「悪の枢軸」関連ニュース3 ③

<「悪の枢軸」関連ニュース3>
中国が中国包囲網に対抗して、北朝鮮、イラン、その他アフリカの独裁国家との関係を札束ではりとばして強化しているが・・・・それこそが友好国がいない「悪の枢軸」とでも言える由縁である。
日本の安全保障のために、そのあたりの情報を集めてみます。
なお昨今とみに、中国への傾斜を強める韓国についても、取り上げます。
韓国には伝統的な恨500年という性癖があるし、謝罪に対してはムービング・ゴールポストといわれる頑な性癖もある。いずれも中華の蹂躙に晒されてきた性癖であり、論理ではないのである。

<小中華は壮大な勘違い>
朝鮮日報に「小中華は壮大な勘違い」というフレーズが載っています。
この新聞も、わりと冷厳な歴史認識を取り上げることもあるようですね♪


2015.5.24韓国の国益を害す歪んだ対日認識より
教授尹平重教授

 あらためて強調するが、韓半島歴史繰り返し説は民族感情をあおり、それに便乗したデマに過ぎない。最も致命的なのは、歴史繰り返し説が韓国人の現実認識や将来予測をゆがめていることだ。その弊害は日本と中国に対する認識に裏返った形で集中して現れている。

 安倍政権の歴史修正主義は普遍的市民倫理に基づいて批判すべきだが、「現代日本が軍国主義国家に走るかもしれない」という懸念は誇張されたものだ。それは、日本が世界帝国・米国に正面から挑まない限り、実現不可能なシナリオだ。

 日本に対する韓国人の民族主義的過敏反応は、中国に対する韓国人の鈍感な反応と表裏一体の関係にある。中原大陸(=中国)からの韓半島侵略は、日本列島からの侵略よりもはるかに多かったという史実を考えれば、実に奇妙な現象だ。

 ところが、帝国を目指す日本の夢は白日夢にとどまったのに対し、中国はその5000年の歴史の中で常に帝国だったし、今も世界帝国になろうと進軍している。
 こういう時、帝国は自国を「秩序の創造者であり、保証人だ」と大国以上の存在として考える。ローマ帝国、大英帝国、中近東のオスマン帝国、20世紀のソ連帝国、今日のアメリカ帝国などが代表的な例だ。

 朝鮮時代、私たちの先祖が「小中華」を自任し、中国と自分たちを同一視していた虚偽意識は、21世紀の韓国人たちが中国帝国よりアメリカ帝国を批判する方が進歩的だと信じる「壮大な勘違い」として再生産されている。

 自閉的対外認識と名分論に始まった対日関係の悪化は、韓国の国益を深刻なまでに害しているため、対日関係を早急に正常化し、安倍政権に堂々と対抗するのが賢明だ。中国とも引き続き近しくすべきだが、帝国としての中国に傾倒しすぎるのは韓半島の独立と市民的自由にとって有害だ。


ジャパン・ハンドラーズと称されるマイケル・グリーン氏は日本の味方なのか、敵なのか?

2015.5.22米国の「うんざり」が「嫌韓」に変わる時より
 米国が韓国に言い渡した。中国に対抗するため、米国は日本とスクラムを組んだのだ。「慰安婦」で我々の仲を裂こうとするな――。

<韓国を見透かしたマイケル・グリーン>
Q:前回は「日本との外交戦に負けた」としょげ返っていた韓国が、突然、元気になった、という話でした。

鈴置:エズラ・ヴォーゲル(Ezra F. Vogel)ハーバード大学名誉教授ら187人の日本研究者たちが、安倍晋三首相に慰安婦問題の解決を求める声明を発表したからです。

 この「日本の歴史家を支持する声明」は、韓国の姿勢にも疑問を投げましたが、韓国各紙はそれをほとんど無視。この声明を援軍に外交戦で日本に逆襲しようと、メディアは戦意を盛り上げました。

