藻谷さんの里山資本主義1

<藻谷さんの里山資本主義1>
 今では中国だって「タイ+ワン」の安い労働力を求めているように、グローバリズムが加速しているが・・・
 この根っこにはゼロサムで、カネが全ての米英型資本主義があるわけです。
でも、この経済原理ではうまく機能しないことが次第に世界の常識となってきつつある、ではどうすればいいのか?
アメリカではアベノミクスがわりと好評であるが、もしかして日本型経済に妙薬があるのではないか?
(米金融界は、日本という実体経済に悪乗りを決め込んでいるだけだと思うが)

そうだ、藻谷さんに聞いてみよう♪
藻谷さんといえば、「人口の波」グラフに着目して発想を転換してみせた気鋭のエコノミストである。

前ぶりが長くなったが・・・
本屋で衝動的に買った「里山資本主義」という本をいま読んでいるところです。

この本はNHK広島のテレビマン二人と藻谷さんの共同作業で展開して行きます。
そのエッセンス部分を紹介します。


<はじめに:井上恭介>よりp7~8
 私たちが「経済100年の常識」を疑い、新たな道を模索しなければと思うようになったきっかけ。それは2008年秋、アメリカの証券会社リーマンブラザーズの破綻を引きがねに起きた、いわゆる「リーマンショック」だった。
 なんとも不可思議な経済危機の本質を見ようと、私たちは「マネー資本主義」というNHKスペシャルのシリーズ制作に取りかかった。同時に、このリーマンショックを契機に、ガラス坂を滑り落ちるように業績を悪化させる自動車業界の取材も行った。
 なぜ、一証券会社の破綻が世界中を危機に陥れるのか。なぜ、アメリカの金融街、ウォール街の失敗が、世界の実体経済の根幹をなす自動車産業に飛び火し、炎上させるのか。ベールに包まれたからくりの内側に入り込んで取材した私たちは、いかに我々がやくざな生き方に足を突っ込んでいったかを知り、驚愕することとなった。
「やくざな経済」への転落。それは、それ以前に100年もの時間をかけて世界に広がっていった「アメリカ型資本主義」の失速と、それを延命させることに血道をあげた世界経済の牽引者たちの、一般人には正気とは思えない措置の、当然の帰結として説明できる。

「アメリカ型資本主義」の間違いに気づき、発想の転換を目指すところが・・・
反米の大使を打つわけですね♪

岡山県真庭市の動きを見てみましょう。

<山を中心に再びお金が回り、雇用と所得が生まれたよりp42~44
 岡山県真庭市が進める、山の木を利用することで目指すエネルギーの自立。それは、20世紀の後半、グローバル化の負の側面を背負い続けてきた地方が、再び経済的な自立を勝ち取ろうとする挑戦でもある。
 挑戦はまさに、「ふんだんに手に入る木材が地域の豊かさにつながっていないのはなぜか」という問いかけから始まった。きっかけは、1993年。当時、20~40代だった地元の若手の経営者が集まって、「21世紀の真庭塾」という勉強会を発足した。掲げた目的は、「縄文時代より脈々と続いてきた豊かな自然を背景とする暮らしを未来へつなげていくこと」。なんとも壮大な目標である。

 当初より議論を引っ張ってきたのは、塾長を引き受けた中島さんだった。目を付けたのが、それまでゴミ扱いしていた木くずだった。
「誰かが『廃棄物をうまくリサイクルしてどうのこうの』と言ったら、いつも叱りあっていた。『廃棄物じゃない、副産物だ』って。全部価値のあるものだって、話し合ったものです。それでも当時はまだ、木くずは副産物だという感覚だったけど、今はさらに進んで、副産物ですらなくて、全部製品なんだと。まるごと木を使おうと。まるごと木を使わないと地域は生き残れないと考えたんです」
 まじめに議論すれば色々とアイディアはでてくるものだ。それまで考えつかなかった新たな木くずの利用方法が次々見つかった。セメント会社が木のチップを混ぜて売り出したり、木材からバイオエタノールを作り出す実験施設を立ち上げたり。具体的に様々な事業が生まれた。
 2010年には、さらなるバイオマス産業の創出を目指して、市内外の研究機関、大学および民間企業などが、地元企業とバイオマス技術の共同研究や開発を行うとともに、バイオマス関連の人材育成を図るための拠点施設を立ち上げた。瀕死にまで追い込まれていた真庭は、バイオマスの町として生まれ変わった。

