テクノナショナリズムに目覚めた9

<テクノナショナリズムに目覚めた9>  
テクノナショナリズムという耳新しい言葉があるが・・・・
中国がレアアースの輸出統制を始めて以来、テクノナショナリズムに目覚めたのです。
とにかく、技術流出とか中国製電気自動車と聞くと、ついヒートアップするのです。

・中華の対日認識
・タイ向け新幹線:冷静な報道
・中国で浮世絵に関心
・高速鉄道に関する的確な認識
・アップルのEVなんて
・中華のヘッドハンティング
・中国製の新幹線、原発…怖い

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テクノナショナリズムに目覚めた8>目次

・中国人も品質に注目
・グーグルカーとかIoTが気になる
・次世代二次電池の戦略が気になる
・「グーグルカーは異なる哲学」
・三菱重工が長崎造船所にメスを入れる理由
・中国産鋼材の猛烈な輸出攻勢
・イオンエンジンができるまで
・加速する衛星ビジネス
・中韓に対する差別化
・「3Dプリンタ時代」の到来

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テクノナショナリズムに目覚めた7>目次

・家電業界はどんなかな~
・気になるニュース
・燃料電池車を見に行くか
・業界地図が一目でわかる本(2014年版)
・中型ジェットMRJが年内に初飛行へ
・3Dプリンタが製造業を変える
・メイドインジャパンの逆襲2
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テクノナショナリズムに目覚めた6>目次
・メイドインジャパンの逆襲1
・潜水艦の世界
・技術だけでは競争に勝てない
・メイカーズ革命の最前線
・iPS細胞、儲け志向のアメリカに対して(工事中)
・有人宇宙開発無用論
・おのれ アップル!おのれ サムスン!

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テクノナショナリズムに目覚めた5>目次
・大陸のヘッドハンティング
・技術盗用大国中国には
・中国の謀略的な特許法改正
・中国に対抗する戦略物資のような製品
・サムスンの水ビジネス参入
・ジスプロシウム抜きの磁石を開発中
・恩を仇で返す中華の論理
・大陸マインドを甘く見ていた
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テクノナショナリズムに目覚めた4>目次
・デジカメの差別化は大丈夫?
・蓄電池の差別化は大丈夫?
・エルピーダメモリの買収劇
・空洞化/海外進出情報
・打倒中国の経営理論

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テクノナショナリズムに目覚めた3>目次
・産業用ロボットの近況
・企業連合してサムスンに勝てるのか?
・コモディティ化圧力に曝されているわけで
・好調な宇宙ビジネス
・空洞化/海外進出情報(工事中)
・底探査船の能力比較
・中国の宇宙産業(工事中)

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テクノナショナリズムに目覚めた2>目次 
・東シナ海ガス田「樫」から炎が見える
・クルーグマンのクリーンヒット
・頑張れ、製造業!
・中国では液晶パネルがもはや汎用品だって?
・日本の部品メーカーはすごい?(工事中)
・EV用の急速充電器を米国市場に投入
・円高と空洞化
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テクノナショナリズムに目覚めた1>目次 
・原発輸出を放棄すべきか?
・ニッサン「ヴェヌーシア」という車
・空洞化とのせめぎ合い
・物づくり支援
・中国製電気自動車ってどんなかな?
・チャイナフリーの正念場
・中華の「やらずぶったくり」
・韓国とのWin-Win関係

NEDO事業一覧
産業革新機構の投資案件一覧
中国のレアアース統制5
時代錯誤の中国の「重商主義
日本のリーディングカンパニー2013



<中華の対日認識>
次の記事を見ると、中華の自己中心認識も変わりつつあると感慨を覚えるわけです。

2015/4/28日本の「実力」はすごい! 経済や科学技術・・・「わが国民は誤解している!」より
 中国メディアの爪游控は26日、日本と中国は2000年以上にわたって交流を続けてきた歴史を持つとしつつも、中国人は日本に対する体系だった理解が不足している傾向にあると指摘し、「日本の経済と科学技術の実力を過小評価してはならない」と論じる記事を掲載した。

 記事は、日本人は韓国人と比べ、「耐え忍ぶことができ、協調性があると同時に物憂げに映る」と伝え、島国という環境によって日本人は常に危機意識を抱いていると論じた。さらに、中国経済の発展に伴い、日本では「必要以上に日本経済の停滞を強調する傾向にある」とする一方、日本は軍事や経済、科学技術などにおいて「極めて高い実力を持つ」と主張した。

