東京ブラックアウト

<東京ブラックアウト>
図書館で借りた『東京ブラックアウト』を読んでいるところです。

折りしも、川内原発再稼動前の「使用前検査」が30日から始まったが・・・・

川内原発 きょうから再稼働前の「使用前検査」より
 鹿児島県にある川内原子力発電所1号機で、原子力規制委員会は再稼働の前に必要な設備や機器の検査、「使用前検査」を30日から始めます。原発事故後に作られた新しい規制基準の下で初めての検査で、新設された重大事故対策の設備など多岐にわたる検査を確実に行うことが求められます。


この小説の内容はこの動きと同時進行のように感じられるわけで、それだけ著者が原発行政の核心部を熟知しているということなんでしょう。


【東京ブラックアウト】
東京

若杉冽著、講談社、2014年刊

<商品説明>より
大ベストセラー『原発ホワイトアウト』を凌ぐディテールと迫力!! キャリア官僚が書いたリアル告発ノベル、最新作!
 「原発再稼働」が既定路線のように進む日本……しかし、その裏には真っ黒な陰謀が渦巻いていた!
 いったん「原発再稼働」を認めれば、「発送電分離」は不可能となる……そのカラクリを暴いていくと驚愕の真実にぶち当たった……そう、「原発再稼働」で殺されるのは、大都市の住民だったのだ!!
 自分の家族の命と財産を守るため、全日本人必読の書!

<読む前の大使寸評>
キャリア官僚がクビ覚悟で執筆したようだが、クビになっても生きてゆけるという大胆さがいいですね♪

<図書館予約:(1/07予約、3/18受取り>

rakuten東京ブラックアウト



電源立地交付金と地方議会との関係が原発行政のキモであるが・・・・
中央官僚による犯罪スレスレの手口が描かれています。

<第3章 電力迎賓館>よりp88~90
 再度、日村が念を押す。
 「…いいですか、これまでは、味方にしておくべきは、隣接自治体の首長と地方議会議員だけだった。これからは、まず範囲がUPZ(予防的防護措置を準備する概ね30キロ圏内の区域)に広がる。UPZの連中は、電力のカネの匂いをもう嗅ぎつけている。ゴロンと横になって抵抗したらカネが降ってくることに、みんな気がついているんです」

 日村はグビッと杯を空けた。しかし、小島が酌をするまえに再度、口を開いた。
 「もう地方議会議員までではだめだ。それぞれの議員の下には、それぞれの選挙区の自治会や町内会がぶら下がっている。自治体の先の自治会町内会連合会から、各自治会や町内会の会長まで抑え込まないといけない」

 日村の声が大きくなる。
 「良いですかっ、鼻薬を利かせるのは、もう政治家だけではダメなんです。地方議会議員は、地元の自治会長や町内会長からしたら、使い走りみたいなもんだ。
 田舎では票の行方も、自治会長や町内会長の一言によって大きく影響を受ける。よって地方議会議員は、自治会長や町内会長には頭が上がらない。だから今度は、自治会長や町内会長レベルまで押さえ込んでいかなければ・・・広く、深く、丁寧に、ということです」
 小島は無言でうなづいた。中央官僚の日村がここまで地方の実情をわかっているのは、やはり保守党政治家とドップリと付き合い、地元での政治家の日常における政治活動をつぶさに理解しているからだろう。

 各電力会社に発破をかけて、都市部の暇な支店長クラスを総動員する。各自治会・町内会の集まりに行って膝詰めで話をさせ、酒を一緒に飲んで、盆踊りや新年会には金一封を渡す。そうして自治会長や町内会長に何を望むか聞き出さなくてはならない。

 原発の周辺は、立地自治体はもちろんその周辺まで、いままで電源立地交付金が出ていたおかげで、他に産業がないにもかかわらず裕福だ。ゆえに市町村合併も進んでいない。ただし自治体の数が多いということは、それだけ手間がかかるということ…しかし、背に腹は代えられない。

 今日は、避難計画のガイドラインをなんとかまとめ上げている原子力防災課長兼内閣府原子力災害対策担当室副室長の守下、この男の慰労という趣旨の一席であったが、結果として、小島はまた、日村から宿題をもらう形となった。

 でもこれでいいのだ。いまは「電力モンスター・システム」を守るための正念場だ。念には念を入れて、今晩、日村に指摘された穴をふさいでおかなければならない。無事に原発が一基動き始めれば、あとはドミノ倒しのように再稼動が進むはずだ。


読後の感想は、また後ほどに。

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