているのですが、じつはこれで綴られた『吾輩は猫である』なぞは、はっきりいって読むに堪えません。なぜかというと、「言語に内在する歴史的連続性や美意識を無視し、機械的、工学的法則や機能性だけで処理した」からだと、紀田さんは指摘なさいます。

 つまり、日本人が発明したカタカナとひらがなを上回る美学的デザインと連続性を持つ新文字が発明されない限り、いくら新文字を創造しても、だれにも使われないのです。この失敗の歴史を、パソコンの普及によってふたたび重要になった新しい横書き日本語の開発に活用しなければならない、というわけです。

 紀田さんの本には、章の終わりにこんなことも書いてありました。だれも使いそうにない新文字システムを一人で考案設計する人は、これからも出るだろうけれども、自分が作った文字を自国の人々が実際に使用するときを夢見ることは、言語問題にかかわる人にしか味わえない至福なのであろう、と。


荒俣さんが見つけた『日本語大博物館』という本がおもしろそうである・・・
ということでこの本をを図書館予約カートに入れたのです。

『喰らう読書術』1

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