個人的エネルギー政策7    ③

<個人的エネルギー政策7> H26.7.19~~ 
原発ゼロ目標や、経済産業省のエネルギー政策見直しにより、戦国時代のようなエネルギー業界であるが・・・望ましいエネルギーミックスについて考えてみたい。
・燃料電池車(FCV)量産車の動向
・温室効果ガス削減目標
・FCVはどのように普及するでしょうね
・水素・シェール・藻
・石炭火力の復活
・燃料電池車(FCV)低コスト化のジレンマ
・燃料電池車に対する補助金
・商用水素ステーションに対する補助金

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個人的エネルギー政策6>目次
・自然エネルギー関連ニュース
・原発がベース電力だって?
・メタンハイデレートで資源大国に
・メタンハイドレート開発の難しさ
・石炭復権でIGCCの出番か
・太陽光発電が大ブームだが

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個人的エネルギー政策5>目次
・「駄目なものは駄目」という女の論理
・メタンハイドレート開発の動向はどんなかな?
・再生可能エネルギーの動向はどんなかな?
・メガソーラー事業がバブルのような活況
・電力買取り価格案に関するエネ庁思惑は?
・望ましいエネルギーミックスとは?
・電力システム改革に関する経産省の本気度
・脱原発の救世主か
・日本は原子力なしでやっていけるのか
・cop17合意はこれで良かったのか?

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個人的エネルギー政策4>目次

・「地産地消の小出力発電」がいいかも♪(工事中)
・COP17で日本はよくやった
・エネルギー重視の植物工場
・いわき市のIGCCが復旧していた
・送電線の託送料(高圧で4.89円/KWh)がネックか?
・電力を東電でなく「エネット」から購入
・地産地消のエネルギー(工事中)
・原発輸出に向け再始動

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個人的エネルギー政策3>目次
・家庭用燃料電池の販売開始
・中国、韓国のスピード感を知らない役所のアホが
・シェールガス争奪戦
・自然エネルギーをはばむもの
・「ガスランド ~アメリカ 水汚染の実態~」
・サウジでの仕事は何だったのか?
・革命的なシェールガス

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個人的エネルギー政策2>目次
・地熱発電かバイオマス発電か?
・太陽電池と蓄電用のリチウムイオン電池システム
・原発事故後のエネルギーは?
・東電の送電分離案
・菜の花プロジェクト
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個人的エネルギー政策1>目次
・エネルギー政策見直し
・『日本の原発どこで間違えたのか』
・「国策民営」の電力
・新エネルギー政策
・原発が安い?
・エネルギーに関わってきた



<燃料電池車(FCV)量産車の動向>
燃料電池車(FCV)量産車の動向を、日経のネット情報に見てみましょう。


11/28燃料電池車の技術課題を克服、量産車の市場投入が現実により
 ここ数年の技術開発により、燃料電池の量産が2015年をメドに始まる。悩みの種だった水素供給インフラの先行整備も道筋が見えてきた。先行する家庭用燃料電池とともに、燃料電池の普及が現実味を帯び始めている。

 500万円程度の価格で燃料電池車(FCV)の市場投入が2015年から始まる─。最近の電気自動車(EV)ブームの影に隠れて姿を消していたFCVだが、ここへきて普及への道筋が見えてきた(図)。

FCV

 口火を切ったのはトヨタ自動車だ。同社は、2010年11月に開催した「トヨタ環境技術取材会」で「セダン・タイプのFCVを2015年ごろから投入する。お客様に納得していただける価格で提供する」(内山田 代表取締役副社長)と宣言した。

 トヨタ自動車に加えて、日産自動車やホンダも2015年をメドにFCVを投入すべく動きだした。2011年1月にはトヨタ自動車と日産自動車、ホンダの3社が水素供給事業者10社と共同宣言を発表した(注)。

