森林あれこれ5   ③

<森林あれこれ5>
森林についてシリアスな思いや お楽しみアイテムなど 
あれこれ集めてみます。

藤里藤里のブナ
・矢口史靖監督のWOOD JOB!(ウッジョブ)
・文字の文化史
・森林保全の経済学
・斜面緑化について
・白山麓の出作り

**************************************************************
森林あれこれ4
・ドングリ国の法面緑化
・和紙と暮らす
・都市の木造化を促がすならば
・日本には木が多すぎる
・ミツバチ大量死がもたらすこと
・「外資の森林買収」はお役所の怠慢による!?

**************************************************************
森林あれこれ3
・中国木材市場ってどうよ?(工事中)
・森林・林業白書(抜粋)(工事中)
・林業振興で真っ向勝負
・土地制度の盲点(工事中)
・土佐の森・救援隊の活動報告(工事中)
・四万十川の環境保全
・環境保全型林業
・街路樹ベストテン
**************************************************************
森林あれこれ2
・「安全も水も、そして森林もタダで得られない」
・山林疲弊の理由
・クマのためにドングリ集め
・森林は誰のものだろう?
・「トロッコ」に触発されて、司馬さんの「台湾紀行」を
・京都府立植物園にて
・大雑把に見える庭園には
・親子二代の「福田ダム」
・温暖化対策としての「森林の間伐」
・養蜂業者になりたかった
・営林はお荷物か?パート2
・営林はお荷物か?パート1
・森林の治水機能
・木の暦(案)
・ケルトの木の暦
・霞ヶ浦のアサザ
・晩夏の奥入瀬(h18.9.15)

自然に学ぶ「森里海連環学」のすすめ
四万十通信・森の話題
森林・林業再生プランについて/林野庁
「森づくりコミッションポータル:森ナビ」
外資による日本の森林・土地取得、水問題 2011年の動き
よみがえったアファンの森



<矢口史靖監督のWOOD JOB!(ウッジョブ)>
まだ先の話だが、矢口史靖監督の「WOOD JOB!(ウッジョブ)」という映画が来年5月に公開予定だそうです。
三浦しをん、林業、矢口史靖監督という取り合わせが、大使の興味をひくわけで・・・
「ウォーターボーイズ」の矢口史靖監督だから、面白い作品に仕上がるのではないか♪
ちょっと気が早いが、この映画の個人的予告を作ってみました。


【WOOD JOB!(ウッジョブ)神去なあなあ日常】
林業

矢口史靖監督、2014年制作

<movie.walker解説>より
矢口史靖監督が、林業を描いた三浦しをんの小説を染谷将太×長澤まさみ×伊藤英明で映画化

<観る前の大使寸評>
movie.walker解説もまだ1行の段階なので、やや情報不足ではあるが、おもしろそうである♪

movie.walkerWOOD JOB!(ウッジョブ)神去なあなあ日常
『WOOD JOB!(ウッジョブ)神去なあなあ日常』公式サイト

なんか昨今では、映画は半年以上前から、公式サイトを作って宣伝しないと、ペイできないのかもしれないなぁ。


三浦しをんの作品をまだ読んでいないのだが、就活作家と呼ばれるように、時流に乗るセンスはあるんだろうが・・・・
林業に就職というのは、言うは易しであり、無責任に誘うわけにいかない現実があるはずです。


【神去なあなあ日常】
三浦

三浦しをん著、徳間書店 、2009年刊

<「BOOK」データベースより>
美人の産地・神去村でチェーンソー片手に山仕事。先輩の鉄拳、ダニやヒルの襲来。しかも村には秘密があって…!?林業っておもしれ~!高校卒業と同時に平野勇気が放り込まれたのは三重県の山奥にある神去村。林業に従事し、自然を相手に生きてきた人々に出会う。

<読む前の大使寸評>
就活作家:三浦しをんは林業をどう描くか?大いに興味がわくが・・・
林業に就職というのは、言うは易しであり、無責任に誘うわけにいかない現実があるはずです。
古くから林業をフォローしている大使の目はごまかせないのだ(笑)

rakuten神去なあなあ日常


この映画の本気度を矢口史靖監督×農林水産大臣対談を見て、調べてみます。

また、木材利用ポイントにも言及しているので、過去の日記も覗いてみます。
木材利用ポイントって何?



