本よみうり堂の書評から2

ふだん読売新聞は読んでいないのだが、ネットで「本よみうり堂」を見つけたんです。
お なかなかええやんけ♪
・・・ということで、気になる書評やニュースを見てみましょう。

・在日詩人・金時鐘さんが回想録
・本屋大賞に上橋菜穂子さん「鹿の王」

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在日詩人・金時鐘さんが回想録より
金
 
 『猪飼野詩集』などで知られる在日の詩人・金時鐘(キムシジョン)さん(86)=写真=が、回想録『朝鮮と日本に生きる』(岩波新書)を刊行し、韓国・済州島で1948年に起きた「四・三事件」との関わりをつづった。

 「苦難の故郷を見捨てて逃げを打ったことは一生の負い目」と長く沈黙してきたが、その体験は金さんの紛れもない“詩のありか”でもある。

 四・三事件は、同年4月3日の反体制派弾圧事件。南北分断の固定化につながる南朝鮮の単独選挙を阻止しようと、民衆が武装蜂起し、軍や警察の鎮圧部隊に数万人が殺された。19歳の金さんは、武装隊を率いた南朝鮮労働党の一員だった。襲撃先の郵便局では、同志が目の前でカービン銃で撃たれ、自らも追われる身となった。翌年5月、日本行きの密航船に乗り込み、大阪・生野のコリアンタウンに行き着いた。

 〈春は 喪の季節です。/甦(よみがえ)る花は きつと/野山に 黒いことでしよう。(略)//私は一本の つつじの花を/胸にかざるつもりで います。/砲弾の くぼみに咲いた 黒い花です。〉

 55年に出した第1詩集『地平線』で焦土と化した故郷を悼んだが、自らの関与には触れていない。「軍事政権下の韓国に強制送還されれば、事件の残党ということでまず命はなかったやろうから」。日本に来た理由は「よんどころない事情」としたままだったが、ゆるぎない詩人の言葉で「在日」を生きる意味をとらえてきた。「そうでないと、民族意識に目覚めたことも、事件に関わったことも、自分にとって何のよすがでもないことになる。空虚だよ。知った者が、知らない形は取れないのよ」

 韓国の民主化が進んだ90年代以降、事件の検証が進むにつれ、講演や対談の場で体験を語り始めた。2010年の詩集『失くした季節』では当事者としての心情を率直に表現した。

 〈ぼくの春はいつも赤く/花はその中で染まって咲く。(略)//世紀はとうに移ったというのに/目をつぶらねば見えてもこない鳥が/記憶を今もってついばんで生きている。(略)//木よ、自身で揺れている音を聞き入っている木よ、/かくも春はこともなく/悔悟を散らして甦ってくるのだ。〉

 改めて文章に書き残したのは、「80も半ばを過ぎて、自分の整理をしたようなもの」。苛烈な生を支えたのは、密航船の手配を整え、一人息子を逃がした両親の存在だった。「まるで鳥がひなを育て、巣立たせるような見返りのなさ。それは、愛の全くの原型なんだよ」。朝晩、遺影に向かってあいさつを欠かさないという。(大阪本社文化・生活部 中井道子)


朝鮮
金時鐘著、岩波書店、2015年刊

<「BOOK」データベース>より
日本統治下の済州島で育った著者(1929~)は、天皇を崇拝する典型的な皇国少年だった。1945年の「解放」を機に朝鮮人として目覚め、自主独立運動に飛びこむ。単独選挙に反対して起こった武装蜂起(四・三事件)の体験、来日後の猪飼野での生活など波乱万丈の半生を語る詩人の自伝的回想。『図書』連載に大幅加筆

<読む前の大使寸評>
金時鐘さんは、梁石白さんとともに、大阪城公園の鉄をかましてきたアパッチ族であったが・・・
当時のことを知る人たちがいなくなる歳頃になりました。

<図書館予約:未>

rakuten朝鮮と日本に生きる



本屋大賞に上橋菜穂子さん「鹿の王」より
上橋

 2015年本屋大賞(同賞実行委員会主催)が7日発表され、大賞は上橋菜穂子さん(52)の「鹿の王」(上下巻、KADOKAWA)に決まった。

 授賞式で上橋さんは、「生まれて初めてのアルバイトが書店員で、本屋さんと一緒に生きてきたような人生です。そんな、読者と本の懸け橋である本屋さんに選んでいただき、ほんとうにうれしい」と喜びを語った。

 「鹿の王」は、異世界が舞台の長編。死に至る謎の病に侵されたが一命を取り留めた男を主人公に、生命の神秘から、異なる価値観の民族や国家の衝突、さらには先鋭化した部族の凶行までも描く。

 2位は西加奈子さん(37)の「サラバ!」(小学館)、3位は辻村深月さん(35)の「ハケンアニメ!」(マガジンハウス)。翻訳小説部門は、ピエール・ルメートル著「その女アレックス」(橘明美訳、文春文庫)だった。


鹿

上橋菜穂子著、KADOKAWA、2014年刊

<「BOOK」データベース>より
強大な帝国・東乎瑠にのまれていく故郷を守るため、絶望的な戦いを繰り広げた戦士団“独角”。その頭であったヴァンは奴隷に落とされ、岩塩鉱に囚われていた。ある夜、一群れの不思議な犬たちが岩塩鉱を襲い、謎の病が発生する。その隙に逃げ出したヴァンは幼子を拾い、ユナと名付け、育てるがー!?厳しい世界の中で未曾有の危機に立ち向かう、父と子の物語が、いまはじまるー。

<読む前の大使寸評>
この本を図書館で借出し予約するつもりだが、何ヶ月待つのやら?

<図書館予約:未>

rakuten鹿の王

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