注:水素供給事業者は、JX日鉱日石エネルギー、出光興産、岩谷産業、大阪ガス、コスモ石油、西部ガス、昭和シェル石油、大陽日酸、東京ガス、東邦ガスの10社。

 2015年ごろにFCVを国内で市場投入するのに加えて、普及の最大のネックとなっている水素供給インフラの整備を本格的に進めるというものだ。

 FCVの盛り上がりは、日本市場に閉じた話ではない。世界では、ドイツDaimler社や米General Motors(GM)社、韓国Hyundai Motor社なども2015年ごろの投入を狙い、しのぎを削り始めている。

 FCVが本格的に市場投入されるのを、材料メーカーも実感し始めている。燃料電池の電極用触媒を手掛ける田中貴金属工業は「我々も製造ラインの拡大など、量産の準備に入った」(同社 技術開発部門 FC触媒開発部 副部長の小椋文昭氏)と語る。



<温室効果ガス削減目標は、中東の石油、原発、シェールガス、石炭を睨んだ多元方程式>工事中


11/19米中合意の温室効果ガス目標、石炭離れが進む両国の事情と思惑より
 ホワイトハウスは無論のこと、民主党系米メディアは、温室効果ガス排出量1位と2位の中国と米国両国が目標を設定したことを評価しているが、共和党系メディアは、「中国は16年間何もしなくて良いということだ。米国のエネルギーコスト上昇は家庭にも大きな影響がある」と目標設定を非難している。

 評価は分かれているが、この両国の声明の背後には米中の同じ動きがある。石炭離れだ。中国は、発電の80%を石炭で賄っている。米国はシェール革命のおかげで、石炭から天然ガスへの燃料転換が進み、石炭火力の比率は減少したが、それでも40%を石炭火力に依存している。化石燃料のなかで、CO2を最も排出する石炭の消費量を削減したいというのが、オバマ大統領と習主席共通の思いだ。中国の石炭離れは、日本の安全保障にも影響を与えるが、世界一の石炭輸入国の中国が石炭離れをし、輸入量を減らしても、日本が石炭を買いやすくなり、石炭の輸入価格が下がるメリットがあるということでもなさそうだ。
<欧州でも進む石炭離れ>
中国も米国も、その理由は異なるが、既に石炭離れを始めている。中国が石炭離れを始めた理由は、温暖化対策よりも、昨年から大きな問題となっているPM2.5、PM10対策が最大の理由だ。石炭消費量を抑制すれば、CO2の排出も抑えられ、温暖化、気候変動対策が進む。

 オバマ大統領は発電部門からのCO2削減策を既に発表している。米国国内には、石炭消費削減に反対する大きな声があり、オバマ大統領の目指す削減策が実行されるか疑問もあるが、産業規模、雇用面からは、石炭よりシェールガス、オイルを推進するほうが、米国経済にはメリットをもたらす。

 石炭離れは、欧州でも起こっている。風力発電で有名なデンマークでは、発電の40%が再生可能エネルギーの発電設備からになったが、残りの発電の大部分、55%は石炭火力が供給を担っている。コストが高い再エネが増加すれば、電気料金の上昇を抑えるためには、コストが相対的に安い石炭火力を利用せざるを得ない事情がある。1次エネルギーの中でも石炭は20%のシェアを持っているが、デンマークのピータセン環境大臣は、温暖化問題に対処するために2025年までに石炭の全廃を検討すると10月末に発言している。



<FCVはどのように普及するでしょうね>
トヨタが12月に、燃料電池車(FCV)の市販を始めるが・・・
補助金がからむ市販水素価格が1キログラムあたり1100円に決まったようです。
さて、今後、FCVはどのように普及するでしょうね。

11/15エコカー浸透へ着々 燃料電池車の水素価格決定、1キログラム1100円より
 来月市販が始まる燃料電池車(FCV)を動かす水素に14日、初めて価格が付いた。普及を早めようと、価格を安くする検討が進む。ライバルの電気自動車(EV)側は、電池改良で弱点を克服しようとしている。

 産業ガス大手の岩谷産業(大阪市)は14日、一般向けに市販するFCV用の水素の価格を1キログラムあたり1100円(消費税抜き)にすると発表した。FCVはトヨタ自動車が来月、世界で初めて市販を始める。一般向けの燃料価格が決まるのは初めてだ。