<文字の文化史>
初期の文字は粘土、木片、皮、布に書かれて最終的には紙に書かれた。
図書館で借りた「文字の文化史」であるが・・・・
この本の書評を、どのジャンルに入れるか迷ったわけである。
歴史か、言語学か、森林か?・・・結果、森林に入れたのは紙へ拘りが強い大使ならでは何でしょう。
だって現代の紙の材料は、圧倒的に木質系ではないか。
…このあたりが、森林にこだわる大使ワールドなんだろう♪

【文字の文化史】
文字

藤枝晃著、岩波書店、1991年刊

<「BOOK」データベース>より
3500年前に溯る甲骨文・金石文。漢字の誕生は神をまつり、神託をきく儀式と深くかかわっていた。聖なる文字はどのような歴史を経て万人のものとなったのか。写本の素材や形態の変遷、木版・活版印刷の登場に伴う字体の変化を興味深く語る。図版102枚。

<読む前の大使寸評>
漢字、翻訳、通訳、印刷、書籍・・・大陸文化とのつきあいに欠かせないこれらのアイテムが興味深いわけです。

rakuten文字の文化史


紙、印刷に注目して、関係するあたりを紹介します。


<紙の出現>よりp133~159
■偉大なる発明
 いろいろ廻りみちをして、こんどでやっと紙の話になる。紙は紀元100年ごろに、蔡倫という宦官が発明したと言い伝えられている。それから二千年ちかい間、字を書く道具の方は、筆からペン、鉛筆、それに近ごろはマジック・インクやボールペンなど、いろいろ移り変わりがあっても、それらはすべて紙の上に書くために考え出された道具ばかりである。道具の方は、まだまだ新しいものが次々に現れ出そうな気配でありながら、紙の方は多少の質の違いはできるにしても、紙というものが使われなくなる時代が来るのは、まだまだ先のことに違いない。それどころか、文化の高さは紙の消費量によって示される、などと言う人さえある。してみると紙の発明は、人類文化の進捗の上で、まことに偉大な業績であったと言わねばならない。

 中国の古い記録によると、蔡倫が宮廷の用具製造所に勤めている間に紙を発明し、ふる麻を材料にして麻紙、木皮を材料にして穀紙、ふる魚網を材料にして網紙を作った、とある。それぞれの材料を搗き砕いてビスコース状にし、うすく拡げたあと、水分をとり去ると薄片ができる。これが紙であるが、そのようにすれば、絹や麻にじかに書くより遥かに書きやすい。この原理は今日まで少しも変わっていない。ただ、西方に伝わった当初は、麻でなく綿を材料にしたこと、近代になってふる布の変わりにパルプを使って大量生産が可能になったこと、などが進歩といえば進歩であるが、その代わりパルプを使った紙は質が落ちる。材料に、ふる布やふる網を使ったのは、搗き砕くときに、その方が新品より砕き易く、上質の製品が得られるからである。

■楼蘭文書
 木簡も遺物は多くないが、





<森林保全の経済学>
荒れる里山に対して、打つ手無しの貧乏山主という現状がある。
一方、有効に機能しない林野庁まで含めると、これはもう日本的な病弊ではないだろうか?
このたび、新聞で「生物多様性オフセット」の紹介があったが・・・
里山の整備活動に値段をつけ、証券として売り出すというアメリカ的手法が、果たして日本に根づくかといえば、大使は非常に懐疑的にならざるを得ないわけです。
サブプライムローンと同じ手法ではないか。(熱物に懲りているのだ)