 新たな産業は雇用も生む。2008年度にできた「バイオマス集積基地」。山の中に放置されてきた間伐材を、細かく砕いて燃料用のチップに加工する工場。そこに、出て行く一方だった若者たちが帰ってきた。その1人、28歳の樋口正樹さんは、高校を卒業後、地元・真庭で就職先を探したものの見つからず、いったんは岡山市内に出て、大手自動車販売会社に就職していた。それが今では、クレーンを自在に操り間伐材を運ぶ。収入は減ったのかと思いきや、ボーナスで差がつくものの、月々の給与はほとんど変わらないという。そして何より、木の香りに包まれて仕事をするのが気に入った。
「働いてみるといろいろなものが面白い。汗をかいて自然の中で生きるのも、僕にあっているのだと気づきました。木材産業なんて古くさいかと思っていたら、バイオマスって、実は時代の最先端なのだと知り、とてもやりがいを感じています」


なお、朝日デジタルの書評がこの本を取り上げたので、紹介します。

『里山資本主義』より
里山

<持続可能なシステム目指す:梶山寿子(ジャーナリスト)>
 赤字国債の増発も、原発の再稼働を進めるのも、とにかく今を乗り切るため。刹那的な行動に走り重要な問題を先送りするのが、マネー資本主義に染まった人間の病理だと本書は説く。

 その対極にあるのが、山林など身近にある資源を活かしてエネルギーや食糧を自給し、地域の経済的な自立と安定を図る「里山資本主義」である。例えば岡山県の製材工場では、通常なら廃棄する木くずによるバイオマス発電で電力を賄い、余剰分は売電。木くずはさらにペレット燃料にも加工されて、地域家庭の暖房などに使われる。

 NHK広島の番組がベースのため、紹介される事例は中国地方中心だが、同様の試みは全国で始まっている。本書の魅力は「里山資本主義」という絶妙なネーミングに尽きよう。取り組みが拡大すれば過疎の町に雇用が生まれ、地域内でお金が回る。持続可能なこのシステムをマネー資本主義の自壊に備える“保険”とせよ、というわけだ。

 「先進国・オーストリア」では木造ビルも建築可能な新集成材が開発されるなど、木の潜在能力は侮れない。最先端技術で甦る古くて新しい経済モデル。里山には年金問題、少子化、無縁社会を解決するヒントも潜む。長所だけを強調しているきらいもあるが、日本の有力な選択肢として熟考したい。

 ◇

『里山資本主義』藻谷浩介・NHK広島取材班著、角川oneテーマ21、2013年刊

<「BOOK」データベース>より
課題先進国を救うモデル。その最先端は“里山”にあった!!危機を超え未来を生む、すり潰されない生き方を提言!!
【目次】
はじめに 「里山資本主義」のススメ/第1章 世界経済の最先端、中国山地ー原価ゼロ円からの経済再生、地域復活/第2章 21世紀先進国はオーストリアーユーロ危機と無縁だった国の秘密/中国総括 「里山資本主義」の極意ーマネーに依存しないサブシステム/第3章 グローバル経済からの奴隷解放ー費用と人手をかけた田舎の商売の成功/第4章 “無縁社会”の克服ー福祉先進国も学ぶ“過疎の町”の知恵/第5章 「マッチョな20世紀」から「しなやかな21世紀」へー課題先進国を救う里山モデル/最終総括 「里山資本主義」で不安・不満・不信に訣別をー日本の本当の危機・少子化への解決策/おわりに 里山資本主義の爽やかな風が吹き抜ける、2060年の日本

<大使寸評>
大震災前の2011年1月、NHKスペシャル「2011ニッポンの生きる道」が放送された。その後2011年夏、藻谷さんを推進役としてNHK広島で「里山資本主義」の番組造りがスタートした。
マネー資本主義の対極を志す「里山資本主義」という造語はここで開発されたそうです。
経済と森林を結びつけて、発想の転換を促しているわけで・・・・
ウォール街のバカタレどもの対極をなしていると思うのです♪

rakuten『里山資本主義』


エコノミストの資質として、未来を予測する洞察力も必要だが・・・・
未来を変えようとする意志が求められているんでしょうね♪
金融工学で儲けに走るなど、語るにおちるんだけど。

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