 岩谷の試算では、大型セダンタイプのFCVを1キロメートル走らせた場合の燃料代は、約10円。10日時点のレギュラーガソリン価格(1リットル)は全国平均で159・5円なので、燃費は1リットルあたり約16キロのガソリン車に相当する。

 普及のため、工業用に比べ大幅に安く設定したため「採算は厳しい」(広報)という。
 政府や自動車業界などは、FCVを広げるため、水素を安く買えるしくみを検討している。補助金などが決まると、岩谷の価格も変わる可能性がある。

 FCVは水素を燃料に走り、走行時は水しか出さないため「究極のエコカー」と呼ばれる。トヨタに続き2015年中にはホンダも発売を予定する。

■EV車の電池、距離2倍へ 2020年までに開発
 日立製作所は14日、EVが1度の充電で今の2倍長く走ることができる電池を、2020年までに開発すると発表した。電池に使う材料の工夫などで、同じ大きさでもためることができる電気の量を大きくした。

 EVは、FCVと同じように走行中に二酸化炭素(CO2)が出ないが、1度の充電で走れる距離が短いのが欠点だ。量販車の日産自動車「リーフ」では、200キロほどとされる。

 充電にも時間がかかるため、思ったように広がっていない。このため、電機メーカーが電池の改良を競っている。 


11/17報道によれば、ホンダのFCV(燃料電池車)が2015年度中に日本国内で市販されるようです。

11/17ホンダ、新型燃料電池車「FCV」を2015年度中に日本国内で発売より
ホンダ

 本田技研工業は11月17日、新型燃料電池自動車「Honda FCV CONCEPT」を世界初披露し、このコンセプトカーをベースとした新型「FCV」を2015年度中に日本国内で発売すると発表した。

 この燃料電池車では70Mpaの高圧水素貯蔵タンクを搭載し、水素タンクの再充填は約3分程度。航続距離は約700kmとしている。さらに来たるべき水素社会に向けた「つくる」「つかう」「つながる」という3つのコンセプトから、発電した電力の外部給電機能備え、新型「FCV」を「走る電源」にする「Honda Power Exporter CONCEPT」も同時に公開されている。




<水素・シェール・藻>
 本屋で「週間エコノミスト8/26特大号」を手にして、「水素・シェール・藻」という特集を立ち読みしていたら、これはじっくり読んでみたいと・・・・
ふだん買うことのないこの週刊誌を、つい買ってしまったのです。

特集記事の一部を紹介します。

<ブームに沸く水素ムラ>p19より
 水素は石油やガスなどの一次エネルギーとは異なり、自然界に単体では存在しない二次エネルギーだ。石油やガスなどから取り出す水素は貯蔵・運搬が可能で、必要に応じて電機に変換できるという特徴がある。だが、二次エネルギーの水素に「シェール革命ほどのインパクトはない」と見るエネルギー専門家は多い。
 それでも、日本が官民挙げて水素社会を推進するのは、二酸化炭素(CO2)排出がゼロの「究極のエネルギー」になる可能性があるからだ。

 現在、水素は化石燃料から作るのが一般的だが、将来的には低品位の石炭や、自然エネルギー由来の電力を使って取り出すことが期待されている。水分が多い褐炭は豪州やインドネシア、ドイツ、中国などに豊富にある。水素を作る時に排出されるCO2を地中に埋める「CCS(二酸化炭素貯留)」を実用化できれば、CO2排出もゼロにできる。すでに、川崎重工業が豪州で計画しており、17年に実証試験を始める予定だ。

 中長期的には「砂漠のど真ん中に建てるメガソーラーや未利用の水力発電の電力を使って、水の電気分解から水素を取り出し、液化して日本にもってくる」(資源エネルギー庁)ことも可能だ。
 そして、最終的には「国内の自然エネルギーを使って水素を作れるようになれば、エネルギー輸入量を少しでも減らせる」(自民党の福田議員)という未来図も見えてくる。本田技術研究所の森谷上席研究員は「CO2とエネルギー安全保障の双方で水素以外に解決法があるなら、とっくにFCVの研究開発は止めている」と言い切る。

