カツラの葉っぱ 大好き!

アクセスカウンタ

zoom RSS 『シルバー・デモクラシー』

<<   作成日時 : 2017/09/10 09:36   >>

ブログ気持玉 0 / トラックバック 0 / コメント 0

<シルバー・デモクラシー>
図書館で『シルバー・デモクラシー』という新書を、手にしたのです。
ぱらぱらめくって見ると…シルバーの身を切るような提言が見られます。
寺島実郎さんは1947年生まれの団塊世代であるが、大使も安穏としている場合ではないのかも?


【シルバー・デモクラシー】
シルバー

寺島実郎著、岩波書店、2017年刊

<「BOOK」データベース>より
戦後日本人の先頭として民主主義、高度成長の恩恵を受けてきた団塊の世代。世界的な民主主義の危機が語られる今、1980年の論稿「われら戦後世代の『坂の上の雲』」のタイムカプセルを開け、35年後の高齢化した都市新中間層の現状をみつめ、シルバーが貢献する新たなデモクラシーへの視界を探る。参画型社会構築への提言。

<読む前の大使寸評>
ぱらぱらめくって見ると…シルバーの身を切るような提言が見られます。
寺島実郎さんは1947年生まれの団塊世代であるが、大使も安穏としている場合ではないのかも?

rakutenシルバー・デモクラシー


日本の貧困化を、見てみましょう。
p123〜128
■進む日本の貧困化と世代間格差 
 それでもアベノミクスの継続を望む社会構造を再考してみたい。
 『世界』2015年5月号掲載の「内向と右傾化の深層構造―21世紀日本で進行したもの」において、私は、勤労者世帯可処分所得が、2000〜14年の間に、年額58.8万円減少し、「中間層の貧困化」が進行していること、さらに、全国全世帯の家計消費支出がこの間、年額32.4万円も減少したことを指摘した。

 そして、この間の家計消費で極端に減少した支出項目としての「こづかい、交際費、交通費、外食、酒類」などに象徴されるごとく、日本人は行動的でなくなったことと、「仕送り金、授業料、教養娯楽、書籍」などへの支出減に象徴されるごとく、日本人は学ばなくなり、学べなくなったという事実を解析・指摘した。そして、こうした時代の空気が、日本人の視界を狭め、内向と右傾化の土壌となっていることに注目した。

 2015年の勤労者世帯可処分所得は、月額42.7万円(前年比3000円増)であったから、若干増えたように思えるが、長期的に見ると、1997年のピーク時の年額596万円から、2015年には512万円と、実に84万円も減少している。ちなみに、全国全世帯の消費支出も、ピーク時1993年の402万円から2015年の344万円と、年額58万円も減少しており、いかに消費が冷却し、生活が劣化しているかがわかる。

 この段階で確認しておきたいのは、働く現役世代の可処分所得が、ピーク比で年額84万円も減ったという状況では、この世代が高齢化した親の世代の面倒をみて経済的支援をするための基盤が失われているということである。

 もっとも、戦後70年というプロセスにおいて、「親に孝行」といった儒教的価値を失わせる社会構造を作ってしまったともいえる。都市に産業と人口を集中させて高度成長期を走ったことにより、「核家族化」が進行し、既に1980年に38%にまで増やしていた核家族(単身世帯、夫婦のみ世帯、母子・父子世帯)の比重は、2010年には61%となり、現在は65%になっていると推計される。つまり、「家族」の性格がすっかり変わってしまい、世代間の支え合いが困難な社会となっているのである。

 働いている現役世代でさえ生活が劣化している状況の中で、働いていない人が多い高齢者の経済状況は、さらに厳しいといわざるをえない。60歳以上の無職の世帯の可処分所得(年金プラス所得マイナス社会保険)は、平均年額178万円で、平均生活費は248万円、年間70万円足りないとされ、その分は資産を取り崩していると思われる。