オフセット制度の試行を見てみましょう。

8/22壊した自然 里山で穴埋め オフセット制度 千葉で実験 より
 【合田禄】荒れた里山を手入れして生態系の保全に貢献した効果を売り出して、開発で自然を壊した企業に買ってもらう。そんな仕組みづくりを目指す実証実験が、千葉県内で始まっている。欧米に広がる「生物多様性オフセット」と呼ばれる手法の日本版だ。

 千葉市郊外のなだらかな斜面に並ぶ田んぼ。裏手に広がる里山を今春、東京都市大の大学院生小畠雅史さん(23)が訪れた。

 背丈以上に伸びたササが所狭しと生えている。土地を所有する金親博栄さん(65)が「山に入るのもためらってしまう」と言うのを聞き、「ササを刈るところからですね」と提案した。

 金親さんが所有する里山は自宅周辺の約18ヘクタール。1960年ごろまでは、薪や木材の生産の場として収入源になっていた。里山に人の手が入ることで、たくさんの生物が暮らす生態系が維持されてきた。

 だが薪の需要は減り、安い輸入材に押されて木材もほとんど売れなくなった。それでも、倒木が道をふさぐと撤去しないといけないし、ごみの不法投棄もある。維持費は所有者が負担しなければならない。

 金親さんは「里山が二酸化炭素を吸収したり、たくさんの生物のすみかとなったりするという認識は広まっているが、持っていてもお金にならない。地主が管理したくなるような社会システムが必要だ」と訴える。

 実は、そういうシステムはある。
 開発をして生物多様性が失われることが避けられない場合、開発業者が別のところで生態系を復元するなど多様性を取り戻す活動をすれば、多様性の喪失はトータルで相殺(オフセット)される。「生物多様性オフセット」という考え方だ。

 だが開発業者が生態系を復元するのに適した土地を見つけられるとは限らない。そこで、金親さんのような地主が持つ里山の整備活動に値段をつけ、証券として売り出す。地主にとっては証券の売り上げで里山整備の意欲が刺激されることになり、開発業者は証券を買うことで間接的に多様性の保全に貢献できるという仕組みだ。

 欧米では制度化の例もある。放置されている里山に目を付け、「生物多様性の保全」という環境価値をお金のような形で売買する「里山バンキング」と名付けて、東京都市大の田中章教授が始めた。

 今後2年間で、里山の植生や手入れの状況▽生態系を維持管理していくために必要な費用▽この仕組みに対する開発企業側の意識――などを調査。証券を購入してくれる企業も探していく。

 田中教授は「生物多様性を守るため、里山の整備にどのくらいの費用が必要か。実証実験で算出することで、仕組みに興味を持つ企業や団体が増えることを期待している」と話している。

■市場規模、世界で1800億~2900億円
 米国に拠点を置く国際NPO「フォレスト・トレンズ」が2010年にまとめた報告書によると、生物多様性オフセットは、世界的に少なくとも18億~29億ドル(1800億~2900億円)の市場規模になっている。

 米国では1980年代から、生物多様性を保全した効果を証券としてためておき、自然を壊す開発業者がその証券を購入するバンキング制度が始まった。湿地を保全するものや、絶滅危惧種が生息する生態系を守るものなどがある。この仕組みで、年間約100平方キロの土地が保全されたり、復元されたりしているという。

 日本では制度化されていないが、環境省の中央環境審議会は10年2月、生物多様性オフセットについて「生物多様性の損失を最小限にする手段の一つとして有効な一面もある。まずは、国内外の事例の蓄積が必要で、具体的に議論すべきである」と答申。環境省は海外での事例や日本での導入の是非を調べている。

 愛知県は今年4月、独自に生物多様性の保全を支援しようとする取り組みを始めた。

 開発の前後で、どれだけ生物多様性が失われるかを定量的に評価する方法を公開。イトトンボ類など17種類の生物について、県内で生息に適した場所を地図上に示し、生態系を保全する場合の場所選びの参考にしてもらう。