 実は、この状況を見越していたかのような記事があります。マイケル・グリーン(Michael Green)戦略国際問題研究所(CSIS)上級副所長兼ジョージタウン大学准教授が、安倍首相の訪米直前に中央日報に寄稿した「安倍の訪米に韓国は何を期待するのか」(4月24日、日本語版)です。

<「慰安婦」で対中包囲網を妨害>
鈴置:中国は南シナ海で埋め立てを進めるなど、露骨な膨張政策に乗り出しました。それを阻止するため、米国は日本をはじめ豪州、ベトナム、フィリピンとの軍事協力を急速に強化しています。

 一方、韓国はそれに加わらないどころか、対中包囲網を妨害しています。2014年7月には日本の集団的自衛権の行使容認に中国とともに反対しました。「慰安婦」で韓国が大声を上げるのも、その一環と見なされ始めました。

<日本がいくら謝罪しても……>
 そんな韓国に対し、グリーン副所長以上に厳しい警告を発したのがビクター・チャ(Victor Cha)ジョージタウン大学教授です。

 日本がいくら謝罪しても、韓国は後から「日本はちゃんと謝罪していない」と言い出します。だから日本の謝罪は問題の解決につながらない――。ここを、ビクター・チャ教授は突いたのです。

 これは「動くゴールポスト論」と呼ばれています。韓国は後から「やっぱり不十分だった」として「謝罪のゴール」の位置をどんどん移すからです。

 ビクター・チャ教授は「もう、韓国の手口は米国にも見透かされている。どんなにうるさく言ってきても今後、米政府は日本に対し慰安婦で韓国に謝れと要求しないと思う。対米交渉の基本方針を変えた方がいい」と示唆したのだと私は思います。

そもそも、米国人が公開の場で「ゴールポスト論」を持ち出すのは珍しい。本当のこととはいえ、いや、本当のことだからこそ、これを指摘されると怒り出す韓国人が多いのです。そうなると、冷静な話し合いは期待できませんからね。

Q:では今回、なぜビクター・チャ教授は韓国紙でこれを書いたのでしょうか。

鈴置:同教授に聞いたわけではないので、その意図は分かりません。ただ、多くの米国のアジア専門家が「もう、韓国はかばえない」と言い出しています。

<もう、韓国はかばえない>
Q:いわゆる「韓国疲れ」(Korea Fatigue)ですね。

鈴置:ええ、韓国人が米国に押し寄せては「アベに議会演説させるな」「日本に謝らせろ」としつこく要求したからです。筋違いの要求に米国の専門家は困り果てていました(「『アベの議会演説阻止』で自爆した韓国」参照)。

 5月18日、韓国での会見で「慰安婦」を聞かれたケリー(John F. Kerry)国務長官は「日本が謝罪を繰り返したことに留意している」と述べました。「もう、慰安婦の話は米国にするな」ということです。

 それに加え韓国人のあまりのしつこさから、ワシントンには韓国を中国の手先と見なす空気が高まってきました。だから米国のアジア専門家も「もう、かばえない」と言い出したのです。


韓半島専門家のスコット・スナイダー氏が、韓国に対して辛口で論じています。

2015.4.30米識者「韓国人の対日観、自信を持って自ら歴史脱却を」より
 さらに、スコット・スナイダー氏は「韓日関係の強化こそ韓米日のすべてに利益をもたらす」とも言った。それは、分かっていながらも達成困難な歴史認識問題が、損得とは関係なくアイデンティティー問題に発展してしまったからだという。「韓日関係は接点を見いだすのが難しいだけに、(解決ではなく)『管理』するのが最善だという人もいる。だが、両国には共通の価値観や長年の交流の歴史など『生まれながらにしての同伴者(natural partner)』と言える楽観的な要素がある。両国関係は破たんには向かわないだろう」とも言った。

