『日本に住む英国人がイギリスに戻らない本当の理由』

<日本に住む英国人がイギリスに戻らない本当の理由>
図書館でこの『日本に住む英国人がイギリスに戻らない本当の理由』という本を手にしたが・・・
本の内容もさることながら著者の来歴がすごい♪



【日本に住む英国人がイギリスに戻らない本当の理由】
イギリス

井形慶子著、ベストセラーズ、2014年刊

<「BOOK」データベース>より
英国人だからこそ見えた「日本」の素晴らしさ!イギリス人100名に徹底取材!!ベストセラー『英国式シリーズ』の著者が、日本とイギリス社会の知られざる違いを解き明かすー
【井形慶子】
1959年長崎県生まれ。作家。大学在学中から出版社でインテリア雑誌の編集に携わる。その後、世界100カ国に流通する外国人向け情報誌を創刊。28歳で出版社を立ち上げ、英国の生活をテーマにした月刊情報誌「ミスター・パートナー」を発刊する。同誌編集長。50歳でロンドンに拠点を持つ。渡英歴は100回を越える。

<読む前の大使寸評>
本の内容もさることながら著者の来歴がすごい♪

そういえば、ベニシア(・スタンリー・スミス)やC.W.ニコルもイギリス人だったなあ。
(厳密にはC.W.ニコルはウェールズ人だけど)

rakuten日本に住む英国人がイギリスに戻らない本当の理由


クール・ジャパンのあたりを見てみましょう。

<「漫画・アニメ」は日本の三大柱のひとつ>p49~51
 今、イギリスでは日本の漫画やアニメーションが人気です。漫画『ワンピース』やアニメーション『AKIRA』は、イギリスの若者から絶大なる支持を得ています。

 ボーカロイドの「初音ミク」も流行っており、日本語の「可愛い」という言葉も欧米でそのまま「KAWAII」となり日常的に使われています。

 イギリスのブレア政権が推し進めた国家ブランド戦略「クール・ブリタニア」のように、日本の「クール・ジャパン」は世界に輸出・発信されています。日本独自の文化が、日本という国に関心を持つ外国人を獲得しているのです。

 日本に長年住み、会社役員を引退したイギリス人マイケルが、30年前に初来日したときにショックを受けたのは、電車の中で若いサラリーマンが漫画を堂々と読んで笑っていたことです。

 イギリスはじめ、欧米では大人が読む漫画はほとんどありません。最近は少し変化してきていますが、基本的に漫画は子どものためのものです。ところが日本では、大人も子どもと同じように漫画雑誌やコミックを読みます。全盛期の『週刊少年ジャンプ』は、発行部数653万部(1995年新年号)を記録し、ギネスブックに登録されました。

 日本の漫画はテーマが幅広く、大人にならなければ理解できない内容のものが多いのも特徴です。そのような大人が読むに値する漫画がイギリスにはないのですから、マイケルが驚いたのは当然です。最初、彼は「漫画を読む大人=オタク」と思い込み、気味悪がっていましたが。

 日本ほどではありませんが、欧米にも「オタク」はいます。欧米では必ずしも、「オタク=漫画・アニメ」というわけではありません。イギリスでは、異常に趣味に没頭する人を「nerd(ナード)」と言い、優しくて頭が良い、そしてコンピュータに非常に詳しい若者と見ています。アメリカでは、コンピュータに詳しい人を「techie(テッキー)」と呼びます。
(中略)

 「テクノロジー」「和食」に加え、「漫画・アニメ」という日本のは、イギリス人の日常に入り込んでいます。自分の車を「HONDA」と誇り、日本人だとわかるとカメラを見せてくれと言われます。

 先ごろ『小さな恋のメロディ』主演のマーク・レスターさん宅におじゃました際、娘さんがすかさず自分の描いた漫画を見せてくれました。彼女の夢は、「日本に行ってアニメの仕事をする」ことでした。このような子どもにイギリスで出会う度、日本の漫画やアニメは、ものすごい潜在能力を持っていると思うのです。


東日本大震災のときの日本人の行動を世界中が注視したけど、日本人がどうしてあのように規律と優しさを発揮できたのか?

<日本人の優しさはどこから来たのか?>p153~155
 今、世界では文明国が殺伐とした社会に変わってきています。その中で日本人の評価が高いのはなぜかと考えたときに、それはひとえに「優しさ」だと思うのです。他人を思いやり、気持ちを察することができる。そして究極の場面では自分よりも他人を優先できるところでしょう。

 東日本大震災のとき、宮城県南三陸町の危機管理課の女性職員は、自分の身の危険が迫っているのに最後まで避難を呼びかける防災無線を放送し続けました。被災という非常事態の中でも、皆が助け合う。食糧を奪い合うこともなく行列に並び、揉め事が起きないように自ら管理者として名乗りをあげる。わずらわしくても、大変でも一肌脱ぐ。

 日本は欧米のようにボランティア文化が定着した社会ではありません。その日本で大災害が起きたとき、人々は自然とひとつになりました。習慣や文化を超えて、理屈抜きでまとまれる。これは世界から見たら驚異的なことなのです。

 欧米では会社を定年退職する前に、ボランティアを習慣化しておく訓練が必要だと言われています。訓練などしていない日本人が、どうして人に尽すことができたのでしょうか。

 それは、私たち日本人のDNAの中に書き込まれた「自分だけが幸せになってはいけない」「まわりの人のことを考える」という資質が受け継がれているからです。
 もちろん、良いことばかりではなかったことも承知しています。震災後に立ち入り禁止区域に侵入して盗みをはたらく人たちのニュースには本当に心が痛みました。他県から盗みに来た高校生たちもいましたし、詐欺行為を働いた人もいました。ボランティアのNPO法人「大雪りばぁねっと」が8億円近い復興予算を使い込んでいたという信じられない事件もありました。

 それでも大多数の日本人は、「自分も何かをせずにはいられない」という使命感から支援金を募り、有休をとって現地の復興に駆けつけるなど、各自ができるだけのことをしたのだと断言できます。

 ボランティア文化の力でもなく、神への信仰でもなく、自己満足でもない。支え合う力によって、誰に指示をされたわけでもないのに、一丸となって行動できる能力が日本人には潜在的に備わっていたのです。今後ますます日本という国と日本人のファンが、世界中で増えていくでしょう。それは、日本人の資質、文化、生活習慣の中に、その魅力があるからです。

 しかし同時に、私たち日本人はブームに簡単に染まりやすく、重要なことを放置しやすく、「安全神話」や「平和ボケ」にすぐ戻ってしまう国民性があるということも自覚しておかねばなりません。この先、「日本は沈むかもしれない」「そのような船に皆で乗っている」ということを自覚し、一人ひとりが日本の未来図を思い描くことが大切だと思います。


著者はわりと楽天的に日本人を賛美しているようだけど、外から見た日本人の美点はよく述べられていますね。
そういえば、大使も宮城県の震災復興に駆けつけたが、誰に言われたわけでもなかったな~。

在日の英国人ということではベニシアのブログ が、お奨めです。

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