いしいひさいちの世界

<いしいひさいちの世界>
嫁さんから図書券(千円)をもらったので、さっそく本屋に出向いたのです。
文庫本では余るがハードカバーの単行本には足りないという微妙な金額やなぁ。
おお 手ごろな値段の「いしいひさいち、仁義なきお笑い」というムック本があるやないけ♪。

この手のムック本は、たぶん図書館にも置いてないだろうし、いしいひさいち氏デビュー40周年、総特集というキャッチコピーも大使を後押して、買い求めた次第です。

この本が加わったこの際、「いしいひさいちの世界」をまとめてみました。

・いしいひさいち、仁義なきお笑い
・山野シゲ
・関川夏央著『やむにやまれず』
・怖るべし、天才の一歩
・最強の4コマ漫画家
(笑)いしい商店が、ええでぇ♪

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<いしいひさいち、仁義なきお笑い>
ロングインタビュー、キャラクター辞典、寄稿マンガ(西原理恵子ら)などサービス満載のところが、ええでぇ♪


【いしいひさいち、仁義なきお笑い】
いしい

ムック、河出書房新社 、2012年刊

<内容紹介>より
デビュー40周年記念いしいひさいち大特集。本人書き下ろし「でっちあげインタビュー」、しりあがり寿、吉田戦車、宮部みゆきらの寄稿、大友克洋インタビューのほか、貴重な資料満載!
巻頭カラー4p含む「ひさいちい散歩」では、いしい氏の案内で『バイトくん』と『ののちゃん』の舞台を巡ります。

<大使寸評>
この本の巻頭にインタビュー嫌いのいしいさんの(でっちあげ)ロングインタビューが載っています。
その他、キャラクター辞典、寄稿マンガ(西原理恵子ら)などサービス満載のムック本です。
ちなみに、大使お気に入りのキャラクターは山野シゲ、藤原ひとみ先生、ポチ、ヒロオカ、ゴキブリ軍団・・・あたりでおます
とにかく、政治、経済、スポーツ、会社、時代劇、SF、思想など何でも描ける奥行きの深さが魅力ですね。

rakutenいしいひさいち、仁義なきお笑い


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<山野シゲ>
『ののちゃん』の登場人物では、シニカルでハードボイルドなしげ婆さんが一番のお気に入りである。
山田しげ山野しげ

wikipediaよりしげさんのプロフィールを紹介します。

ののちゃん より
山野しげ
祖母(まつ子の母)。70歳(アニメ版では68歳)。活動的だがひねくれもののハードボイルド婆さん。さすがに娘や孫娘よりは勤勉だが、陰湿な一面も。怖いもの知らずで墓石の上に腰掛けたり、金属バットとスパナを持って暴走族を注意しに行くなどの行動をとる。あと30年は生きるつもりである。相撲は貴乃花、野球は巨人ファンでシーズンにはアンチ巨人のたかしと言い争う。FIFAワールドカップ フランス大会ではイタリア代表を応援していた。山田家の土地(埋立地)の所有者。『となりのやまだ君』初期は現在より少し意地悪に描かれている。気紛れにビーフストロガノフの調理を試みることがあるが、これまで成功したためしはない(それ以前にこの単語をろくに言えない)。関西出身で関西弁を話す。

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<関川夏央著『やむにやまれず』>
関川夏央は、谷口ジローのマンガの原作を書いたり、とかく、マンガに造詣の深い作家であるが・・・・
へそ曲がりのいしいひさいち氏と波長があうようですね♪


【やむにやまれず】
関川

関川夏央著、講談社、2001年刊

<出版社からの内容紹介>
まことに残念なことではあるが、ネコにだって過去はある。人間にだって記憶はある。
人生の秋?をつぶやく18の物語

「中年シングル生活」その後の好エッセイ!
40歳にして惑わずどころか50歳にして日々はますます混乱する。大人のせつなさを虚実ないまぜに描いた司馬遼太郎賞作家の最新エッセイ。マンガ/いしいひさいち

