メタンハイドレート開発の難しさ

日本周辺海域のメタンハイドレート開発では明るい見通しの報道が多いなかで・・・
メタンハイドレートのエネルギー収支比が1を割り込むと資源とは言えないという苦言が上がっています。

8/05海洋資源大国は「幻」質を見ねば国を誤るより
Q:メタンハイドレートやレアアース泥など、日本近海に眠る海洋資源が注目を集めています。その開発に成功すれば、日本は「海洋資源大国」になれるとの期待も膨らんでいます。

石井:私に言わせれば、海洋資源大国はまったくの幻想です。あるいは、政治家、官僚、企業、学者が一体となって作り上げた「神話」と言ってもいい。なぜなら、いわゆる海洋資源は本物の「資源」ではないからです。
 日本の周辺海域にメタンハイドレートやレアアース泥が大量に存在するのは事実です。しかし、人間が有効に利用できなければ本物の資源とは呼べない。そこにあるだけなら単なる「物質」に過ぎません。
 人間が有効に利用できる資源には条件があります。(1)濃縮されている、(2)大量にある、(3)経済的に採掘できる場所にある、の3つです。

Q:海洋資源はこれらの条件を満たしていないと。

石井:決定的に重要なのは「濃縮」です。再生可能な資源を除けば、あらゆる資源は地球が気の遠くなるような年月をかけて濃縮した自然の恵みです。人間はその中から濃度の濃いもの、つまり質の高いものを選んで利用しています。要するに、資源は「量」ではなく「質」がすべてなのです。

■「メタハイ」は資源ではない
 メタンハイドレートは、メタンガスと水が結びついたシャーベット状の結晶です。水深500~1千メートルの海底斜面や、シベリアの永久凍土の地下にあることが何十年も前から知られていました。しかし、低温・高圧という限られた条件下でしか存在できず、それが広大な海域に広く薄く、ばらばらに分散しているのが実態です。資源としての質は低い。
 マスコミは「日本近海だけで国内の天然ガス消費量の100年分が埋蔵されている」などと期待を煽っていますが、資源の質を無視した空論です。

Q:政府は4月に閣議決定した「海洋基本計画」で、官民一体で技術開発を進め、2023年度以降の商業化を目指すと宣言しています。

石井:どんなに技術が進んでも、元々の資源の質を上げることは不可能です。例えば在来型の海洋ガス田なら、井戸を掘るとガスが勢いよく自噴します。ところが、メタンハイドレートは固体なので、井戸を掘るだけではガスは出て来ません。井戸からポンプで水を抜き、地層の圧力を下げるとともに、熱をかけてメタンを気化させなければならないのです。

 それでも、取り出せるガスは井戸の周囲の限られた量だけです。大量生産するには膨大な数の井戸を掘り続けなければならない。水深500~1千メートルの海洋上での話ですよ。
 エネルギーの質を表す指標にEPR(エネルギー収支比)があります。生産されたエネルギー量と、それを得るために直接間接に投入されたエネルギー量の比のことで、値が大きいほどエネルギーの質が高い。一方、EPRが1を割り込むと、出力エネルギーより投入エネルギーの方が大きいことになり、資源として成り立ちません。
 現在、在来型の石油や天然ガスのEPRは10~30、非在来型のシェールガスは5程度といわれています。メタンハイドレートのEPRは不明ですが、濃縮されておらず、自噴もせず、大量のエネルギーを投入しなければ取り出せない。私はEPRは1を割り込むと見ています。だからメタンハイドレートは資源ではないのです。


Q:レアアース泥や海底熱水鉱床などの金属資源はどうですか。

石井:本質はエネルギーと同じです。南鳥島沖のレアアース泥は“高濃度”だそうですが、含有率は1%に達しません。それが水深5千メートル以上の深海底に広く薄く堆積しており、やはり資源としての質は低い。商業化は夢のまた夢でしょう。

Q:政府主導の海洋資源開発には、資源工学などの専門家もお墨付きを与えています。

■魂を売った御用学者たち
石井:政治家は人々の歓心を買うために経済成長を公約します。アベノミクスが典型です。経済成長を是が非でも実現するには、エネルギーや資源の大量投入が欠かせない。だから海洋資源大国などという「神話」が必要なのでしょう。

官僚は予算と天下り先を拡大できるし、企業は公共事業を受注できる。学者は研究費を増やせる。海洋資源開発は利権そのものであり、関係者にとってはいいことずくめ。しかし、壮大な浪費のツケを払わされるのは神話を吹き込まれた国民です。

私自身を含めて、学者は本来なら科学的に証明できる事実を語らなければなりません。ところが、最近は御用学者ばかり増えている。その構図は、根拠なき「安全神話」で国民を欺き、福島原発事故を招いた「原子力ムラ」にそっくりです。

Q:御用学者の罪は大きいですね。

石井:現役の大学教授の後輩に聞くと、国立大学の独立行政法人化(2004年)が実施された頃から、その傾向が強まったといいます。基礎研究への予算配分が減らされ、短期間で成果が出そうなプロジェクトでないとお金が付きにくくなった。研究費を継続して確保しようと、官僚や企業に魂を売るうちに、学者としての本分を忘れてしまうのでしょう。

このままでは国の将来を誤ります。もうこれ以上、国民に神話を吹き込み、子供たちに禍根を残すのはやめにしなければなりません。
(インタビュアー 岩村宏水)

石井 吉徳氏:東京大学名誉教授地球物理学者


・・・斯様に石井教授は、天下り官僚と御用学者の動きに釘をさしたわけです。

次に、経産省主導の「メタンハイドレート資源開発研究コンソーシアム」を見てみましょう。
この組織が「メタンハイドレート村」に堕するかどうか、注視あるいは監視する必要があるのかも?
(大使、かなり性格がゆがんできたのでは?)