 そして、「韓国は独裁などかつての過ちを正し、民主化を成し遂げた。同様の論理で50年前に韓国が弱小国だったころに締結した韓日協定も見直してほしい。韓国人が日本に心からの謝罪を要求するのは十分理解できるが、安倍首相に対する期待値が高くなればなるほど、彼の影響力が大きくなるばかりだ。むしろ、韓国人は自信を持って歴史問題から自ら脱することが可能だと判断すべきだ」と述べた。



危うい二股路線というのが、実態に近いと思うけど。

2015.4.15出国禁止解除で韓国の対日「二重路線」戦略が本格化かより
 韓国と日本が安保関連協議を相次いで開催、関係改善模索のための「二重路線」が本格化したとの見方が出ている。

 韓日両国は14日、ソウル市内で李相徳外交部(省に相当)北東アジア局長と伊原純一外務省アジア大洋州局長を首席代表とする安保政策対話を開いた。両国の外交・国防当局者が2+2形式で安保について話し合ったのは2009年12月以来、5年ぶりだ。この対話で日本側は安保法制整備のほか、日米防衛協力の指針(ガイドライン)改正の際、韓国の主権を尊重するという考えを明らかにしたとのことだ。集団的自衛権行使に対する韓国側の懸念をある程度解消しようとする意図があるものと見られる。

 参加者によると、日本側は韓日国防相会談の早期開催を提案したが、韓国側は「慎重に検討する」と答えたとのことだ。米ワシントンでは16日、韓米日3カ国外交次官会談が開かれる。これとは別に16・17日に3カ国の国防次官補が出席する「防衛実務者協議(DDT)」がワシントンで予定されている。1週間のうちに日本と集中的に安保協議をするのは非常に異例のことだ。

 検察が同日、朴槿恵大統領の名誉を毀損したとして起訴され、裁判中の加藤達也産経新聞前ソウル支局長の出国禁止措置を解除したのも、韓日間の安保関連協議が今週相次いで開かれているのと関係があると外交筋では見ている。これについて外交部は「法務部は出入国管理法など関連規定に基づき出国停止措置を解除したと聞いている。韓日関係とは無関係な事案だ」と述べた。加藤前支局長の出国禁止措置解除に「外交的考慮」は反映されていないという意味だ。検察も「純然たる独自の判断だ」と話している。


 しかし、これについては政府が歴史認識問題・領土問題と安保・経済問題を切り離して対応する「二重戦略」を本格化させたいという考えから、「加藤氏出国禁止措置の解除」という切り札を使ったとの見方が有力だ。韓日関係改善のために多角的方策が検討されている中、負担の要因となっている「加藤問題」を取り除こうとした面が強い。外交消息筋は「加藤氏に出国を許可したことで、韓国政府は日本に関係改善に前向きなサインを送った」と話す。

 韓国政府の「二重戦略」基調が本格化したのは、米国の圧力の影響もあるという。ある外交筋は「中国に対し、韓米日三角安保協力体制を強化しようとしている米国はこのほど、韓日両国に『確執を最小限に抑え、安保協力を強化しよう』とのメッセージを送った」と語った。


ハンギョレ新聞が冷静な論評を載せています。

2015.4.8「過去の緊張や現在の政治より未来に目を」シャーマン次官に続き米高位当局者の共通認識より
 「(韓日間の)協力による潜在的利益が、過去の緊張や現在の政治より重要だ」

 就任後、初の東アジア訪問に出たアシュトン・カーター米国防長官は、日本を訪問した8日に公開された読売新聞とのインタビューで直接的に韓国を圧迫した。 カーター長官は「米国はこの関係(韓日関係)に存在する歴史的敏感性を十分理解する」としつつも「我々3カ国(韓米日)は未来に視線を転じなければならない」と強調した。事実上「歴史問題は覆っておこう」と求めるものなので、韓国に及ぼす外交的衝撃は侮れないと見られる。 カーター長官は9日から11日まで韓国を訪れる。