<大使寸評>
いしいひさいち氏のマンガとコラボした、見て読んで楽しい・・・・言ってみれば、一粒で二度美味しいエッセイです・・・・というのは冗談で、関川夏央のエッセイがわりと好きなんです。

Amazonやむにやまれず


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<怖るべし、天才の一歩>
いしかわじゅん氏が「漫画の時間」という本の中で、いしいひさいちの天才を見抜いています。


<怖るべし、天才の一歩>p97~99
のぼる

 なんたって、いしいひさいちは面白い。
 彼は4コマを変えてしまったのだ。
 確か、20年近く前、『バイトくん』という漫画で、彼は中央デビューした。当時いしいは、大阪を中心とした求人雑誌で4コマ漫画を連載していた。それが『バイトくん』だ。関西地区ではすでに不動の人気を得ていた彼を全国区にしようと、今はなきプレイガイドジャーナル社が、それをぶ厚い単行本にして、関東に送りこんだのだ。ぼくらは、それを読んで愕然とした。あのころ4コマ漫画を描いていた人たちは、旧態依然とした<起承転結>に縛られた退屈なものしか描いていなかったし、それ以上の可能性を探ろうともしていなかった。それが、文化的には傍流と思われていた大阪から、いきなり、漫画の世界に新たな視点と文法を持ち込んで、いしいが登場したのだ。驚くのも無理はないのだ。彼は、たった4つのコマがあれば、大河ロマンだって描ける、ということを証明してしまった。つまり、それまでの旧弊な狭い場所に閉じこもり、「4コマはすべての漫画の基本」などと寝言をいって納まり返り、既得権益に頼って細々と生きていた怠惰な漫画家に、引導を渡したのだ。ま、引導を渡されたからといって、その人たちが引き下がったかどうかは別問題だが。

 その後、いしいは『がんばれタブチくん』で大ヒットを飛ばした。それを追って植田まさしが噛み砕いた平易な4コマ漫画を描いて支持を受け、その後を、ただ形だけ安易になぞった大量の4コマ漫画家が追い、ついに4コマはブームを経て、現在ではついに定着したひとつのジャンルとなってしまった。つまり、天才いしいが大阪から踏み出した一歩は、現在の4コマ漫画全体の、巨大な第一歩でもあったのだ。

 いしいは現在、『朝日新聞』朝刊で連載している。『となりのやまだ君』だ。
 ずーっと前、新聞4コマのメンバーが変わるとしたら誰か、と聞かれて、まず植田まさしで、次はいしいだ、と答えたことがある。『サザエさん』亡きあと、不愉快なほどひとつも面白くない新聞4コマが変わるとしたら、まず普遍性のある植田、それが成功したら、次は天才いしい、とぼくは考えたのだ。

 新聞漫画は難しい、ということになっている。老若男女すべてに、ある程度の満足を与えなくてはいけない、と思われている。そのために漫画家たちは、不必要なまでに読者に擦り寄ったり、あるいは自分が特別の存在ででもあるかのように、尊大に庶民を啓蒙したりして、<新聞漫画>という特殊なジャンルを作ってきた。それはヒトコマだろうが4コマだろうが、変わるところはない。おまけに、そのほとんどは、なんの新しい工夫もない退屈な絵しか持ちえていない。進歩とか進化とかいうことを捨ててしまった哀しい絵だ。 いしいは、きっと違うぞ、とぼくは思った。彼はきっと、いつものようにいつものアレを描いてしまうに違いない。全人類に満足を与えることなんて、実は必要ないのだ。面白いものは、誰にだって面白いのだ。
(中略)
 しかし、しばらくたってから、ふと気づいたのだ。いしいの意図は違っていたのではないか。いしいは、最初から、これをやるつもりだったのではないか。いつものアレではなく、新聞という舞台で、<家庭劇>をやってやろうと思ったのではないか。父と母と子供らの形作る、家庭ごとに少しずつ違う濃厚なオリジナルな空間。大阪精神世界の地下に根付く、天外・十吾の松竹家庭劇以来の伝統を、いしい版のあの世界でやってやろうと思ったのではないか。それも、天下の公器、大朝日の朝刊で。それはきっと、なかなか面白い試みではあったろう。大体いしいが、どこで描こうが、筆を弱めたりするはずがないのだ。いつでもどこでも、自分が描きたいものを堂々と描いてしまうに違いないのだ。そんなことは当たり前なのだ。