 水素社会実現には産業政策という現実的な側面もある。国内企業が持つ水素・燃料電池関連の特許は世界一だ。とくにトヨタ自動車、ホンダが持つ燃料電池、水素関連の特許の数と質の高さは他国の追随を許さないと言われる。
 自動車は日本を支える中核産業だ。だからこそ、「官民挙げてFCVの研究開発と普及に取り組む必要がある」(和光大学の岩間教授)。しかも水素・燃料電池は家庭用、輸送、インフラなどを含めると国内の裾野産業は広がる。

 産業として成長すれば多くの雇用が見込めるうえ、水素発電やサプライチェーンの構築のために膨大な社会システムが必要になる。その先には「インフラのシステム輸出で新興国に売る」という壮大な夢もある。「水素ムラの住人(水素推進派)は、15年を水素元年にする、と盛上がり過ぎている」とささやかれるほど、水素への熱は高まる一方だ。

 たしかに水素・燃料電池に関する技術の多くは開発途中であり、本格的な水素社会の到来は20年以降になると見られている。とはいえ脱化石燃料、資源の輸入依存度低下は日本にとって見果てぬ夢だ。


この記事で水素ムラという言葉が表しているのは、産官学には政治的な負の側面を持つという意味であるが・・・
その危惧があるにしても、日本の生き残りをかけてチャレンジする必要はあるのでしょうね♪

次に水素社会実現の課題ですが…水素ムラを構築する由縁なのかも。

<次世代エネの本命だが>p28~29より
 燃料電池は素晴らしい分散型エネルギーシステムである。水素と酸素を供給すると、発電機を介さないで電力と熱を同時に発生する高効率なコージェネレーションシステムである。運転時には二酸化炭素(CO2))を発生せず、排出物は水だけである。
 さらに、小型のスマホ用電源から、中型の家庭用燃料電池、大型の発電施設用まで、幅広い用途に対応できる。

 燃料となる水素はさまざまな調達方法があり、現在の化石燃料に対してエネルギー安全保障に対応できる有望な燃料となる。
 だからこそ次世代自動車、スマートハウス、モバイル電源、スマートグリッドなどの高性能エネルギーシステムの一角として期待されている。

 しかし、ビジネスチャンスの裏には、現実に開発し需要を開拓していくうえでの壁がある。1.燃料としての有用性、2.用途の開拓、3.インフラの整備―という三つの壁である。
(中略)
 さなざまな用途のための水素の取扱いではまだ不便も多い。屋内施設では強制換気などの対応が必要であり、法的には「高圧ガス保安法」「消防法」「建築基準法」などの規制が適用される。安全性、経済的な水素の調達もまだまだ不明である。つまり商業採算に乗るエネルギーとして確固とした地位は築けていないのである。
(中略)
 燃料電池車の普及に向けた最大の課題は、正にその水素ステーションという膨大なインフラシステムの整備だろう。さらに水素の製造・調達から貯蔵・輸送のシステムまでをどう整備していくか、という問題がある。これこそが普及に向けた最大のテーマといえる。(中略)
 燃料電池の最適な需要はやはり、都市ガスインフラをベースとする家庭用・業務用・産業用などの定置型システムで高効率なコージェネレーションシステムや安定電力供給を目的とする場合である。
 さらに有望な需要先として将来が期待できるのは水素システムの有効活用による「水素発電」と「水素蓄電」である。
(中略)
 今後の水素・燃料電池市場は、三つの壁を超えながら、大量に消費できる有望な需要先を見据え、展開できるかどうかが水素社会実現のポイントとなるだろう。



【週間エコノミスト8/26特大号】
エコノミスト

週刊誌、毎日新聞社、2014年刊

<毎日新聞社の紹介>より
◇特集:水素・シェール・藻
◇悲願の燃料電池車発売 ブームに沸く“水素ムラ”
 次世代エネルギーの本命候補として、水素への期待が高まっている。
 政府は4月の「エネルギー基本計画」に水素エネルギーの活用促進を盛り込み、6月24日には経済産業省が水素と燃料電池(水素から電気を作る機械)の普及ロードマップを公表。2015年度までに100カ所の水素ステーション整備、20年ごろには家庭用燃料電池(エネファーム)の累計140万台普及を掲げた。