 カーター長官の発言は、現在進行中の韓日軋轢の責任を主に韓国側にあるとしている。 米政府当局者や専門家らは「中国の浮上」を牽制するための韓米日安保協力の必要性を強調する時、「潜在的利益を考慮して未来に視線を転じよう」という外交的修辞を使う。 韓国政府が過去の問題にしばられている状況が韓日関係、韓米日軍事協力強化の障害物として作用していると考え、過去の棚上げが米国政府の具体的要求となった。 また、彼が「現在の政治」に言及した点は、朴槿恵政権が国内の政治的支持を維持するため韓日関係の悪化を放置しているのではないかという不満が根底にあるものと見られる。

 カーター長官の発言は、「いかなる政治指導者も過去の敵を非難することによって安っぽい拍手を受けることは難しくない」という2月末のウェンディ・シャーマン国務部次官の演説と同じ流れの中にある。 当時のシャーマン次官の演説が、単純に一回きりの性質ではなく、“失敗”でもなく、韓国政府と韓日関係に対する米当局者の共通した認識だということがわかる。

 韓国に対する圧迫を通じて米国が北東アジアで達成しようとしている戦略的目標は、中国を念頭に置いた地域ミサイル防御(MD)システムの構築だと言える。 カーター長官は今回のインタビューで、韓米日3国が昨年12月末に「北朝鮮の核とミサイル威嚇に関する3者情報共有約定」を締結した事実に言及して「この重要な両国(韓国と日本)同盟と今まで例を見ない情報共有の努力を具体化し、その機会を得たと考える」と明らかにした。 情報共有約定は3国間ミサイル防御網協力体制の根幹として知られている。

 カーター長官はまた「3国(韓米日)安保協力を強化することは、米国の「アジア・太平洋再均衡」政策の核心要素だ。 日本はこの努力で重要な役割を受け持つ」として、今後米国の対中牽制構図で日本の軍事的比重を大幅に高めると公式に述べた。 日本が推進している集団的自衛権の拡大は、米国が一貫して要求してきたことであり、日本の安倍晋三政権が積極的にこれを受け入れたことに対する一種の肯定的回答であるわけだ。

 米国と中国の間に挟まれ、高高度防衛ミサイル(THAAD)配備問題で頭を痛めている朴槿恵政権は、今回は米日間に挟まれ“雪隠詰め”になった。日本が中学校教科書と外交青書などを通して連続的に独島領有権主張を強化している状況で、米国政府まで過去の問題について日本寄りの姿勢を示しているためだ。“過去と安保”を分離しようとする米国の立場と、過去と安保を分離できない圧倒的な国内世論の間で折衷点を求めることも容易ではない。外交的側面でも、国内政治的側面でも“総体的失敗”という分析が出てくる理由だ。東京/キル・ユンヒョン特派員、イ・ヨンイン記者



リー・クアンユーvs朴正熙という考察に意義はあるだろうが・・・
朴正熙以外の元大統領を引き合いに出す記者には、論理の飛躍(あるいは論理の破綻)が見られるようです。
やはり、論理より情理の国なんでしょうね。

2015.3.29リー・クアンユー氏が韓国の大統領だったならより
 人々はシンガポールを快適で安全な一流先進国だと感じており、それはリー元首相のおかげだと認めている。「リー元首相はシンガポールを清廉な国に育て、朴元大統領はそれができなかったために評価が異なる」と言う人もいる。そういう点もあるだろうが、朴元大統領も少なくとも彼自身は私利私欲を追求する人ではなかった。亡くなったときに身に着けていた肌着は着古したものだった。

 シンガポールで、ある老人がリー元首相の遺影に向かって泣きながら敬礼した。彼は「私たちは反対もしたが、結局は彼が正しかった」と語った。「結局は彼が正しかった」というのは「今でも彼がしていたようにしなければならない」というのではなく「そのとき彼が選んだ道が正しかった」という意味なのだろう。今の韓国で「結局は彼が正しかった」と認める姿勢がどれほどあるのだろうか。

 私たちは、シンガポールの人々が夢見ることさえできない巨大な製造業と進んだ技術を持っている。また、シンガポールの先を行く民主主義を実践している。それは、韓国にも「結局正しかった彼ら」がいたためだ。

