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zoom RSS 『もっとも危険な読書』2

<<   作成日時 : 2018/01/10 15:42   >>

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<『もっとも危険な読書』2>
図書館で『もっとも危険な読書』という本を、手にしたのです。
図書館大好きの大使としては、書評集もツボになるわけで・・・
高橋源一郎著のこの本など、そのツボに的中しているわけでおます。


【もっとも危険な読書】
危険

高橋源一郎著、朝日新聞出版、2001年刊

<「BOOK」データベース>より
スリル、緊張、集中、恐怖に近い感情の揺れ。やがて世界が一変する。静かで単調な表面の奥に、そんななにかを隠した本を読んでみたい。-読書の快楽を通して人と時代の機微をとらえた129篇のエッセ・クリティーク。

<読む前の大使寸評>
図書館大好きの大使としては、書評集もツボになるわけで・・・
高橋源一郎著のこの本など、そのツボに的中しているわけでおます。

rakutenもっとも危険な読書


司馬遼太郎著書の書評を借りた、関川夏生評を、見てみましょう。
p332〜334
<関川夏生の「かたち」> 
 『司馬遼太郎の「かたち」』(文芸春秋)の中で、著者関川夏生は、司馬遼太郎の「好きな言葉」に触れ、こう書いている。
「嫌いなのは『正義』であった。好きなのは『リアリズム』であった」

 また、こうも書いた。
「鎌倉武士のモラルであり心意気であった『名こそ惜しけれ』は…司馬遼太郎がしばしば口にした、こうありたい、こうあるべき、人の心のもちようを端的に示した言葉であった。まった、その言葉を軸とした人生は、司馬遼太郎がもっとも愛着する形容『すがすがしさ』を人にもたらすのである」

 あるいは、またこうも書いた。
「歴史的著名人であれ市井の人であれ、人間とその行動に深甚な興味を抱きつづけた司馬遼太郎の好んだ言葉、人の『おかしみ』、人の『たたずまい』、人の『風韻』、といったものをさりげなく、しかるに万全に表現した静かな傑作である」

 最後の著作となった『この国のかたち』と、その発表の舞台となった「文芸春秋」歴代編集長への手紙を併せ読み進めながら、関川夏生は、司馬遼太郎という「巨大な常識人」にして「国民作家」の「たたずまい」を明らかにしてゆく。関川は司馬への共感を隠さない。関川は、司馬の好む言葉を好み、またその「たたずまい」を愛する。そして、関川が愛する司馬の「たたずまい」を通じて、わたしには関川の「たたずまい」もまたかいま見えるような気がするのである。

 関川夏生の「たたずまい」を示す代表的な例といえば、酒席における彼の見事な退場の仕方である。そこで、いかに白熱した議論がおこなわれていようと(当然ながら、関川自身がその議論の中心にいようと)、絶妙のタイミングで不意に立ち上がり「これで失礼します」と告げると、関川は爽やかな風のように去ってゆく。

 この場合、注意すべきは帰り際に関川が勝手に全員の勘定を済ませてしまうことで、これを阻止するためには、請求書の類を関川の手に届かぬ範囲に置いておくしかない。

 関川夏生は議論は好むが、空論は好まない。文学は(たぶん)好むが、政治は(たぶん)好まない。しかし、ほんとうに文学を好んでいるかというと、それは怪しい。なぜなら、言葉というものが不十分でかつ不完全であることを関川は熟知しているからである。もちろん、それでも人は言葉によって立つしかないことがあることも関川は知っている。文学を好むと断言するには、関川はあまりにリアリストなのだ。

 また、関川は、口を開けば、バブルの頃(だろう)、株で大きな損をしたことを(自慢げに?)話し、自らを「ほんとうにバカ者だ」と卑下する。

 この本の中で、関川は次のようにも書いている。
「戦後の日本人は営々と働いて、日本を復興させた。社会から貧困は駆逐あれ、その果てにバブル経済があった。どちらも『普通の、立派な人々』によってもたらされた」

 司馬遼太郎は日本の「普通の、立派な人々」を信頼しようとした。だが、その「普通の、立派な人々」が「後年にはバブル経済の土地・株式投機に走った」のである。結局、司馬遼太郎は「普通の、立派な人々」に絶望したのだろうか。それはわからない。だが、関川は自らを「バブル経済の土地・株式投機に走った」人々のひとりと見なした。

 「普通の、立派な人々」は時に奇妙な行動に走る。だが、彼らもまたやがて成熟に至るのではあるまいか。ぼくは、そんな司馬遼太郎に宛てた関川からのメッセージをこの本に感じたのだ。


『もっとも危険な読書』1

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