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zoom RSS 『アンブラッセ』

<<   作成日時 : 2018/07/08 23:06   >>

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<『アンブラッセ』1>
図書館で阿刀田高著『アンブラッセ』という本を手にしたのです。
阿刀田さんといえば、ロアルド・ダールの「女主人」を発見した人だし、自身も短編小説の達人である・・・
ということで、迷いなくチョイスしたのです。



【アンブラッセ】


阿刀田高著、文藝春秋、2015年刊

<「BOOK」データベース>より
アンブラッセという言葉を教えてくれたのは、相沢さんだった。フランス語で「抱擁する」という、その意味もー(『めぐりあいて』)。身体と心が記憶する、快哉。いまなお疼く思いに身を焦がしながら男は、そして女は生きる。大人の渇きを潤す、傑作短篇集。

<読む前の大使寸評>
阿刀田さんといえば、ロアルド・ダールの「女主人」を発見した人だし、自身も短編小説の達人である・・・
ということで、迷いなくチョイスしたのです。


rakutenアンブラッセ


巻頭の「家族の風景」の語り口を、見てみましょう。
p11〜14
<家族の風景> 
 そう、この仕事を頼まれたのは一昨年の春の終り…。小百合は短大を卒業して新橋のオフィスで働いていた。恩師から、
 「ちょっとお願いがあるんだが」
 と呼び出され、高輪のホテルのロビーで会った。

 「ご無沙汰しています」
 「おたがいさま」
 見合いを勧められるのかと危ぶんだが、
 「なんでしょうか」
 「うん。ちょっとね。人柄がよくって、口の堅い娘さんを紹介してほしいって言われて…」
 と口篭る。
 「私ですか」
 「うん」

 恩師は両の掌の指で菱形を作って寸時思案をめぐらしてから、
 「まるでミステリーみたいなんだけど」
 「ええ」

 言われてこの恩師がミステリー小説のファンであったことを思い出した。
 「まあ、それほど大げさな話じゃなく…まあ、ちょっとしたアルバイトをお願いしたいんだ」
 「アルバイトですか」
 「忙しいの、会社は?」
 「いえ、まあ、普通です」
 オフィスの事務職で、それなりに忙しい日々を送っているのだが…。

 「仕事は簡単なんだ。月に1回。日曜日の夕方…ほかの日でもいいんだけど、この近くのマンションへ行って、ほんの10分くらい簡単な仕事をしてほしいんだ」
 「どんな仕事ですか」
 「うん。花を飾って、それからテープレコーダーのスウィッチを入れて…それだけだ」
 「ええ?」

 「だれもいない家だよ。鍵は、この先の文化堂。書店のご主人を知ってるよね」
 「先生のお友だちのかた」
 「そう、そう。久保田さん。もとはと言えば彼の頼みなんだが、彼もあなたのこと見知っているから“ぜひあなたに”って…」
 「よくわかりません。なんなんでしょう」
 やっぱりどことなくミステリー小説みたい。

 「実は、私もくわしくは知らない。とにかくそういうことなんだ。久保田さんの知り合いの弁護士さんが絡んでいて…あなたもこまかいことを詮索しないことが、なんて言うか条件なんだな。口の堅い人がいいって…」
 「私ですか」
 「そう。べつに悪いことをするわけじゃないよ。これは保証する。なんて言うのかな、少し奇妙なことだし、家族の秘密にかかわることだし、内緒にしておいてほしいわけだ」
 「はい」


ネタばらしというほどではないが・・・
この「家族の風景」にも「女主人」のような怖さがあるのです。

「女主人」発見の経緯はロアルド・ダールと阿刀田高の出会いに述べています。

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