メタンハイドレート資源開発研究コンソーシアムより
体制コンソーシアム体制 

<メタンハイドレート開発のイメージ>
メタンハイドレート開発はまだ商業的開発の段階ではありませんが、開発対象となるメタンハイドレート層の賦存状況、そして、課題となっている生産手法が分かってきたことから、開発のイメージが見えてきました。

開発対象となるメタンハイドレート層は「砂質層孔隙充填型メタンハイドレート層」で構成される「メタンハイドレート濃集帯」です。

また、生産手法は「減圧法を主体とする生産手法」です。

メタンハイドレート濃集帯の賦存状況は、石油・天然ガス鉱床の賦存状況に似ています。石油や天然ガスの賦存状況は様々ありますが、メインとなって開発されている鉱床はメタンハイドレート濃集帯と同じく砂層の砂粒と砂粒の間に存在する石油や天然ガスです。

すなわち、孔隙充填型です。石油や天然ガスは地下の空洞の中にプールの水のように存在していると考えている方もいらっしゃいますが、これは違います。

減圧法についてはメタンハイドレート特有の生産手法と間違えられることが多いのですが、石油・天然ガスの生産手法も基本的には減圧法です。

石油・天然ガスは深部に存在しており、上に存在する地層の重さをうけて高圧化しています。そこに井戸を掘るため石油や天然ガスのような流体は井戸を通って陸上や海上まであがってくるのです。これを自噴といいます。

例えるならば、炭酸清涼飲料水の缶を開けたときに炭酸ガスが噴き出してくるのと同じです。缶の中は周りの圧力より少しだけ高圧化させているため、缶を開けるだけで減圧され、炭酸ガスが噴き出してくるのです。

石油・天然ガスの場合も井戸を掘っただけで減圧法になっているのです。加えて、石油・天然ガスの場合、生産効率を向上させるために、人工的に少しだけ減圧を行ってあげます。

その減圧の度合い(ドローダウン率)はせいぜい10-20%程度です。しかし、メタンハイドレートの場合、ドローダウン率を60-70%以上にしなければなりません。したがって、メタンハイドレート生産における減圧法を厳密に言えば「強減圧法」になります。

開発対象となるメタンハイドレートの賦存状況、そして、生産手法が同じということで、生産にかかる施設・機器(開発システム)は既存のシステムの適用および少しの改良で対応可能であることが分かってきました。

開発システムが既存のシステムで対応可能であるということは、メタンハイドレートの生産とは、メタンハイドレートが地層中で分解した後は石油・天然ガスの開発とほぼ同じということになります。

メタンハイドレートからメタンガスを取り出すには、減圧の度合いを60-70%に上げて生産する必用があるようだが…
取出ガス費と生産費用の対比が商業化の目処となるわけで、コンソーシアムには生産施設の改良・実用化が委ねられているようです。
それを税金で運用するならば、納税者としてはコンソーシアムに誤魔化されないようチェックする必要があるわけですね。(経産省に対して疑い深い大使である)

 なお、石油天然ガス・金属鉱物資源機構(JOGMEC)などの試算によれば、ガス生産費用は46~174円/m3で、米シェールガスの10円/m3よりそうとう高いらしいでぇ。
(シェールガスの5倍くらいでおさまるなら・・・御の字やで)
この皮算用のリスクと曖昧さがお役所にとっては・・・たまらなく美味しく見えるのでしょうね。

京コンピュータで分子動力学ソフトウェアModylasを使った大規模なメタンハイドレートの融解のシミュレーションを行っています。
メタンハイドレート開発の実現に向けたシミュレーションなんでしょうね。(よく分からないけど-笑)


水素・メタンハイドレートの生成、融解機構と熱力学的安定性より
Q:水素ハイドレートとメタンハイドレートとはどんなものですか?

A:ハイドレートというのは、高圧環境などで水分子と他の気体分子が合わさって構造をつくったものです。水素ハイドレートは氷の中に水素が入ったものですが、温度や圧力によって籠状のクラスレートハイドレートという構造をとったり、普通の氷のすき間に水素が入るような構造をとったりします。中に入る水素の量も条件によってさまざまです。
メタンハイドレートは最近よくTVなどでも耳にしますが、メタンのクラスレートハイドレートです。水分子の籠にメタンが入っているような構造をしていますが、実際にはメタンがないと水だけでは籠構造はできません。

Q:今はどのくらい研究が進んでいるのですか?

A:ハイドレートについては、20年くらい研究していて蓄積がありました。比較的計算負荷の低い方法で統計量を計算して、構造の相図(下の図ー準備中)を描くと、かなり実験と計算の結果が合うことがわかってきています。水素ハイドレートに圧力をかけると、水の質量の9分の1くらいまでなら氷に水素を入れてためることができるのですが、それには2万気圧くらい必要で、車に積んで運ぶことはとてもできません。ただ、別の物資を添加することで圧力を下げることができるので、応用も期待されています。
そこで現在は、京コンピュータで分子動力学ソフトウェアModylasを使った大規模なメタンハイドレートの融解のシミュレーションを行っています。

Q:メタンハイドレートの融け方を調べているのはなぜですか?
(以下、文字数の関係で省略)




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