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zoom RSS 『ぼくの翻訳人生』1

<<   作成日時 : 2017/12/07 21:19   >>

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<『ぼくの翻訳人生』1>
大学図書館の放出図書コーナーで『ぼくの翻訳人生』という本を、ゲットしたのです。
著者はポーランド語翻訳の第一人者であり、英語、仏語もこなすマルチリンガルでもあるが・・・
言葉や日本語に対する薀蓄も、ええでぇ♪


【ぼくの翻訳人生】
翻訳

工藤幸雄著、中央公論新社、2004年刊

<「BOOK」データベース>より
翻訳を手がけて半世紀。著者はポーランド語翻訳の第一人者であり、ロシア語、英語、仏語からも名訳を世に送り出してきた。満洲での外国語との出会い、占領下の民間検閲局やA級戦犯裁判での仕事、外信部記者時代の思い出。翻訳とは、落とし穴だらけの厄介な作業だという。本書は、言葉を偏愛する翻訳者の自分史であると同時に、ひとりの日本人の外国語体験の記録でもある。トリビア横溢の「うるさすぎる言葉談義」を付した。

<大使寸評>
著者はポーランド語翻訳の第一人者であり、英語、仏語もこなすマルチリンガルでもあるが・・・
言葉や日本語に対する薀蓄も、ええでぇ♪

rakutenぼくの翻訳人生


日本語の薀蓄あたりを、見てみましょう。
p241〜245
<勝負は日本語だ> 
■日本語は論理的でない? 
 日本語がなんと、「論理的」でないとのたまった文学者(実体は小説書き)の大物が少なくともふたりいた。別々に物した『文章読本』にはっきりとそう書いた。よくもその「非論理的」な日本語で論理に混乱をきたさず、複雑な小説が書けたものである。驚きではないか。ご両人とは谷崎潤一郎と三島由紀夫だ。

 そもそも「論理的」でない言語を用いながら、立派な小説を書き上げ、世に迎えられた…その苦心惨憺ぶりが自慢ゆえに、ふたりは日本語の「非論理性」をあげつらったのではない。そんな哀れな日本語を用いて、いかなる文章を綴るべきか…その秘法を説く著書が、両大御所の『文章読本』である。

 それにつけても、「非論理」呼ばわりはひどい、日本語を敵視している。まだしも「理詰めの表現には不得手なのが日本語」ぐらいの嘆きにとどめておけば、よかったろうに。両先輩の勇み足をわれらは慨嘆する。

 才女の名を奉るべき斉藤美奈子さんの快著『文章読本さん江』(筑摩書房、02年)の巻末には「引用/参考文献」として、「文章読本・文章指南書関係」と分類されるものだけで81点の著作物(単行本)が名を連ね、別に「文章史・作文教育関係」の文献は23点にのぼる。合わせて百冊を超える。昔流に表現するなら「汗牛充棟」のありさまだ。それでも足りない。

 同書の「はじめに」を読むと、「文章読本と呼ばれる種類の本は、膨大な数が出版されています。一説によると、累積で、すでに四桁の大台に乗るそうです」とある。これら無数の類書を含む名著・駄本の陳列がいかにもめでたいとて、新装開店のパチンコ屋か歌舞伎座あたりに並ぶお祝いの花環あるいは花籠並に、江戸趣味よろしく、斉藤さんは、『文章読本さん江』とご挨拶申し上げているのだ。
(中略)

 さて、邪説として軽く退けたい「日本語非論理説」である。ばかを抜かせ、論理を伴わない言語など絶対に存在しない。ついでながら、似た愚説を挙げれば、喫茶店での注文の際に通用している「ぼくはコーヒー」は意味を成さない、日本語の駄目なところはこれぞー、とばかりに、怒り狂った文章を森有正がどこかに遺している。先生、それは言いがかりですよ、ご立腹には及びません。

 説得するまでもなく、この言い方の「ぼくは」の「は」とコーヒーとの繋がりは、ぼく=コーヒーの意ではさらさらない。「ぼくはコーヒー」とは、「ぼくの場合なら」「ぼくにとっては」、コーヒーを注文するの意味の率直簡明な表現である。
(中略)

■日本語ブーム 
 フランス語にだって不合理な点はいろいろある。海に取り巻かれたお国柄なのに、なぜ「深いprofond」があって、その否定形でなしには「浅い」を言い表せないのか、値段が「高いcher」の場合も同断で、納得いかない。単一の形容詞「安い」が存在せず、bon marcheとなぜニ語で言わねばならないのか。そんなことを言い募ればキリがない。日本語に「夏場」と「冬場」があって、「春場」「秋場」がないのを、どう説明すればよい。

 森さんは、仲間と共に日本の喫茶店にくつろぐ折にも、「ぼくはコーヒーだな」の慣用に断乎、逆らい「ぼくはコーヒーにする」「コーヒーがいい」と頑なに言い続けたのだろうか。ポーランド語だって、直訳の「Ja kawka」と言って通じるはず。注文の料理が運ばれてきたとき、「I'm…」とその皿を受け取ることがあると英語通は書いている。すべて発話は簡潔を旨とする。


この本も通訳、翻訳についてR5に収めるものとします。

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