 それ故に高齢者の就業志向は高まっており、総務省統計局の「就業構造基本調査」(2012年)によれば、男性における就業者の比重は60〜64歳で73%、65〜69歳で49%、70〜74歳で32%、75歳以上16%となっているが、ここでの「就業者」には雇用者(役員を除く)、役員、自営業主も含まれ、65歳以上の雇用者は13%程度であり、雇用条件も非正規雇用が大半となるため大きな所得は望めない。

 だが、高齢者層は現在の勤労者世帯を形成する世代(現役世代)よりも相対的には恵まれているといえるであろう。日本が右肩上がりの1960年代から80年代にかけて壮年期を送り、勤労者世帯の可処分所得が増え続けた環境の中で、一定の貯蓄と資産を確保できた世代だからである。東京に吸収されたサラリーマン層をイメージしても、郊外にマンションの一戸程度は手に入れ、ローンを払い終えて定年を迎え、一定の貯蓄と金融資産を手にしているというのが一般的高齢者であろう。

 総務省統計局の「家計調査(貯蓄編)」を基に、国民の金融資産保有状況(2014年)をみると、貯蓄の58%、有価証券72%は60歳以上の世代が保有している。つまり、株価の動きに最も敏感であり、金融政策主導で、日銀のETF買いだろうが、GPIF(年金基金)による株式投資の拡大だろうが、株式誘導政策には「何でもやってくれ」といわんばかりに共感する土壌を形成しているのが高齢者なのである。

■二極分化する高齢者の経済状態 
 ただし、高齢者の経済状態は、一般論で単純に判断できないほど、二極分化が進んでいる。人口の27%、3400万人が2015年時点での高齢者人口だが、あえて高齢者の経済状態で分類するならば、約20%(700万人)が「金融資産1000万円以下で、年金と所得の合計が200万円以下」の「下流老人」であり、約15%(500万人)が「金融資産5000万円以上で、年金と所得の合計が1400万円以上」の「金持ち老人」で、残りの約2200万人が「中間層老人」といえるが、この中間層老人が「病気・介護・事故」などを機に下流老人に没落する事例が急増しているとという。生活保護受給世帯159万世帯のうち79万世帯が高齢者世帯であり、「貧困化する高齢者」問題も深刻である。

 確かに、高齢者の平均貯蓄額(2014年)は2467万円と意外なほど高いが、1000万円以下が36%、2000万円以下が60%で、富は偏在しているのである。つまり、安定した経済状態にある高齢者層が確実に圧縮しているといえよう。

 「老後破産」の現実について、NHKスペシャル『老人漂流社会〜老後破産の現実』での放送を単行本化した『老後破産―長寿という悪夢』(新潮社)は注目すべき現実を報告している。年金生活は、些細なきっかけから破産へと追い込まれる危うさを抱えていることを思い知らされる。また、『週刊東洋経済』は「下流老人」特集や「キレる老人」特集と、支えるコミュニティを失った高齢化社会の断面に迫る企画を積み上げており、高齢化の現実について深く考えさせられる。

 こうした潜在不安を抱える高齢者、とりわけ中間層から金持ち老人にかけての層、約2700万人が、金融資産、株式投資に最も敏感な層であり、「とにかく株が上がればめでたい」という心理を潜在させ、アベノミクス的「資産インフレ誘発政策」を支持する傾向を示すのである。結局、アベノミクスの恩恵を受けるのは、資産を保有する高齢者と円安ッメリットを受ける輸出志向型企業だという構図がはっきりとしてきた。

 ここから生ずる世代間格差と分配の適正化という問題意識を持たねば、金融政策に過剰に依存して「調整インフレ」を実現しようとする政策は社会構造の歪みを招き、まちがった国へと向かわせるであろう。


テーマ

関連テーマ 一覧


月別リンク

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!
ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。
→ログインへ

トラックバック(0件)

タイトル (本文) ブログ名/日時

トラックバック用URL help


自分のブログにトラックバック記事作成(会員用) help

タイトル
本 文

コメント(0件)

内 容 ニックネーム/日時

コメントする help

ニックネーム
本 文
『シルバー・デモクラシー』 カツラの葉っぱ 大好き!/BIGLOBEウェブリブログ
文字サイズ:       閉じる