 続けて、日本は核兵器などは保有していないが、その防衛力は世界的に見ても上位の水準にあるとし、自衛隊も相当な実力を有していると主張。自衛隊が保有する戦力について紹介しつつ、その実力を支えている背景には装備の質と工業力があると論じた。
 また、日本は対外的に「あえて衰退している」というイメージを発信しているが、日本経済は今なお相当な実力を有しているとし、「その隠れた実力はわれわれの想像を大きく超える」と主張。失業率が10%に迫り、中所得層が疲弊している米国に比べ、日本は「失業率や犯罪率が低く、貧富の差も相対的に小さい」と指摘。

 さらに、日本は国外に大量の資産を保有していることを紹介。財務相によれば、日本の2013年末時点における対外純資産残高は325兆円に達し、「23年連続」で世界一の債権国となった。これに対して記事は、「日本は本土だけでなく、世界中に“日本”を保有しているのと同じ」だと形容した。

 そのほか、日本には世界をリードする技術を有す企業も数多く存在することなどを指摘したうえで、「中国は日本について間違った報道を続けており、日本の本当の実力を理解できていない」、「中国国民は日本の実力を誤解している」などと主張。
 中国経済が発展していることは喜ばしいことだとしつつも、「喜ぶと同時に日本との差を認識すべき」とし、「日本は多くの点で今なお中国をはるかに上回る実力を持っていることを知るべきだ」と論じた。(編集担当:村山健二)




<タイ向け新幹線:冷静な報道>
中国の報道としては、冷静で客観的である・・・学習が進んでいるようですね。


2015.6.18なぜ新幹線が採用へ?・・・タイの高速鉄道計画で=中国メディアより
タイ高速鉄道計画に新幹線方式を導入することを前提に事業化調査を行うことで日本とタイが覚書を締結したことについて、中国メディアの欧浦鋼網は16日、「東南アジアの高速鉄道市場をめぐって日本と争っていた中国高速鉄道にとっての敗北」であると伝えた。
 記事は、タイの高速鉄道市場は日本と中国が受注を巡って競争を繰り広げていた市場の1つであるとし、14年12月には中国とタイの双方の首相が高速鉄道建設で協力することを確認していたと紹介。
 さらに、同計画では中国が資金を提供する内容だったとしながらも、100億ドル(約1兆2300億円)に達する総工費に対し、中国側の設定した金利が高すぎるとして、タイは日本への接触を開始したと報じた。

 続けて、日本は国内では新幹線を50年以上にわたって運用してきた経験を持つとしながらも、これまで輸出に成功したのは台湾だけだと指摘。安部首相が近年、日本経済と政治的影響力を強化するため、インフラ輸出の一環として新幹線の売り込みを積極化していると伝え、「日本政府はタイに低利融資を提供する見込み、これが新幹線導入の決め手になった模様」と論じた。

 さらに記事は、中国高速鉄道はこれまで輸出成功例がトルコだけにとどまっていると指摘したほか、中国高速鉄道は「日本の川崎重工やドイツのシーメンスなどから技術を購入し、改良したもの」と主張。また、基幹技術や部品については三菱電機や日立をはじめとする国外の企業から導入していると伝え、「中国高速鉄道のコストは安価だが、技術は依然として他国に依存している」と論じた。

 続けて、50年以上にわたって営業を続けてきた新幹線に対し、中国高速鉄道はたかだか10年程度の経験しかないとし、「技術的な優位は大きくなく、強みは価格だけ」としたうえで、タイは中国高速鉄道の技術が成熟していないことや、基幹技術や基幹部品を他国に依存していることを懸念し、新幹線導入に傾いたとの見方を示した。(編集担当:村山健二)




<中国で浮世絵に関心>
テーマの趣旨から少し外れるけど・・・・
ジャポニスム未開の地でもあった中国で、浮世絵に関心が寄せられているようです。

2015.6.14中国で浮世絵に関心・・・天津西洋美術館で展示会、アニメへの影響も注目「見たことない画風だ!」より 
浮世絵

 人民日報系ニュースサイトの人民網は11日、「古くて素朴な日本文化。浮世絵にある美景を鑑賞」との見出しで浮世絵を紹介する記事を掲載した。

 新華社によると天津西洋美術館で9日、浮世絵と現代作品の展示会が始まった。一方、中国版ツイッターの微博(ウェイボー)では、アニメ演出家の中村健治氏の作品に浮世絵の影響が強いとして注目が集まっている。

 人民網は浮世絵をまず、「日本独特な不思議な芸術」と紹介。肉筆と水彩木版画の2種があり、内容は一般庶民や武士の生活、風景、歌舞伎役者、相撲などと紹介した。「浮世絵」の語源としては、本来は仏教の厭世思想の影響を受け「人生ははかない」とのテーマがあったが、江戸時代には生活を享受し、歌舞伎や愛情のとりこになり、流行を追い求めるように変化したと解説した。