<大使寸評>
“水素ムラ”の実態がよくわかります。
それと、シェール革命、燃料電池、バイオ燃料なども載っているので、つい買ってしまった。
水素はアベノミクスの「第3の矢」の目玉とも言われているが、“水素ムラ”と言われる由縁なのかも。

economist週間エコノミスト8/26特大号


プロジェクト推進のために、お役所は先ず特殊法人をつくることになるのだが・・・
昨今ではこれをムラと称して、国民はきつい目を向けるわけです(笑)
水素ムラの場合、水素供給・利用技術研究組合なんてのがあるけど・・・
この法人は関連企業の同志的結合のようで、お役所からもらう補助金を配分、享受する組織かもしれません。


水素供給・利用技術研究組合概要より
<技術研究組合とは>
 産業技術に関する試験研究を共同して行うことを目的に、技術研究組合法(昭和36年5月6日法律第81号)に基づいて設立された法人です。組合に参加する企業等の同志的結合の組織であり、試験研究を共同で行い、その成果を組合員が享受し合うことで組合員の共同利益を追求するという性格を有しています。




<石炭火力の復活>
石炭火力といえば、日本製は発電効率がよく日本の得意な分野である。
石炭火力の世界的な需要は大きいので、輸出拡大が期待されるが・・・・
CO2絶対発生量の多さが気になるところです。

ということで、石炭火力関連の最新情報をフォローします。

8/16石炭火力の輸出、CO2削減になる?より
 東日本大震災の影響で原発稼働ゼロの今夏、日本の電力供給の3割近くを占めるのが石炭火力発電だ。政府の新たなエネルギー基本計画では、原子力や大型水力とともに「重要なベースロード電源」とされ、成長戦略にも「高効率火力発電の導入推進と国際展開」と盛り込まれた。

 政府は、インフラ輸出を2020年に3倍の30兆円に拡大するという目標を掲げる。世界のエネルギー需要が高まる中、100万キロワットの発電所1基で1千億円と言われる石炭火力はその重要分野の一つだ。

 日本の石炭火力は、世界の平均に比べると発電効率がよく、地球温暖化の原因となる二酸化炭素(CO2)の排出量は1割ほど少ないとされる。経済産業省の審議会のまとめでは、米、中、印のすべての石炭火力を日本の最新鋭のものに建て替えれば、日本全体の排出量にあたる年間15億トンを削減できるという。

 非効率な石炭火力を使っている途上国に日本の技術を使ってもらえればCO2の削減にもなるとして、「公的金融支援やトップ外交を通じ、アジア・東欧などの新興国へ普及させる」としている。茂木敏充経産相は今月、エネルギーの脱ロシア化を急ぐウクライナを訪問。「世界最高水準」(経産省)の石炭火力技術を売り込んだ。

 ただ、日本の石炭火力の効率がよいと言っても、CO2排出量は火力発電で最も少ない液化天然ガス(LNG)の倍以上ある。国際エネルギー機関によると、世界のCO2排出量の44%を石炭が占める(2011年)。日本と異なり、石炭火力の利用を抑えようというのが、世界の流れだ。

 米国は昨年6月、オバマ大統領が「気候変動行動計画」を発表。CO2を回収して貯留する技術(CCS)が実現しなければ、事実上石炭火力の新設ができなくなる厳しいCO2排出基準を定めた。世界銀行や欧州復興開発銀行など世界的な金融機関も、石炭火力への融資基準を厳しくしている。

 CO2の大幅削減が求められるなか、石炭火力が建設されれば長期間の高排出が固定されてしまう。英国の気候変動特別代表デビッド・キング氏は朝日新聞の取材に「投資利益が確保できる50年にわたって稼働することは不可能。投資としては好ましくない」と話した。(大津智義、香取啓介)




