恋するソマリア3

<恋するソマリア3>
高野さんの破天荒な人柄は、その著作『謎の独立国家ソマリランド』、『世にも奇妙なマラソン大会』を通して、よく知っているのだが・・・・この本も面白そうである。

図書館で借出し予約して、約3ヶ月、やっと『恋するソマリア』をゲットしたのです。


【恋するソマリア】
ソマリア

高野秀行著、集英社、2015年刊

<「BOOK」データベース>より
台所から戦場まで!世界一危険なエリアの正体見たり!!アフリカ、ソマリ社会に夢中になった著者を待ち受けていたのは、手料理とロケット弾だった…。『謎の独立国家ソマリランド』の著者が贈る、前人未踏の片想い暴走ノンフィクション。講談社ノンフィクション賞受賞第一作。

<読む前の大使寸評>
あれ?講談社ノンフィクション賞受賞作を集英社から刊行しているけど・・・
そのあたりの仁義は、どうなっているんだろう?

高野さんの破天荒な人柄は、その著作『謎の独立国家ソマリランド』、『世にも奇妙なマラソン大会』を通して、よく知っているのだが・・・・この本も面白そうである。

<図書館予約:(3/3予約、6/11受取)>

rakuten恋するソマリア


あわやロケット弾をくらう恐れさえあった戦闘がつづられているが・・・
疲れたので引用をとばして、終わりにします。


<おわりに>よりp292~296
 今から思えば、戦闘の日はあまりにも現実離れしていて、何もかも夢のようだった。
 (中略)

 「タカノ、君はてっきり死んだものだと思ったよ」食事が済んでお茶をすすりながら、アブディラフマンが言った。戦闘の直後、ハムディ(*1)からサミラの姉に連絡がいったが、電波が悪いうえに状況説明に混乱があり、はじめのうちは詳細がわからなかったという。

 「そういう曖昧な情報のあとで、家族や友だちが死んだっていうニュースが届いたことが何度もあったからね」とアブディラフマンは言う。

 戦闘の詳細を伝えるニュースは翌日ラジオで、翌々日はテレビで流され、世界中に配信された。ホーン・ケーブルTVのカメラはもうバッテリー切れだったが、ユニバーサルTVのカメラはまだ生きており、その映像が使われた。知事と国会議員が襲われたというだけで、なぜか私の名前は出なかったらしい。もし死んでいたらさすがに出ただろうが、そこまでして有名になりたくはなかったので、別段文句はない。

 ちなみに、このニュースで「知事が頭部を負傷した」と報道されたが、それはアル・シャバーブ(*2)の攻撃とは直接関係なく、ただ慌てふためいた知事があちこちに頭をぶつけ、たんこぶをいくつかこしらえただけだったことを日本の読者にお伝えしておきたい。

 ところで、アブディラフマンから面白い意見を聞いた。アル・シャバーブの標的はまず第一に私であり、知事や議員は二の次だったにちがいないというのだ。
「なぜなら、外国人の君は政府側の客なんだ。客を殺されるほど大きな屈辱はない。その屈辱を政府側に与えるために、彼らは君たちを襲ったんだ」

 客を殺して屈辱を与えるのが目的!?

 驚きと同時に深い感銘が私を包んだ。「客もてなし」はこの1年に行った2回の旅の裏テーマと呼べるほどしばしば登場した概念だった。私がなかなか家に招いてもらえなかったのも、ソマリ人が「客」に対して過剰なほどのサービスを自らに課しているからであるし、レーゴでジャーナリスト連中が知事やアミソム(*3)に大きな態度をとっていたのも「自分は客」という意識が働いていたからだ。なにより、ハムディがあれほどまでに私の面倒を見てくれたのもやはり「客」を守るというプライドゆえだった。

 ソマリ人には常識でも、非ソマリ人には全く理解できないことが多いと前に書いたが、これもその典型だろう。そして、ソマリ人の魅力やおもしろさもここにある。彼ら非常識な言動はよくよく訊けば、いつも一貫した論理に貫かれている。
 ソマリの伝統的な考え方に則って襲われたのなら、襲われ甲斐もあったというものだ。
 実際のところ、襲撃事件のあとも私のソマリ熱はいっこうに冷めることがなかった。
 まず最初に着手したのが、「ハムディ日本招聘計画」だった。彼女は前々から日本に興味をもっているようだったが、アル・シャバーブに襲われる前後、「近いうちに是非一度日本を見に行きたい」と私に訴えた。先進国の生活を見てみたい。でも欧米には家族や親しい友だちもあらず行くのが難しいからというのが理由である。

 喜んで迎え入れることにした。これまでさんざんソマリアで世話になっている。アル・シャバーブに襲撃された後も、結局彼女にお金を借りて帰国することができた。その前も彼女に借金しており2回連続である。

 ソマリ人の全てを体験したいと熱望する私としては、「客」をもてなしたいという要求も叶えられる。ソマリの地ではいつも客側である。ハムディが一度は先進国に行ってみたいというのと同じように、私も「一度くらいホストの側に立ってソマリの客をもてなしてみたい」と思ったのだ。


結局、ハムディはノルウェーに移住し、「ハムディ日本招聘計画」は実現しなかったが・・・
日本で、高野さんのソマリ人との交流は続いているようです。

<大使注>
*1 ハムディ:この本の表紙に映っている女性ジャーナリスト 
*2 アル・シャバーブ:イスラム過激派、南部ソマリアの半分を支配下とする。 
*3 アミソム:アフリカ連合軍、暫定政権を支援する。
 
恋するソマリア1byドングリ
恋するソマリア2byドングリ

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