 天津西洋美術館で展示する浮世絵は約70点。日本以外の木版画作家の個人蔵作品で、米国で木版画などを手掛ける美術家のルイ・チェンノート氏が現代木版画の制作技法を紹介する。

 微博で注目を集めているのは、中村健治氏が監督を務めた「化猫」だ。「化猫」はテレビシリーズ「怪~ayakasi~」中の1作品だが、同シリーズ全体が「浮世絵のような怪しげな雰囲気にあふれている」と紹介された。

 中国のネット民からは「見たよ!」、「こういう画風、好きだ!」「ストーリーがよい。素晴らしい画風」、「こういう画風のアニメは見たことがない!」などのコメントが寄せられた。

◆解説◆
 浮世絵では、葛飾北斎、安藤広重、東洲斎写楽をはじめとして、多くの絵師が知られている。ただし木版浮世絵では、「彫師」、「摺師」の極めて高度な技術があって、作り出すことができた。
 浮世絵の多くは多色刷り(錦絵)で、版木は色の数だけ作らねばならない。彫る際に誤差が許されないだけでなく、刷る際にも多くの版木がずれないようにせねばならない。しかも、髪の毛1本まで浮き彫りにするなど、極めて細かい表現をする。浮世絵は日本の職人の極めて高度な「匠の技」が生み出したと言ってよい。
 なお、浮世では美人画や「あぶな絵」と呼ばれた作品が重要なジャンルだったが、上記中国メディアは触れなかった。(編集担当:如月隼人)

芸術は全て皇帝や富裕層のために存在してきた中国で、民衆の美がわかるかな?という気もするけど。



<高速鉄道に関する的確な認識>
経済問題に関しては、中国メディアは的確な認識を披露するようです。

2015.6.6新幹線を見くびるな!・・・タイ高速鉄道の「受注競争」=中国メディアより 
 日本とタイがこのほどバンコクとチェンマイを結ぶ路線について新幹線方式を採用することを前提に、事業の採算性などを調査する覚書を交わしたことについて、中国メディアの経済参考網は5日、「新幹線の競争力を見くびってはいけない」と論じた。

 記事は、タイ高速鉄道のバンコク-チェンマイルートにおいて新幹線が採用される可能性があることを指摘する一方で、中国とタイの高速鉄道における協力は「まだ未知数」の段階にあると指摘した。
 また、「中国高速鉄道が受注できる確率は極めて高い」と考えられていたプロジェクトにおいて、まだ受注が確定していないことについて「世界の高速鉄道市場の競争がそれだけ激しいことを意味する」と論じた。

 さらに、世界の高速鉄道は主に3つの陣営に別れると主張し、1つ目は低コストを強みとする中国高速鉄道、2つ目は高い安全性を誇る日本の新幹線、3つ目は欧州の高速鉄道メーカーであると伝える一方、「欧州は相対的に競争力は低い」と主張。続けて、世界の高速鉄道市場において「新幹線は間違いなく中国高速鉄道の最大の好敵手」と主張し、品質と安全性こそ新幹線の強みだと論じた。

 続けて記事は、高速鉄道の輸出は単なる経済協力ではなく、その背後には「政治」の存在もあるとし、日本はタイに多額の直接投資を行っていると紹介し、タイと日本の関係が極めて親密であることは事実と指摘。

 単に経済的角度から見れば、タイは中国高速鉄道を導入したほうがコストも安く済むとしつつも、タイが新幹線の導入を前提に日本と覚書を交わしたことは新幹線の競争力だけでなく、政治的駆け引きもあったとの見方を示したうえで、「中国高速鉄道が国外の市場を開拓するうえでは新幹線の実力を見くびってはいけない」と論じた。
(編集担当:村山健二)




<アップルのEVなんて>
アップルを鬼門としている大使にとって、アップルのEVなんて見たくもないが・・・
気になる記事をネットで見かけたのです。

中米連合のEVとなると、日本企業にとっては「文明の衝突」みたいなもので、生き残りを賭けた戦いになるのではないだろうか?