<燃料電池車(FCV)低コスト化のジレンマ>
後先になったが「燃料電池車(FCV)の低コスト化」のジレンマについて、役所の目論見もまじえて考えてみたい。

8/04水素ステーションより

 燃料電池車(FCV)の低コスト化に加え、FCVの普及に向けた最大の課題の1つとされるのが水素ステーションの整備である。しばしば「ニワトリが先か、卵が先か」と言われるが、水素ステーションの整備が進まなければFCVの利便性は確保できない。逆に、FCVがある程度普及しなければ水素ステーションの事業性に不安がつきまとう。

 水素の販売価格についても同様だ。価格が消費者の受容レベルにまで低減できなければ、消費者のFCV購入意欲はそがれる。一方で、FCVの普及台数が少なければ、水素の量産効果が期待できず、水素の販売価格を抑えることが難しくなる。FCVには、こうしたジレンマがある。

水素日本初の商用の水素ステーション「尼崎水素ステーション」

 そこで重要なのが、FCVの普及に向けた初期段階において、こうしたジレンマをいかに軽減していくかだ。具体的には、高いとされる水素ステーションの整備コストを補助したり、当初の水素ステーションの稼働率を上げられるように支援したりすることである。

 資源エネルギー庁によれば、中規模(水素供給能力が300Nm3以上)でオフサイト方式(水素の製造を敷地外で実施する方式)の水素ステーションの場合、建設コストは4億6000万円。通常のガソリンスタンドの建設コストが7000万~8000万円とか1億円程度とされることを考えると、非常に高い。同庁によれば、水素供給コストのうちの約25%が、水素ステーション建設の減価償却費になるという。FCVの普及初期段階で水素の販売価格を抑えるには、水素ステーションの整備に伴う負担を軽減する措置が求められるという。




<燃料電池車に対する補助金>
GDPが落ち込むなかで、アベノミクスは機能するか?・・・・
あるいは、燃料電池車という新技術に対していくらまで補助金は許されるのか?
補助金というきわめて政治的な資金を糧に、経済産業省主導の新しいムラが出現するのだろうか?

原子力ムラという熱物に懲りた日本人は、新しいムラに対しては、きつい目をむけることになるのだが・・・・
この自動車絡みのムラはどのようなカタチで表れてくるんでしょうね(大使は官僚不信に陥っているんですが)


8/12燃料電池車はクラウンより安くなる?より
「価格が安くないと国民のみなさんには手が出しづらいことになる。1台あたり、少なくとも200万円の補助をしていく」

トヨタ自動車は6月25日、初めての量産型燃料電池車(FCV)を2014年度中に発売すると発表した。
 トヨタ自動車が2014年度中に発売を予定する燃料電池車(FCV)に対して、安倍晋三首相がこう明言したのは7月18日のこと。それからというもの、FCVの補助金に関して様々な観測記事が飛び交っている。

 安倍首相の200万円補助の明言に加えて、「300万円補助に向けて政府が検討に入った」という報道も出ている。さらに、自治体による追加補助の表明も相次いでいる。

 例えば、トヨタのおひざ元の愛知県は、FCVの購入時に発生する自動車税を5年間免除すると発表。東京都の舛添要一知事も、購入補助金の創設を検討する考えを明らかにしている。

<補助金額はベース車両次第で変わる>
一体、FCVはいくらで入手できるのか。補助金はいくらになるのか。どのような仕組みで決まっていくのだろうか。

 経済産業省自動車課電池・次世代技術室の吉田健一郎室長は、「FCVも既存のエコカー向けの補助金と同様の仕組みで運用する。新しい制度を作るわけではない」と説明する。

 かねて政府は電気自動車(EV)やプラグインハイブリッド車(PHV)などを「クリーンエネルギー自動車等導入促進対策費補助金(CEV補助金)」によって購入補助してきた。FCVも基本的には、この仕組みで支援するという。

 経済産業省によると、補助金額の算定方法は次の通りだ。

 まず、FCVと、同等の車格のガソリン車との販売価格の差額を算出する。この金額から、ガソリンの代わりに水素を燃料に使うことによって生じる10年分のランニングコストの引き下げ分を差し引く。この金額の3分の2が補助金となる。