 開発業者にオフセットの義務を課してはいないが、県の担当者は「大企業を中心に生物多様性に配慮しようとする意識は高まっている。保全するための仕組みを提供し、協力を求めたい」と話す。
     ◇
 〈生物多様性オフセット〉 開発で自然を壊してしまう場合、生態系を別の場所に新たに造ったり復元したりすることにより、損害を相殺(オフセット)すること。米国やドイツ、オーストラリアなどで盛んで、50カ国以上が制度を導入している。効率的に進めるため、まとまった土地で自然の創造や復元を実施し、その効果を売買するバンキング制度も広がっている。
     ◇
■記者ノート 生物多様性オフセット まず仕組み作りを
 金親さんの里山では、コナラやクヌギの木が太陽の光を求めて枝をあちこちに伸ばし、下の地面にもたくさんの草が生えていた。そこで暮らす昆虫や微生物、地下を流れる水、根に支えられた土壌など、生態系はあまりに複雑に出来ていて、その全てを把握することはできない。

 生態系の価値を評価することはとても難しい。開発で失われてしまった生態系の代わりに全く同じものを復元することは不可能で、オフセットはこの問題を全て解決する万能な制度ではない。

 ただ、環境省の専門家委員会の報告(2010年)によると、「国内の生物多様性の損失は森林や海などすべての生態系に及び、全体的に見れば損失は今も続いている」という。何もしないと、生物多様性は失われ続けるばかりだ。

 大手企業には自主的に森林を購入して整備するなどの動きも出ている。生態系をきちんと評価する方法が確立していないという指摘もあるが、一定の妥協をしてでも、先に仕組みを作った方が得策ではないか。


田中章教授のサイト田中章研究室がなかなか興味深いのです。

ところで・・・
やること、なすこと不評をかこつ林野庁であるが、このたび図書館で「日本政府の森林偽装」という辛辣なタイトルの本を借りたのです。
「森林保全の経済学」の一環として、これから読んでみます。

【日本政府の森林偽装】
森林

平野虎丸著、中央公論事業出版、2008年刊

<「BOOK」データベース>より
林野庁によって繰り返される「森林整備」「温暖化対策」という名の自然破壊。30年にわたる自然保護活動の中で見てきた、森林のあぶない実態。
【目次】
1 林野庁に問題あり/2 山村に生まれ育って/3 野鳥保護から「エコシステム」へ/4 日本の森林は今どうなっているか/5 「美しい森林づくり」の欺瞞/6 緑資源機構の犯罪/7 詐欺か偽装か、さまざまな試み/8 林野政策の失敗で鳥獣を殺すな/9 地球温暖化問題対策のウソ/10 林野庁はいらない

<大使寸評>
環境省との縄張り争いや、採算性という観念に取り付かれたような林野庁であるが・・・
この本の著者は「林野庁はいらない」とまで言っています。
林野庁は本気で生き残り策を模索する時期では?

rakuten日本政府の森林偽装

なるほど、次を読めば、一事が万事、著者の怒りはしごく真っ当ですね。

<林野庁は責任をはっきりさせよ>よりp87~89
 <補填なしに苦情1000件超「緑のオーナー」元本割れ 2007.11.27>
 国民から国有林育成の出資金を募り、成長した立木の販売代金を分配する林野庁の「緑のオーナー」制度で元本割れが起きた問題で、同庁は27日までに「損失補てんはしない」などの対応を文書で契約者に通知した。
 これに対し、全国の森林管理局に計1000件を超す苦情や問い合わせの電話が殺到している。国民に損失を与えながら一片の紙切れで説明を済まそうとする国の姿勢に、契約者が怒りを募らせている格好だ。
 通知は12日以降、全国7ヶ所の森林管理局ごとに計約8万人に発送。林野庁が10月発表した(1)契約書の規定に基き損失補てんはしない(2)これから契約満期を迎える立木の販売を20年程度先延ばしする―などの対応を説明した。
 その直後から「なぜ元本保証しないのか」「解約したい」など契約者からの電話が、全国7ヵ所の森林管理局に相次いだ(共同通信)

