シノワズリーか、ジャポニスムか(その2)

<シノワズリーか、ジャポニスムか(その2)>
図書館で借出し予約していた『シノワズリーか、ジャポニスムか』という本をゲットしたのです。
折りしも、習主席の訪英を最大級のもてなしで迎えたイギリスの節操の無さが注目されるが・・・・
この本を読めば、かつてシノワズリーを愛でたイギリスでは、今でも中国との相性の良さが読み取れるのだろうか?

「人権問題が気になるが、カネに色はついていない」というイギリス人の経済観念が見えるだけかも。


【シノワズリーか、ジャポニスムか】
シノワ

東田雅博著、中央公論新社、2015年刊

<「BOOK」データベース>より
西洋世界により大きな影響を与えたのはどちらか?「文化史のリオリエント」を鍵に、これまでの評価を再検討する。

<読む前の大使寸評>
シノワズリーと聞けば成金趣味と解釈するのだが(大使の場合)・・・
日中文明の対決が、目下のところ大使の関心事になるわけです(笑)

<図書館予約:(10/14予約、10/25受取)>

rakutenシノワズリーか、ジャポニスムか

この本は読みどころが多いので、(その2)として読みすすめます。

元祖クール・ジャパンのような箇所がありました。
そして、ここがこの本の結論めいたくだりとなっています。

<万博に対する日本と中国の姿勢>よりp215~217 
 以上に見てきたように、日本は万博においてかなり高い評価を得てきたといえるだろう。こうした評価は、アジアの隣国である中国と比べると大きな差があった。

 日本は1873年のウィーン万博への公式参加以来、日本の産物を世界に知らしめ、日本の国際的な地位を高めるという明確な意図を持って積極的に参加してきた。1867年のパリ万博の際は、そこまでの明確な意図はなかったようだが、幕府も、薩摩藩、佐賀藩も、それなりに力を入れて参加していた。

 これに対し、中国はそもそも万国博覧会への展示にほとんど関心を示さなかった。イギリス人のロバート・ハートが牛耳る中国海関に展示を任せてきた。1904年のセントルイス万博で、ようやく皇族を派遣するなど、本気で取り組み始めたかに見えたが、展示そのものはやはり中国海関に任せたままであった。これでは中国の展示品への高い評価を期待するのは、そもそも難しかろう。

 日本への評価は、いわば中国の敵失によって転がり込んできたという側面もあったといえそうである。さらには、キャロル・アン・クライストの説が正しければ、日本はより積極的に中国の弱みにつけ込んだともいえる。

 日本はこの時期、自国の芸術に過大ともいうべき自己評価をしていた。たとえば、1886年から87年に、岡倉天心やフェノロサは東京美術学校開設のために欧米視察旅行に出た。帰国後に行われた視察団の報告を『タイムズ』(1888.1.25)は次のように伝えている。

われわれが決定的なものとして発見した新しい証拠によれば、良質な東洋の芸術は現在の西洋の様式よりも優秀である。もし日本が自らの芸術を内的に改善し、発展させるなら、それはナショナルな運動になるばかりではなく、欧米にも広まるものになろう。つまり、日本の芸術は、欠陥はあるとしても、今日の世界で唯一の生きた芸術なのである。もし日本がその独自の、最良のインスピレーションに忠実であるならば、さほど時を経ずに、日本はっすべての文明世界の芸術の中心に、そしてリーダーとなるだろう。

 これを報じた記者は、この部分を「驚くべき結論」と評しており、たしかにその通りである。日本はここまで自国の芸術に自信を持っていた。日本は自国の文化の価値を信じ、それを積極的に売り込んだということである。

 さらに、これまでのシノワズリーとジャポニスムへの評価の落差は、西洋中心主義の所産ともいえよう。つまり、西洋文明を高く評価し、それを素直に、熱心に受容しようとする日本に点が甘くなり、逆に西洋文明の優秀性をまるで認めようとせず、したがってそれを受容しようともしない中国に点が辛くなっていた。その結果、シノワズリーはあまり評価されず、ジャポニスムが高く評価されたのである。こうした西洋中心主義的な見方を、そのまま受け入れてしまったともいえるのである。

なるほど、元祖クール・ジャパンの優勢には、中国の敵失によって転がり込んできたという側面もあったのか♪
当時から中国は中華思想にどっぷりと浸かり、そこから出ようという気も起きなかったようですね・・・
今もそうかもしれないけど。

ジャポニスムとスーパーフラットってのはどうよ…元気でるでぇ♪

シノワズリーか、ジャポニスムか(その1)

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