 植民地からの解放直後、混沌の最中に大韓民国建国を決断した李承晩元大統領、数千年の貧困の足かせを断ち切った朴正熙元大統領、民主主義の信念を守った金大中元大統領、金泳三元大統領が「結局正しかった彼ら」だった。
 互いに意見は違っても「結局彼が正しかった」という歴史だけは認めることができたなら、それだけでも国は大きく変わると信じている。




2015.3.23駐韓米大使襲撃事件 中国の台頭で揺らぐ、韓国の米国観より
 米国のマーク・リッパート駐韓大使が3月5日朝、ソウル都心の世宗文化会館での朝食会に出席した場で、果物ナイフ(全長25センチ)を持った金基宗容疑者(54)に襲われ、右頬を80針縫う大けがを負った。日本でも1964年、エドウィン・ライシャワー駐日米大使が暴漢にナイフで襲われて重症を負う事件が起きているが、近年は、同盟国の首都で米大使が襲われる事件は起きていない。それだけに、国際社会に大きな衝撃を与えた事件だった。

金容疑者は、2010年にはソウル市内で講演した日本の重家俊範駐韓大使に石を投げつけ、外国使節に対する暴行の罪で懲役2年、執行猶予3年の有罪判決を受けたことがある。かつては竹島問題などで日本を非難する活動を熱心にしていたが、最近は、対米非難に重心を移していた。07年には、青瓦台(大統領府)前で焼身自殺を図ったこともあり、警備当局には要注意人物と見られていた。リッパート大使を襲った際も、地元の警察署の警官が金容疑者を見つけて主催者に排除するよう忠告したが、結果的に間に合わなかったという。

 金容疑者は現場で取り押さえられた際、始まったばかりの米韓合同軍事演習への反対などを叫んだ。演習を「北朝鮮侵略のためのもの」と決めつけて反発する北朝鮮の主張に通じるものであることもあり、韓国政府と与党は事件翌日には「(北朝鮮に追従する)従北勢力が起こした事件」だと断定。捜査当局は、国家保安法の適用を念頭に置いた捜査を進めている。

<かつて、韓国には反米感情などなかった>
 金容疑者が「従北勢力」かどうかは、今後の捜査などを見ないと分からない。ただ、「反米的な傾向を持つ民族主義者」だとは言ってもいいのだろう。ところで、韓国における「反米」というのは、実は、それほど長い歴史があるわけではない。極端な言い方をすれば、かつての韓国には反米感情というものが存在しなかったのだ。

在韓米軍兵士による凶悪事件や交通事故は昔もあったけれど、韓国では、それが大きな問題となることはなかった。朝鮮戦争(1950~53年)で北朝鮮軍に攻め込まれ、全土が戦場となった記憶が強く残っていた時代の韓国では、韓国防衛のために3万7000人の戦死者を出した米国を「命の恩人」とする意識が強かった。現在でも、当時を知る高齢者や保守派の人々は、日本の植民地支配から韓国を解放し、朝鮮戦争で韓国を守ってくれたという「感謝の念」を米国に対して抱いている。

韓国のキャリア官僚の研修機関である国防大学校の2001年優秀論文集に「反米感情が国家安保に与える影響」という論文が収録されている。この論文によると、朝鮮戦争から10年余り後の1965年に駐韓米国公報院がソウルで行った世論調査では、68%の人が「一番好きな国」に米国を挙げた。「米国が嫌い」という回答は1%だけだった。こうした傾向は1980年代初めまで続き、韓国紙・東亜日報による1981年の世論調査でも、米国を「好き」が69%であり、「嫌い」は3.3%に過ぎなかった。