 この問題は、最初に表示偽装がありました。最初から「緑のオーナー」ではなく、「木材生産オーナー」という名称にして、儲かったら配当をすると言って、お金を集めればよかったのです。いかにも社会貢献型のイメージで出資金を募っています。ここに卑劣ともいえる欺瞞と罪があります。この事業を民間企業が行っていたら、関係社は全員詐欺罪で捕まっています。これは国や県、すなわち役人の事業感覚の甘さ、無責任の象徴で、そうした風潮がまかり通っています。何ともひどい話です。
 緑のオーナーになった人々は社会貢献と共に儲けも期待していました。かといって、損失補てんを国民の税金で行うことは許されないし、林野庁もそれができないことを知っているからこそ、「損失補てんはしない」という文書を出したのでしょう。しかし、それでは緑のオーナーは納得しません。「緑のオーナー」制度をつくった当時の責任者(官僚や政治家)が、今回の騒動の責任を取るしかないでしょう。調べればわかることです。
 失敗しても責任をとらされない今の公務員システムが、今のように無責任国家を作り上げてしまったのです。この問題はまだまだ尾を引きそうです。今後どうなっていくのか見守りたいと思います。


千葉県で始まったオフセット制度の実証実験もいいだろう。だけど・・・ 
アメリカ発の「生物多様性オフセット」という考え方であるが、反米の大使としては、藻谷さんの説く「里山資本主義」のほうが、しっくり来るんですが。

また、世界の森林とその保全に森林保全のヒントが見られます。



<斜面緑化について>


斜面緑化研究部会より
<緑化研究部会とは?>
 斜面には,自然の営力で形成された「自然斜面」と,開発など人間の力によって生じた「人工斜面」(法面,のり面)があります。これら斜面に生じる緑(広くは自然)の構造や仕組みを研究したり,裸地化した斜面への緑の導入技術や,より好ましい緑になるよう遷移を進めたり現状を維持したりする緑の管理技術を研究するのが斜面緑化研究部会です。

 これまでは,道路,宅地,ダムなどの開発に伴って生じる裸地法面(人工裸地斜面)や山崩れなどによって生じる天然裸地斜面などに対する植生の再生・復元方法の研究が主にされてきました。現在では,緑の質さえ問わなければ,どのような場所でも,どのような時期でも緑化できるようになっています。

 しかし,最近,斜面緑化技術の流れは次のような点で大きく急速に変わりつつあります。以下は初代部会長の山寺喜成先生(信州大学農学部)の言葉をまとめたものです。

(1) 播種工による早期樹林化
 これまでの草主体の急速緑化方式から播種工(はしゅこう,植物の種子を緑化対象地に直接播く方法)を基本とする早期樹林化方式への転換がされつつあります。「播種工による早期樹林化」は,生態系の回復が速まる,防災的に強い植物群落ができる,景観保全に有効である,などの理由から,最近特に注目され,各地で盛んに行われるようになってきています。
 しかし,今後解決しなければならない技術的な研究課題も多くあります。1)播種工により導入可能な樹種を増やすことなど,導入樹種の繁殖特性や繁殖方法,さらには貯蔵方法に関して,2)複層林構造の形成,多様性に富む群落の形成,遷移促進や修正の技術の確立など,植物の組み合わせに関連した植物の生理・生態的特性の解明やその具体的な施工・管理方法に関して,3)導入植物の特性に適合した生育基盤の材料や組み合わせ,後述の極強酸性地やダム等の湛水面裸地をはじめ特殊地域に対する適用性の向上・拡大を図るなど緑化技術の改善に関して,などが大きな研究課題として挙げられます。

