証言班目春樹3
<証言班目春樹3>
図書館で『証言班目春樹 原子力安全委員会は何を間違えたのか?』という本を手にしたが・・・・
原子炉安全の学者でもある著者が、専門家の立場で班目委員長の証言と事故処理について語っています。
15日の午前5時半ごろ、菅さんは東電本店に乗り込んだわけですが…
これはイラ菅の面目躍如と言えるのではないか♪
福一事故収束に関して、「菅リスク」という言葉があったようですが(笑)・・・・
東電本店に統合対策本部を設けたのは、結果的に吉田所長に、より権限を持たせることになって、いい方に転がったようですね。
SPEEDIの欺瞞的な運用については、ネットでも非難轟々でしたね。
そのあたりについて、斑目さんが証言しています。
このSPEEDIの追求は、大手メディアではどうなっているんだろう?・・・まさか忘れたのか?
ところで、原子力ムラ、原発再稼動を題材にした小説『東京ブラックアウト』を最近読んだので紹介します。この本にも官僚のすごい実態が出てきます。
証言班目春樹1byドングリ
証言班目春樹2byドングリ
図書館で『証言班目春樹 原子力安全委員会は何を間違えたのか?』という本を手にしたが・・・・
原子炉安全の学者でもある著者が、専門家の立場で班目委員長の証言と事故処理について語っています。
【証言班目春樹 原子力安全委員会は何を間違えたのか?】 ![]() 班目春樹, 岡本孝司著、新潮社、2012年刊 <「BOOK」データベース>より 事故当時、総理官邸内では何が起きていたのか。根幹となる原子力安全規制のどこに問題があったのか。そして、なし崩し的に進む再稼働は本当に安全なのかー。この国が戦後最大の危機を迎えた一週間、原子力安全委員長として官邸で事故対応に当たった班目春樹氏が語る「原発の真実」。 【目次】 第1章 未曾有の非常事態(三月一二日早朝、福島第一原発へ/ベント成功!? ほか)/第2章 官邸機能せず(「インチョウが来ました」/情報がない ほか)/第3章 霞が関の罠に嵌った原子力安全委員会(初の記者会見で/漏れ出した放射性物質量を初めて推計 ほか)/第4章 安全規制は何を誤ったのか?(無責任な緊急提言/世界に取り残された日本の安全規制 ほか) <大使寸評> 原子炉安全の学者でもある著者が、専門家の立場で班目委員長の証言と事故処理について検証しています。 何につけ敗因を検証し、今後の改善に資することは有益なことだと思うのです。 班目春樹・元教授には、個人的に面識があったので、興味深いレポートです。 <図書館予約:(4/20予約、4/29受取)> rakuten証言班目春樹 原子力安全委員会は何を間違えたのか? |
15日の午前5時半ごろ、菅さんは東電本店に乗り込んだわけですが…
これはイラ菅の面目躍如と言えるのではないか♪
p97~100 <撤退問題への見解> 「東電が福島第一原発から前面撤退したがっている」―。 そう聞いたのは、1号機、3号機に続き2号機も危機的な状況にあった15日の午前2時過ぎでした。 私は前日の午後11時半頃、原子力安全委員会に戻って執務室のソファで仮眠を取っていたところを官邸からの電話で起こされ、呼び戻されました。記憶がやや曖昧なのですがあ、官邸の政治家の誰かに撤退の件について意見を求められました。最初は経産省から来た安井さんと一緒だったと思います。 いったん撤退すれば次に戻るのが困難となるので、撤退は福島第一原発の事故収束を放棄することと同じだ。そもそも、1号機、3号機は爆発は起きたものの、海水注入ができるようになっており、すでに山場を越している。問題は2号機だけだ。免震重要棟には放射性物質を中に入れない機能があり、まだ頑張れる。仮に東電が撤退すれば、その後を自衛隊も米軍も引き受けてくれるとは思えない―。 そう、自分の意見を率直に述べました。それじゃあということで、東電の清水社長を呼び出すことになりました。 午前4時過ぎ、清水さんが官邸にやって来るのを、総理執務室で菅さんや枝野さん、海江田さんたちと一緒に待ち受けていました。 「撤退など許さないぞ!」 清水さんが部屋に入るなり、菅さんはそう怒鳴りました。 「撤退なんて考えていません」 出鼻をくじかれた形になった清水さんは、そう小さな声で答えるのが精一杯でした。 東電が官邸の政治家に撤退を申し入れたと聞いていたので、私としてはやや拍子抜けしたのを覚えています。 菅さんは清水さんの話を聴くというより、激怒していて、 「東電の言うことは信用できない。これから政治家を東電本店に常駐させるからな」 そう息巻いていました。 これはすなわち、政府と東電で統合対策本部を設けるということです。 清水さんはこの命令を受け入れて、菅さんが直ちに東電本店に乗り込むことになりました。私は、原子力安全委員会委員長代理の久木田さんや岩橋事務局長と一緒に、永田町の官邸から歩いて内幸町の東電本店に向かいました。 「このままでは日本は全滅だ」「60になる幹部連中は現地に行って死んだっていいんだ」―。 午前5時半ごろ、東電本店に乗り込んだ菅さんは、居並ぶ東電幹部を前にして捲くし立てました。何分くらい話していたかは忘れましたが、長い演説でした。怒鳴るだけ怒鳴った後、菅さんは我に返ったみたいで「こんな大勢で会議をしたって意味ない。責任者だけで話し合う小部屋を用意しろ」といい出しました。私も小部屋に移り、引き続き海江田大臣らとともに、東電との打ち合わせに入りました。 統合対策本部が本当に必要だったかどうかは、分かりません。