 「ベースとなるガソリン車の選定や、水素の市販価格の算定は検討中なので、最終的な補助金額は確定していない」と吉田室長は言う。言い換えれば、ベース車両の種類と水素の市販価格が分かれば、おのずと補助金額は計算できる。

もう少し具体的に考えてみよう。そもそも、なぜ補助金額として、200万円と300万円という2つの数字が出てくるのか。この数字を左右するのは、ベース車両にほかならない。

 トヨタがお披露目したFCVは4人乗りのセダンだ。仮に、ベース車両を「クラウン ロイヤル」だとすると、販売価格は363万857円(消費税込)から。FCVの700万との差額は、ざっくり350万円だ。水素にまつわるランニングコストの差を考慮しなければ、補助金額は差額の3分の2なので、200万円強になる計算だ。

 次に、ベース車両をクラウンよりも車格が小さな「マークX」だと仮定する。販売価格は250万9715円(消費税込)からなので、FCVとの差額の3分の2は、約300万円となる。

 ベース車両を変えると、200万円と300万円という2つの補助金額が出てくる。「FCVは全く新しいクルマなので、車格をどう設定するかもゼロベースで検討している」(関係者)。今まさに、FCVの車格をどう設定し、ベース車両を何にするのか、水面下での最終調整が進んでいる模様だ。

 補助金額を左右するもう1つの要素が燃料となる水素の市販価格だ。政府の水素ロードマップは、「2015年の水素価格はガソリン並み」と記している。この通りに補助金を算定する場合、ランニングコストの差は生じないため、補助金計算はベース車両との販売価格の差だけで決まる。

 水素のコストは、水素ステーションを運営する石油やガス業界が算定する。「FCVの台数が少ないこともあり、固めの金額算定になる」(関係者)と見られ、ガソリン価格と同等で決着することになりそうだ。

 今後、各社の工夫や規制緩和などによって水素ステーションの建設コストが安くなり、水素原料の調達方法にも変化が見えてくれば、ガソリン車に比べてFCVの方がランニングコストも安くなる可能性が高い。そうなれば、購入者にとってFCVのメリットはさらに大きくなる。

<水素はアベノミクスの「第3の矢」の目玉>
 トヨタを中心に、自動車各社と財務省はかねてFCV補助をめぐり、水面下での交渉を続けてきた。安倍首相の「200万円発言」から、少なくとも200万円の補助金が出ることは確実視されている。それ以上に、どこまで積み増すことができるのか。交渉は最終局面を迎えている。

 自民党の「FCVを中心とした水素社会実現を促進する研究会」は、購入者の実質的な負担額をハイブリッド車並みの200万円台にすることを提言している。200万円台にまで下げるには、400万円以上の補助金が必要となり、現実的ではないようにも思える。ただ、政府が水素をアベノミクスの「第3の矢」の中核に据えていることは明らかだ

6月25日のトヨタのFCV発表と呼応するかのように、自民党が水素社会構築へ向けた提言をまとめ、政府は水素ロードマップを公表した。「エネルギー基本計画」でも水素について大きく言及した。さらに新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)も「水素エネルギー白書」を発表した。FCVを中心にした水素社会の構築を全面的にバックアップしようという政府の考えの表れだろう。

 既にトヨタは燃料電池車の開発に、1兆円を投じたと言われる。ガソリン車の時代から次なるエコカーの時代へと飛翔するための、切り札としてトヨタはFCVに投資してきた。

 日本最大の産業である自動車分野で日本が勝ち続けるためにも、FCVで世界をリードすることが欠かせない。FCVが起爆剤となって水素社会の構築に弾みが付けば、資源小国である日本はエネルギー安全保障上の新たなカードも手にすることができる。

 仮に補助金が300万円となれば、FCVの実質購入価格は400万円ほどになる。当初想定される需要は、官公庁や企業が中心になりそうだ。購入者は、かねて使用してきた社用車のクラウンを購入するのと同等の価格でFCVを入手できるわけだ。価格面でのハードルが下がれば、FCVに乗ってみたいと考える経営者が続出しても不思議はない。