(2) 環境保全・環境改善により有効な植物群落の造成
 第2は緑化目的についての認識の変化です。これまでは斜面の地表を保護する(土壌侵食の防止)ことが主な目的でしたが,最近は自然環境の保全,生態系の早期回復などの目的を優先することが一般に認識されるようになり,環境保全のための緑化が行われるようになりました。例えば,騒音防止や景観保全のために道路の両側に積極的に盛土法面を造り,これを植物で覆う方法,つまりジオテキスタイル工法(補強盛土工法)を用いた「植生擁壁工」が普及しつつあります。
 反面,問題の多い施工も増えてきています。例えば,1)法面内部の風化を促進し崩壊を誘発するような切土面への樹木植栽,2)莫大な経費と労力がかかり,また自然にはあり得ない急斜面への必要以上の厚い客土,3)長期維持が困難で防災的にも弱い草花の導入,4)斜面の長期安定に問題が多い腐りやすい丸太や竹など自然の資材を用いた簡易編柵工,5)切土面などやせた土地では生長が遅く自然回復がかえって遅れる潜在自然植生の単一植栽,などが挙げられます。

(3) 特殊な緑化困難地に対する緑化技術
 第3は特殊な緑化困難地,例えば極強酸性地,ダム等の湛水面裸地,積雪高寒冷地,コンクリート・モルタル吹付法面,火山噴火に伴う荒廃山地などに対する緑化の要望が強くなり,これらに対応できる新しい工法が開発されつつあることです。
 例えば,1)極強酸性地に対しては永続する中和方法が考案され成果を上げつつあります。2)湛水面裸地では耐水性に優れた生育基盤の造成や空気を保持することを考えた緑化基礎工が考案されています。3)積雪高寒冷地では耐侵食性に優れた生育基盤を造成する工法により樹木の播種工による導入が各地で試行されています。4)コンクリート・モルタル吹付法面に対しては法面の長期安定を図り,しかも造成した生育基盤を強固に固定する各種の工法が開発されています。5)火山噴火に伴う荒廃山地などに対しては水を使わない航空緑化工としてコーティング種子を使用する方法が開発されています。

 斜面緑化は,斜面安定を基本として,破壊・改変された生態系の早期回復を図ることにより,環境改善,景観保全を行うものといえます。従って,研究の方向は,自然の緑が持つ斜面安定・防災機能の解明,自然により近い群落の構造解明と造成,防災的機能の向上とその評価,遷移コントロール,環境と調和する群落構成,多様性の再生など,理学的解明と施工・管理技術の研究の両面から進め,両者が結びつくことが重要です。


緑化植物 ど・こ・ま・で・き・わ・め・る

イタチハギ
ニセアカシア



<白山麓の出作り>
@syukan_kinyobi:世界のさまざまな民族のなかで、山林(森)と真に「共生」(共棲)する知恵を持っていた数少ない一部に日本人があるのではなかろうか。『貧困なる精神19集』本多勝一
・・・週刊金曜日botがツイッターで、斯様につぶやいていたので、ええやんか♪ということでメモしたのです。

ところで今、「ブナ・ナラ・クリ(木の文化5)」という本を図書館で借りて読んでいるのだが、本多さんの説く“山林との共生”というコンセプトにぶちあたったのです。
(あるいは、逆で、この本を読んでいたので本多さんの言葉に気づいたのかもしれないが)

そのあたりの、内容を紹介します。

<白峰の出作り>p114~116
 「元禄時代から明治初年までは、全国的には新田開発が一段落して人口があまり増えなかった時代ですが、この白峰ではその間も人口が増えたのです。そのころ、この地が非常に豊だったということですね」白山ろく民俗資料館の山口一男館長はこう語る。
 今では山間の僻地というイメージが強いが、白山を背後に「出作り」と呼ばれる生活と、さらには木を上手に使う技術がこの土地に豊な生活をもたらしたという。出作りをはじめとした白山麓の民族文化に詳しい山口館長の話をもとに、往時の白山麓の暮らしを探ってみたい。