ただ、情報の流れが改善されたことは間違いありません。 もっとも、この頃になると関係者がナマの情報を共有していることもあり、それまでのように「いったいどうなっているんだ」と、政治家から状況解説を求められることは少なくなりました。また、記者会見など政府側の対応に関しては、安井さんがほとんど仕切ってくれたので、私たち原安委はようやく本来の業務に取り組めるようになりました。 実際、原安委には、各省庁や地方自治体などから様々な問題について「助言」の依頼が殺到していたのです。私としてはこれをどんどん捌いていくことが重要だと考え、原安委にいる時間が増えました。 最初に考えていた最悪のシナリオは、なんとか回避できました。福島第一原発で何百人もの人が命を賭して頑張った結果です。福島第一原発の吉田昌郎所長も、「死を覚悟した」と言っています。 |
福一事故収束に関して、「菅リスク」という言葉があったようですが(笑)・・・・
東電本店に統合対策本部を設けたのは、結果的に吉田所長に、より権限を持たせることになって、いい方に転がったようですね。
SPEEDIの欺瞞的な運用については、ネットでも非難轟々でしたね。
そのあたりについて、斑目さんが証言しています。
p117~119 <使い物にならなかったSPEEDI> 繰り返しになりますが、原子力安全委員会はあくまで「助言」組織です。最終的に物事を判断し、執行する責任は担当官庁にあります。国民のために全力を尽すことが政府、公務員の責務だったはずですが、本当にそれが果たされていたのかどうか。 私の見る限り、あの非常時に実際に各省庁間で繰り広げられたのは、もっぱら責任の押し付け合いでした。そんな霞が関でわれわれ原安委は、「底なしのお人好し」と思われていたようです。とりわけ、文部科学省に対しては、よくもここまで責任を押し付けてきたものだと、憤りを通り越してあきれてしまいます。 助言要請にかこつけて、厄介になってきた自らの責任業務を、そっくり原安委に丸投げしてきたのです。特にひどかったのは、「SPEEDI」の一件です。 SPEEDIは、原発事故で放出された放射性物質が、どこへ、どのくらい広がるかを即時に予測するシステムです。「緊急時迅速放射能影響予測ネットワークシステム」が正式名称で、その英語訳の各単語の頭文字からSPEEDIの愛称がつけられました。スピ-ディ、つまり迅速に放射能の影響を予測する、という語感を持たせたのでしょう。 しかし実際には、今回の事故ではスピ-ディどころか、スリーピィだったと思います。事故の直後に、必用な情報は住民に発信されず、眠っているかのようでした。 このシステムは、1980年から当時の日本原子力研究所(現:日本原子力研究開発機構)が研究開発に携わってきたものです。大型のコンピューターと言っても性能的には今のパソコン程度なのですが、これが普及し始めた頃のことで、コンピューター・シミュレーション(模擬実験)が様々な分野に広がろうとしていました。 前年には米スリーマイル島で原発事故が起きています。欧米の原発利用国も、万が一の事故に備えて同様のシステムの構築を目指しており、予測精度や予測までにかかる時間などの能力を各国が競っていました。日本もこれに参加し、当時、まずまずの成績だったと思います。 こうした状況を踏まえ、旧・科学技術庁が予算を確保して運用を始め、省庁再編の後は、文部科学省がこの事業を引き継ぎました。その所管の下で、実際の運用を担ってきたのは同省が設立した財団法人原子力安全技術センター(原安技センター)です。 文科省はSPEEDIを、非常に頼りがいのある防災対策システムだと盛んに喧伝してきました。原発事故が起きた際には、スーパーコンピューターを活用し、放射性物質の拡散する地域を迅速に割り出し、その到達時間を考慮した上で最も被害を軽減する形で、住民に対して避難もしくは屋内退避を指示できるはずだったのですが、実際にはほとんど使い物になりませんでした。その意味では、これまでSPEEDIにつぎ込まれてきた120億円もの大金は、まさにドブに捨てられたようなものです。 |
このSPEEDIの追求は、大手メディアではどうなっているんだろう?・・・まさか忘れたのか?
ところで、原子力ムラ、原発再稼動を題材にした小説『東京ブラックアウト』を最近読んだので紹介します。この本にも官僚のすごい実態が出てきます。
【東京ブラックアウト】 ![]() 若杉冽著、講談社、2014年刊 <商品説明>より 大ベストセラー『原発ホワイトアウト』を凌ぐディテールと迫力!! キャリア官僚が書いたリアル告発ノベル、最新作! 「原発再稼働」が既定路線のように進む日本……しかし、その裏には真っ黒な陰謀が渦巻いていた! いったん「原発再稼働」を認めれば、「発送電分離」は不可能となる……そのカラクリを暴いていくと驚愕の真実にぶち当たった……そう、「原発再稼働」で殺されるのは、大都市の住民だったのだ!! 自分の家族の命と財産を守るため、全日本人必読の書! <読む前の大使寸評> キャリア官僚がクビ覚悟で執筆したようだが、クビになっても生きてゆけるという大胆さがいいですね♪ <図書館予約:(1/07予約、3/18受取り> rakuten東京ブラックアウト 東京ブラックアウトbyドングリ |
証言班目春樹1byドングリ
証言班目春樹2byドングリ
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