 新しいクルマに乗る楽しみが、日本に新しい産業を誘発し、エネルギー問題の解決にも働く。水素が持つ潜在力に期待せずにはいられない。




<商用水素ステーションに対する補助金>
FCV向けの商用水素ステーションといっても、補助金が出なければペイできないはずであるが・・・・
FCV開発に対するお役所の思惑が絡むだけに、補助金のさじ加減が気になるのです。

ネットで表明された岩谷産業のFCV戦略が興味深いのです。

7/18水素に社運を懸ける、岩谷産業のFCV戦略より

岩谷

 その1歩は小さな1歩でも、FCVと岩谷産業にとっては大きな1歩となるかもしれない――。産業用・家庭用ガス専門商社の岩谷産業は7月14日、国内初となる燃料電池自動車(FCV)向けの商用水素ステーションを兵庫県尼崎市内にオープンした。

 開所式で同社の野村雅男社長は、「この水素ステーションは、大量輸送・大量貯蔵に適した液化水素を使っているともに、コンパクトで高効率のコンプレッサー(水素圧縮機)を備えた最新鋭のステーションだ」と胸を張った。

<2015年度までに20カ所を建設へ>
 もっとも、現状は水素を注入する対象であるFCVがまだ市販されておらず、当面は”開店休業”が続く。トヨタ自動車が2014年度中のFCV発売を予定しており、早ければ年内に実質的な営業開始となる。2015年には本田技研工業も発売する予定で、商用水素ステーションもJXホールディングスや東京ガスなど他社を含め、100カ所程度に増加する見通し。岩谷自身、2015年度までに20カ所を建設する計画だ。

 今回開設した第1号店は、岩谷の中央研究所敷地内にある。建設費は約5億円で、うち2億円は政府の補助金が充てられている。大阪府堺市にある同社の液化工場(ハイドロエッジ社)からタンクローリーで輸送した液化水素をステーション内で気化させ、FCVに供給する「オフサイト方式」だ。

 その心臓部が、提携先の独リンデ社が開発したコンプレッサー。つまり、FCVへ充填するために水素を圧縮(充填圧力は70メガパスカル=700気圧)する装置だ。イオン液の高潤滑性や不揮発性などの性質を生かした装置で、非常にコンパクトであるため、コンテナでの輸送や既存のステーションへの併設も可能だという。

 岩谷産業では、今年度内に10月の北九州市小倉区をはじめ、埼玉県戸田市、愛知県刈谷市などで計10カ所の商用ステーション建設を目指す。来年度には東京都港区にもオープンさせる予定だ。

 当然ながら、採算的には当面厳しい。ステーション建設に補助金が1カ所につき最大2.8億円出たとしても、ランニングコストもあり、数年は黒字化を見込みにくい。補助金なしで黒字化するのは、FCVの普及が200万台に達すると予想される2025年以降となりそうだ。
 だが、岩谷産業にとって重要なのは、水素ステーションの運営よりも、FCVの燃料である水素の販売を増やすことだ。同社関係者は「異業種から企業がどんどん水素ステーション運営に参入することで、われわれが製造・販売する水素の需要が高まればそれでいい」と話す。

<液化水素でシェアほぼ独占>
 同社は水素ビジネスを将来的な事業の柱に据えており、燃料電池車向け水素でも調達・精製から輸送・供給・貯蔵まで主導的役割を狙っている。

 現在でも産業用水素のトップサプライヤー(シェア約55%、同社推計)の地位にある。圧縮水素も手掛けるが、とりわけ液化水素の生産では国内でほぼ100%のシェアを持つ。

 1970年代から宇宙航空研究開発機構(JAXA)のロケット向けに液化水素を供給しており、2006年からは民間向けへ進出した。大阪府堺市、千葉県市原市、山口県周南市に液化工場を有する。2016年度以降に関東で第4工場を建設する計画もある。

 現在の水素の供給先は半導体・液晶、自動車ガラス向けなどが中心だ。FCV向けでは、実証研究の水素ステーションを累計9カ所(現存は5カ所)で単独・共同で運営してきており、今回初めて商用のステーションをオープンした。

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