<土地をもとめて出作り>
 白峰(現在は石川県白山市)では500年ほど前から「出作り」という形態がはじまった。白峰の集落は、標高500mくらいの標高だが、さらに標高1000mくらいまでの山にでかけて農業をおこなう。春5月に一家をあげて標高の高い出作り小屋へ行き、夏の間はそこで耕作と養蚕をおこない、11月の初旬から中旬に降りてくる。中には出作りといっても冬も山で越す永久出作りもあった。
 白峰の集落周辺では耕地も限られていて、人口が増えるに従って食糧を確保するために、より高いところに耕地を求めた。白山麓でも白峰側は比較的山がなだらかで豊かだったからできたこと。狭い谷間の集落には住める人の数は限られており、300戸を超えることは難しかった。その許容量を超えて人が住もうとすれば、別の土地を求めざるを得ない。

<焼畑と養蚕>
 出作りでの耕作は、山林を伐採しての焼畑。1年目にはヒエ、2年目にはアワ、3年目には大豆という具合に土地が痩せないように作物を変えてつくっていく。このような雑穀は、気候変動などによる収穫の増減が少なくて安定していた。通常一軒で 0.2~0.3ha程度の焼畑をしていた。ひとつの焼畑を5年ほど使うと、その後20~30年は放棄し、地力が回復して草木が生育するとまた火入れをして利用する。
 この地域の焼畑の単位面積あたりの収量は、他の地域の焼畑に比べ高かったということだ。20~30年の周期で伐採する木材もさまざまに利用された。また、放置された焼畑ではフキ、ヨモギ、ウド、ワラビなどの山菜も収穫できた。出作りは自給自足の生活で支出もないけれど、収入もなかった。しかし、現金収入を得るために養蚕がさかんになってくる。

「出作りのための大きな要因は養蚕だった」と山口館長は指摘する。桑を植える土地を求めて山に登っていった。養蚕にかかる年貢は米などに比べて低く、生糸は軽いため運搬にも便利。現金収入を得る手段として、養蚕が出作りを推進したとも言える。
 白峰からは加越国境をこえて、福井県側まで出作りに行った記録がある。福井県側では水田耕作ができるところまでしか農耕が行われなかったが、国境をこえて白峰の人々は山中に出作りをした。「他の地方の人々は奥山で養蚕や農耕をするという発想がなかったけれど、白峰の人々はそれが出来る技術もあり収量も高かったのです」と山口館長は教えてくれた。

<木の使い方を熟知>
 当然、木を利用する技術にも長けていた。
 さまざまな道具に使われている樹種を見ると適材適所で、現代のさまざまな木材実験のデータとも一致するという。大きな木槌の柄にはミズナラを使い、頭にはどんな衝撃でも割れないナツツバキやミズメを使う。標高が高くなるとブナの原生林に自然と遷移していく地域だ。鍬の柄にはブナが使われている。ツルハシの柄には強度が大きくて折れにくいミズナラ。建物の中では敷居には硬いナシを使っている例がある。

<宵越しの金は持たない>
 白山という信仰の山をもち、白山山頂の堂社の造営や維持管理・登山者の世話等の仕事があるという地の利もあったが、養蚕と紬や麻などの織物生産がこの地域に豊かな経済をもたらしてくれた。この土地でも「」という風潮があったというが、それは持っていなくても将来に養蚕などで必ず収入が得られるという裏づけがあったから。雑穀しか収穫がまくとも、他の地域から米を買うのには十分な経済力があった。
 近代的な視点からすると、白峰は山間僻地としてのマイナスイメージが先行するが、山の恵みを十分に利用して経済的に豊かな時代があったことを忘れてはならないだろう。それは循環型社会の構築を求められている現代に、ヒントを提供することができるかもしれない。



