恋するソマリア2

<恋するソマリア2>
高野さんの破天荒な人柄は、その著作『謎の独立国家ソマリランド』、『世にも奇妙なマラソン大会』を通して、よく知っているのだが・・・・この本も面白そうである。

図書館で借出し予約して、約3ヶ月、やっと『恋するソマリア』をゲットしたのです。


【恋するソマリア】
ソマリア

高野秀行著、集英社、2015年刊

<「BOOK」データベース>より
台所から戦場まで!世界一危険なエリアの正体見たり!!アフリカ、ソマリ社会に夢中になった著者を待ち受けていたのは、手料理とロケット弾だった…。『謎の独立国家ソマリランド』の著者が贈る、前人未踏の片想い暴走ノンフィクション。講談社ノンフィクション賞受賞第一作。

<読む前の大使寸評>
あれ?講談社ノンフィクション賞受賞作を集英社から刊行しているけど・・・
そのあたりの仁義は、どうなっているんだろう?

高野さんの破天荒な人柄は、その著作『謎の独立国家ソマリランド』、『世にも奇妙なマラソン大会』を通して、よく知っているのだが・・・・この本も面白そうである。

<図書館予約:(3/3予約、6/11受取)>

rakuten恋するソマリア


高野さんは(かたことにしても)ソマリ語が話せるただ一人の日本人であるが、ホーン・ケーブルTV東京支局の立ち上げを画策しています。


<忘れられたくない、ゆえに我活動す>p14~24
 私はソマリ人の捕獲作戦を展開していた。捕獲作戦といってももちろん荒っぽいものではない。ソマリ語を教えてくれる人を探していただけだ。
(中略)

 彼はこれまた多くの南部の人間同様、ソマリランドのことを現実には何も知らなかったから、ソマリ語レッスンの途中で、あるいは終わってから一緒に食事をしながら、いろいろ話して聞かせた。
 あるときはソマリランドの和平プロセス。世界中どこでも、内戦後いちばん難しいのは民兵の武装解除だと言われているが、ソマリランドはそれを実に上手に行った。各氏族の合意を得て上で、最も強力な武器である「テクニカル(武装車輌)」を政府が1台ごとに買い上げ、兵士は国の軍隊か警察に編入した。民兵のリーダーたちも軍や警察でしかるべきポジションを与えられた。これで治安は一気に改善されたのだ。

 あるときはソマリランドの政治体制。ソマリランドの立法府は「議会」と「グルティ(長老院)」からなる。議会は政党に所属する政治家で構成され、グルティは各氏族の長老から選ばれた代表がメンバーとなっている。政党は氏族ごとにまとまらないよう、選挙の際に細かくルールが定められている。だから議会は純粋に(つまり氏族に左右されず)政治家が法案を作成し、政府や国のあり方を論議する場となっている。

 つまり、政治家と氏族は互いに監視し、補い合っている。ソマリの伝統と近代民主主義のハイブリッド。それがソマリランドが世界に誇る独自の統治システムだ。

 そんな話をすると、「へえ、すごいね!」とアブディラフマンは素直に感心した。そればかりか、早稲田の「国際政治」の授業で私の受け売りをそのままレポートにしてAをもらったりしていた。

 2ヶ月ほど経つと、われわれの関係もかなり落ち着いてきた。
 いよいよ懸案であるホーン・ケーブルTV東京支局の立ち上げを真剣に考え出した。
 私はこれまで何度となくテレビの仕事をした経験があり、だいたい何をどうすればいいかはわかる。また、1回目のソマリランド旅に同行してくれた探検部後輩の宮澤という男が格安で協力してくれるという。彼の本職はテレビのカメラマンだ。

 アブディラフマンにレポーターを頼むと、「有名になれる!」と喜んで引き受けてくれた。彼によれば、ソマリの若者はみんな、有名になりたがっている。だが、ふつう、有名になるためには家が金持ちか、強い氏族に所属する必要がある。政治家になるにしてもビジネスマンになるにしてもだ。

「だから、カネがなくて、氏族も強くない若者はミュージシャンかジャーナリストに憧れる」
 要するに手っ取り早く有名になれる二大職業だというのだ。とくに南部ソマリアでは、ジャーナリストはひじょうに危険な仕事なだけに、その分リスペクトの度合いも大きいらしい。日本では身の危険も心配せずにジャーナリストになれてお得だと彼は考えているようだった。

 われわれは三者三様の理由でやる気を燃やした。ホーン・ケーブルTVのロゴ入りの名刺も作成した。

 次は取材テーマだ。・・・結局、唯一思いついたテーマは「日本の中古車輸出事情」。これしかなかった。
(中略)

 ソマリ側と私の関心が一致した―かどうか不明だが、そうだと思うことにして、私は東京都調布市にある中古自動車の輸出を主とした専門商社「ビィ・フォアード」を訪れた。社員50名以上(当時)の、なかなか大規模な会社だ。社長と主な経営スタッフに話を聞くと想像以上に面白いことがわかった。

 現在、ソマリランドの人々はもっぱらドバイ経由で日本の中古車を輸入している。日本からはパキスタン人の業者が輸出し、ドバイではソマリ人が仲買人をやっているようだ。車種はマークⅡとランドクルーザーが多く、全体の6、7割を占める。年式はだいたい1990年代半ばから後半、つまり15年落ちくらいが普通だ。マークⅡはだいたい3千ドル(約30万円)くらいすると聞いている。

 ところが、ビィ・フォアードによれば、同じ車を日本から直輸入すれば2千ドルで済むという。三分の二の値段だ。ドバイを経由すれば当然余計な手間がかかるし、仲介業者が利益をとるから、その分高くつくわけだ。

 直輸入の利点はそれだけではない。近頃は湾岸諸国で車が行き渡り、ドバイでは日本からの中古車がだぶついている。買い手がつくまで、それらの車は半年以上もヤードに留め置かれる。ヤードは海辺の巨大な駐車場みたいな場所らしく、湾岸の強烈な日差しや潮風や砂埃にさらされているので、半年も経てば車体が相当いたむ。直輸入車のほうが品質的にもはるかに勝るのだ。

 販売(購買)方法もビィ・フォアードは単純明快である。Amazon.comや楽天同様、ネット通販なのだ。お客はホームページに掲載された商品(車)の中から好きなものを選び、搬送料と保険料込みの値段を確認する。購入する際はサイトを通して問い合わせをするとビィ・フォアードから請求書が届くので、お客がその金額や諸条件に納得すれば、ビィ・フォアード宛てに全額を送金する。ちなみに、送金先は日本の中古車業者がいくつも参加している大手の仲介業者となっている。

 入金が確認されたら商品を発送する。ビィ・フォアードが商品に責任を持つのは最寄りの港までで、あとは通関から登録手続きまで全てお客が自分で行う。例えば、コンゴ人のお客が買う場合、最寄りの港はケニアのモンバサ港になる。そこまで自分で引き取りに行き、あと千キロか2千キロか運転して帰るわけだ。こうして大量の車輌が日本からアフリカ大陸に日々流れているのだ。


・・・・ということで「日本の中古車輸出事情」という番組作りのお話が続くのです。
感想は読後に報告する予定ですので、請うご期待。

恋するソマリア1byドングリ

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