2015.4.6アップルのEVはやはり鴻海が造るのかより
 上海で生活を始めて今年で15年目になるが、いつまでたっても慣れないことがある。交差点を青信号で渡っているヒトに、右折のクルマが突っ込んでくることである。ちなみに中国は「ヒトは左、クルマは右」である。

 中国では前方が赤信号でも原則、クルマは右折できる。それはルールだからいいとして、右折した前方の横断歩道にヒトが渡っていれば、クルマは一時停止してヒトが渡りきるのを待つ、というのが日本人の感覚だろう。ところが中国では完全にクルマが優先。前方の横断歩道にいるヒトを蹴散らすようにクルマが突っ込んでくる。同じようなクルマが次々に来るため、道を渡りきらないうちに信号が赤に変わってしまうなどというのは日常茶飯だ。

(中略)
 フォックスコンがEV完成車の受託製造に進出するのではないかとの観測は、台湾や中国の市場や業界では数年前から出ていた。2014年6月には、フォックスコンのトップである郭台銘・董事長が同社の株主総会で、EV大手の米Tesla Motors社との協業について、「Tesla社とは1万5000米ドル以下の安い商用車や自家用車を出したい」と発言したり、同年9月には中国山西省太原市で開かれた会合で、同省にEV事業向けに50億元(1元=約19.5円)を投じる意向を表明。これらの発言から、同社がEV完成車の受託生産進出を計画しており、Tesla社からの受注を目指しているとの見方が強まっていた。

 2015年に入っても、フォックスコンは2月に中国のEVメーカーBeijing Electric Vehicle社(北汽新能源汽車)との合弁「北京恒誉新能源汽車租賃」(恒誉)で、中国でのEVレンタカー市場に参入。さらに3月23日には、中国のインターネット大手Tensent社(騰訊)、中国でBMW、Ferrari、レクサスのディーラーとして知られる中国Harmony Auto社(和諧汽車)と共同で、インターネットとクルマを組み合わせたスマートEVの開発を行うことで提携。中国や台湾のメディアは、「フォックスコンが中国版Tesla社設立へ」と書き立て、完成車の受託製造のみならず、トヨタやホンダのような自動車メーカーを立ち上げるとの見方も出た。





<中華のヘッドハンティング>
中華のヘッドハンティングはまだ続いているのか。暗然とするのだが・・・
中国に雇われる日本人の節操の無さも、国賊ものである!

日本と価値観を共有する欧米ならいざ知らず、価値観が敵対する中国に利するような応募が、利敵行為というか国賊ものといいたいのです。


2015.4.3日本人技術者を買う中国企業より
日本人『日本人の値段 中国に買われたエリート技術者たち』(谷崎光、小学館)

 本書を一読して、これほどまでに多くの日本の技術者が中国を中心とした海外に渡っているのか、ということを知り驚いた。中国の技術水準の向上などのニュースに接する時などに関連して言及されるために、こうした日本人技術者の存在は知ってはいたが、これほど多いとは。2000人とも3000人ともあるいは5000人いるかもしれないが、本当は何人ぐらいいるのかおそらく真相は誰にもわからないだろう。だがそれがどんな数字であっても、相当大きな数である。

 しかも多くが日本のメーカーでばりばり働いていた仕事熱心な技術者である。そうした人たちの頭脳や技術を借りれば中国メーカーにも当然、恩恵は大きいはずである。

 日本企業が時間とカネをかけて営々と築いてきた技術に追いつくために手っ取り早いのが人材を引き抜くことである。彼らに高額な報酬を支払ったとしてもペイするからこそ、中国企業は日本の人材を活用するのである。人材を買うことで日本に追いつく「時間」を買っているともいえる。

<大半が一流企業出身の人々>
 14年間の中国在住経験があり中国ビジネスに精通している著者は、現地の中国企業で働く多くの日本人技術者を訪ね歩き、話を聞く。綿密な取材の積み重ねがこうした実態をつぶさに明らかにする。

<驚いたのは、まずその大半が日本の一流企業出身の人々だったこと。直接存在を確認できただけでもSONY、東芝、日立、三菱自動車、三菱重工業、コマツ、パナソニック、シャープ、住友電気工業……>

 この記述をみて、筆者(中村)も衝撃を受けた。いずれも我々のような経済記者が日々取材する日本を代表する大企業ばかりである。

 リストラや所属企業での過酷な勤務など転職の理由は様々だが、多くの人が日本企業にいても十分活躍できる能力をもっていた技術者たちである。そういう人たちが中国に渡り、グローバル競争で日本企業のライバルになる企業にどんどん再就職している。恵まれた給与のほか、住居、送迎の車、年間数回の日本への帰国費用など他の様々な恩恵を多く受ける人も少なくない。