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<最強の4コマ漫画家>
現役の漫画家のなかで、最強の4コマ漫画家は誰か?と問われば・・・・
いしいひさいちとなるのは衆目の一致するところです!(大使が断言します)

図書館で「スチャラカお宝大明神」というふざけたタイトルの本を借りたけど・・・
ええでぇ♪


【スチャラカお宝大明神】
スチャラカ

いしいひさいち著、双葉社、2008年刊

<内容紹介>より
一冊丸ごと単行本未収録作品集の第二弾。お宝作品続々発掘。バイトくんから宇宙人までいしいキャラの総出演。はたまたスポーツマンからサリーマン、アンマン、ニクマン、カレーマン、とにかくクモの子散らすキャラクターの大洪水。4コマ、8コマ、16コマ、コマ数選ばぬ著者渾身の作品がまだまだこんなにあった!著者が生涯隠しておきたかった作品群が、今ここに堰を切って溢れ出す。

<大使寸評>
いしいひさいちの多様性にチャレンジした企画といえば聞こえはいいが、これまで単行本に未収録だった作品を並べただけのようです。
読者を舐めた企画と思わなくもないが、それが結構面白いのです。

rakutenスチャラカお宝大明神


この本の「 あとがき」にとり・みきがいしいひさいちの面白さの秘密を述べているが・・・なかなかのもんやでぇ♪

<理想のマンガ家:とり・みき>
 いしい4コマが登場したときの素直な印象は「あ、対象読者の偏差値を引き上げている」ということであった。
 誤解を招きやすい言い方かもしれないが、これはスノッブやペダンティックということ全然違う。「いまの普通のマンガ読者は、もうこれくらいのことは説明せずともわかっていますよ」という作者のユーザ認識の上に描かれているマンガ、という気がしたのだ。
 つまりそれまでの作り手の認識のほうが低すぎたのですね。これは数年遅れてタモリやたけしが放送界で行ったお笑い偏差値の底上げと対応する。「一部の客しか通じない」と最初は言われていた彼らが圧倒的な支持を受けメジャーになったように、いしいひさいちもまたあっというまにトップランナーになった。現実認識が正しかった証拠である。

 つまり、いしいひさいちの「すごさ」は、マンガを読むような教養人(?)なら作品に接すればわかることであって、こざかしい「解説」だのをまったく必要としないものである。事実、近年まで氏の著作には、そうした文章によるフォローはほとんど入っていなかった。作者のポリシーというか矜持でもあったっはずなのだ。
 この「自分のマンガを語らない」という姿勢はいっそ頑固一徹であり、いしい作品が印刷されない日はなくともご本人がメディアに登場することはほぼ皆無・・・に近かったはずだ。ろくにマンガも描かずにたまにテレビに出ているような輩とは格が違うのである。

 少なくとも雑誌や新聞を読むような日本人でいしいひさいち(のマンガ)を知らない人間は存在しないが、いしいひさいち本人を知っている者もまたほとんど存在しない。純粋に作品だけで評価されている。マンガ家の理想ではないですか。少なくとも私の理想ではある。 


大新聞の朝日が「ののちゃん」の掲載を続けているのは、大使としては有難いのであるが・・・
はたして朝日は「ののちゃん」の毒気が分かっているんだろうか?
分かっているならまだ脈があるが、分かっていないならアホというべきか。
先生藤原ひとみ先生

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