<光州事件を契機に、米国への懐疑心が台頭>
親米一辺倒だった韓国社会の空気が変わる契機は、1980年の光州事件だった。

 18年間に渡って独裁を続けた朴正煕大統領が1979年10月、側近によって射殺されたことで、韓国政治は激動期を迎えた。独裁体制が終わったことで民主化を要求する声が高まり、「ソウルの春」と言われる自由な時期が訪れたのだ。一方で、危機感を抱いた新軍部と呼ばれる全斗煥将軍(後の大統領)らのグループは同年12月に「粛軍クーデター」を起こして軍内の実権を掌握し、その後、戒厳令を全国に敷いて民主化要求デモを抑えようとした。

 その過程で起きたのが、野党の有力指導者である金大中氏(後の大統領)の強固な地盤である光州を舞台にした光州事件だった。光州では1980年5月、新軍部による金大中氏逮捕などに反発する大規模なデモが連日のように行われ、新軍部は特殊部隊を投入して武力で鎮圧した。犠牲になった市民の数は少なくとも200人、家族が行方不明になったと申告した人も300人を超えた。

 韓国軍の指揮権は当時、在韓米軍が握っていた。民主化を要求する学生や知識人の間には、韓国軍による武力鎮圧を米国が承認したか、少なくとも黙認したという疑念が生まれた。

<「親米」のねじれた「反米」>
そして、同年12月に光州のアメリカ文化院への放火事件が起き、82年3月には釜山のアメリカ文化院が放火された。85年5月には、ソウルのアメリカ文化院に大学生73人が乱入し、立てこもる事件が起きた。

 ただ当時の「反米」はまだ、ストレートな反米感情とは言えなかった。当時、ソウル大で学生運動のリーダーを務め、投獄された経験を持つ男性は、一連の事件は「反米運動ではなかった。むしろ心情的には親米とも言えるものだった」と話す。

 人権や民主主義のチャンピオンであるはずの米国が新軍部や全斗煥政権を支持するのは道理に合わない。だから、「軍事独裁政権を支持しないでほしい。本来あるべき米国の姿に戻ってほしい」と訴えかけようとしたのだという。

 この男性の後輩で、ソウルの文化院襲撃事件に関与したとして投獄された金民錫氏(元国会議員)も、「米国を信頼していたのに、米国を友邦だと信じていたのに、米国は民主主義を保護しなければいけないのではないのか、という思いがあった」と振り返った。

<米国を特別視する「もう一つの背景」>
 前述の論文「反米感情が国家安保に与える影響」は、日本の植民地支配からの解放者であり、朝鮮戦争で韓国を救ってくれた米国は、韓国人にとって特別な国だったとしたうえで、「米国を特別な国として認識するようになったもう一つの背景」に言及している。

 筆者が挙げた背景とは「韓国の伝統的な対外関係」である。その部分を引用してみよう。

【過去において、韓国と中国の間では、弟が兄に仕え、兄は弟の面倒を見る「兄弟」のような事大関係が主要な外交形態だった。韓国人たちは、このような役割を米国が代わりに引き受けることを期待したし、韓国が厳しい時は米国が助けてくれると考えた。そして(韓国が)権威主義政権の時は、民主化へと進むように米国が圧力をかけてくれることを期待した。ある意味では、韓国人たちの間に生まれている反米的な見方は、米国がこのような韓国人たちの期待を満たしてくれることが出来ない上に、経済的な圧力を加えることに対して残念がる感情が内包されていると見ることが出来る。】

 文中の「経済的圧力」は、米国による市場開放圧力や在韓米軍の駐留経費で「応分の負担」を求められるようになったことを指す。米国にすれば、経済成長を遂げた韓国には負担を求めることが可能になったというだけのことだが、論文は「韓国側は米国の態度を批判し、米国は韓国の態度に不満を持った」と指摘する。

 事大主義は、中国を宗主国とした朝鮮時代までの伝統を背景にしたものだ。論文の指摘は、80年代に「反米」とされた学生運動に身を投じた人々の証言と見事なまでに重なってくる。こうした感情が、米国に対する不満を韓国社会に広めたと言えるだろう。


「悪の枢軸」関連ニュース2

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