<中国製の新幹線、原発…怖い>
中国製の新幹線、原発と聞けば…どちらも怖いのだ!
日本への悪影響が予想される中国製原発なんて、許されていいもんだろうか。


2015.3.29新幹線と原発、売り込む中国 低コスト「日本の6割」より
 経済の減速に悩む中国が、国外へのインフラの輸出に活路を求めている。「二枚看板」に掲げるのは、高速鉄道(新幹線)と原子力発電所だ。安全性に不安を残しつつも、アジアインフラ投資銀行(AIIB)の設立に象徴される国ぐるみの後押しは急加速している。

和諧号

 北京から東へ約150キロの河北省唐山市に、中国最古とされる鉄道車両工場が広大な敷地を構える。清代に西太后の乗る車両もつくったが、いまは白い車体に青いラインの入った高速鉄道「和諧号」の無数の車両が出荷を待つ。中国2大車両メーカーの一つ、「中国北車」の傘下工場だ。

 「ロシアでもイギリスでもドイツでも、どこに出しても恥ずかしくない」。2月中旬、工場の公開に集まった報道陣に、工場幹部が胸を張った。独シーメンスなどに技術を学んできたが、今や逆に、海外への輸出を強く意識している。

 理由は、急成長してきた国内需要が今後、頭打ちになる兆しもあることだ。2008年に時速300キロを超える本格的な高速鉄道を走らせ始めてからわずか6年で、総延長は日本の新幹線の約6倍、1万6千キロに達した。北京と全国各省の省都を結ぶ工事は仕上げの段階に入っている。

 最大の売りはコストだ。長年、高速鉄道の建設に携わってきた政府系シンクタンク・中国工程院の王夢恕院士(幹部研究員)は「距離あたりの単価で、日本など他国の約6割を示せる」と言う。「無理して安値を示しているのでは」と警戒まで起きる低価格戦略だ。
 習近平国家主席や李克強首相は外遊のたびに、高速鉄道の「トップセールス」を繰り広げる。中国北車によると、政府が協力を話し合っている国は28ヶ国に達する。

 中国政府がいま、「のどから手が出るほど欲しい」とされるのが「輸出第1号」だ。昨年11月、メキシコで鉄道建設・車両製造を中国企業が手がけることが決まったが、その後、入札の公平性を巡る問題が生じ、取り消された。専門家の間ではいま、「まずタイが有力だ。ベネズエラやイランも可能性がある」(王氏)との見方がある。

 李首相が鉄道と並んで重点に挙げる原発も、成果を積み上げ始めている。1990年代にはすでにパキスタンへの輸出実績があり、13年には、英国での原発建設に中国広核集団と中国核工業集団の出資が決まっている。今年2月には、アルゼンチンのフェルナンデス大統領の訪中に合わせ、新型炉「華竜1号」の輸出も合意された。

 それでも、東芝子会社の米ウェスチングハウスや仏アレバなどと比べれば明らかに後発だ。ここでも、「少なくとも他国より1割は安い」(中国国内の専門家)とする低コストで、新興国を中心に売り込みを図っている。

 中国の機械・運輸設備の輸出額は13年に初めて1兆ドル(約119兆円)を超えた。01年からの12年で約11倍に膨らんでいる。

■企業大合併、国ぐるみ
 今年3月、中国2大車両メーカー、中国北車と中国南車の合併が、中国の国有資産監督管理委員会から認可を受けた。国有の両社は、それぞれ1千億元(約1.9兆円)規模の売上高を誇り、世界的にも1、2位を占める。もともと一つの政府部門から競争を促すために分離された両社が、ルール無視とも言える「再合併」に乗り出した。

 背景には、輸出を推し進めたい政府の意向がある。関係者は「海外で受注を巡って2社が値引き合戦を繰り広げ、信用を失ったあげくに韓国に取られた案件もあった」と話す。
 同じような動きは、原発業界にもある。3月、中国電力投資集団と国家核電技術という、いずれも原発建設を手がける2社の合併が決まった。競争相手の中国核工業集団の幹部も「いくつかの会社に分かれた現状は、原発大国を目指すのに不利だ」と、大合併への機運に期待する。

 中国が設立を主導し、主要国の参加表明が相次ぐAIIBも輸出の先導役になりうる。輸出相手国のインフラ整備費用を融資する役割を担うからだ。中国周辺各国をインフラ整備を通じてつなげる「一帯一路(二つのシルクロード経済圏)」構想で、AIIBは中核だ。

 ただし、高速鉄道では11年夏、200人以上が死傷した浙江省温州での脱線事故の記憶が新しい。「国際的にも既に先進レベル」(国家発展改革委員会の王暁涛副主任)という自信で進む輸出戦略だが、安全上の懸念も残る。(中国海南省・博鰲=斎藤徳彦)




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