<日本がモデルを示すべき:オークビレッジ稲本正さんに聞く>p128
 日本は世界でもまれに見る木とのつきあいの長い国なのです。歴史的に見て日本が木から離れたのは、古墳時代と現代だけといっていいでしょう。縄文時代は「第一次期の文明」、飛鳥時代からほんの数10年前までは「第二次期の文明」の時代。戦後しばらくの頃までは、住宅も9割が木造住宅でした。木についてトータルに見ても、デザイン・使い方などで一番発達しているのは日本です。世界にこうしたモデルを示すことができるのは、ドイツと日本だと思っていますが、ドイツはすでに成功のパターンに入りつつあると思っています。
 今の世界ではアメリカがひとつのモデルになっていますが、環境問題からいうと、アメリカ型は失敗モデルです。近い将来、中国・インドもアメリカ型になる可能性があります。
 木の文化・文明に長い間親しんできた日本こそ、木という再生可能資源を中心とした循環型システムの成功モデルをつくって世界に示すべきでしょう。「第三次期の文明」の実現に向けたイメージをつくりあげていく必要があります。



【ブナ・ナラ・クリ(木の文化5)】
ブナ

ムック、新建新聞社出版部、2006年刊

<「MARC」データベースより>
ブナ・ナラ・クリを中心に、広葉樹の建築と職人、広葉樹の歴史、山林に学ぶ、山麓の暮らし・里山の自然など、幅広い観点から広葉樹にまつわる日本の文化を紹介する。全国の巨木や、ブナ・ナラ・クリの基礎知識なども収録。

<大使寸評>
ブナ・ナラ・クリといえば・・・
日本ではありふれたというか、代表的な落葉広葉樹であり、大使のツボをつくわけです。
とくに“山林との共生”というコンセプトがいいですね。

Amazonブナ・ナラ・クリ(木の文化5)

ところで、以前からやや疑問に思っていたことですが・・・
恵まれた気候とは言えない北陸地方が幸福度指数では高いのは、何故?ということです。
この本を読んで思い当ったのですが、この地方は山林と循環して共生する意識が強く、経済的にも堅実な生活を続けてきたその積み重ねが、幸福度指数に表れたということではないでしょうか?♪


都道府県別「幸福度指数」で福井県がなぜ一位に?「日本でいちばん幸せな県民」とは?より
 「47都道府県の幸福度に関する調査」を実施した法政大大学院の研究班によると、福井県が堂々一位に輝きました。その興味深い調査と分析結果を「日本でいちばん幸せな県民」(PHP出版)という書籍で紹介しています。

しかしどんな指標で県別の幸福度指数ランキングを出したのかが気になりますね。研究チームは、従来の幸せ度としての国民総生産(GNP)などとは別の指標を用いることにしたようです。以下の4部門合計約40の分野で幸福度をまとめています。

1.「安全・安心」・・・刑法犯の認知数、1世帯当たりの貯蓄額、老人福祉費など
2.「労働・企業」・・・失業率の低さ、障害者雇用の高さ、離職率など
3.「生活・家族」・・・出生率、マイホーム所持率、保育所定員数など
4.「医療・健康」・・・平均寿命や病床充実度など
それによると福井県は堂々1位の7.23点という高得点をたたき出しています。2位が僅差の7.20点の富山県、3位が6.90点の石川県です。失礼かもしれませんが田舎が幸福度指数が高いのです。

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この記事へのコメント

2013年12月29日 20:08
突然ですが、
私は宗教団体生長の家の一信徒です。

私のブログでは、生長の家の人だけではなくそれ以外の人にも共通することを私の言葉で述べています。
そして、いろんな方のブログを拝見していてこちらにもたどり着きました。
私は、生長の家以外の人にも私の動画を見ていただきたいので、もし時間があればご視聴ください!! そして、もし何かご意見・ご感想がありましたら、コメントしてください。
よろしくお願いします。

http://www.youtube.com/watch?v=CaKXq58jljA 
(視聴方法:上記アドレスをコピーして&アドレスバーに張り付けて&エンターで見れます)

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