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zoom RSS 『君は嘘つきだから、小説家にでもなればいい』2

<<   作成日時 : 2017/08/07 10:12   >>

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<『君は嘘つきだから、小説家にでもなればいい』2>
図書館で『君は嘘つきだから、小説家にでもなればいい』という本を、手にしたのです。
おお 浅田さんのエッセイ集ではないか♪
生粋の江戸っ子で嘘つきの浅田さんであるが…半分ほど関西人の大使が惹かれるのだから面白いものである。



【君は嘘つきだから、小説家にでもなればいい】
浅田

浅田次郎著、文藝春秋、2011年刊

<「BOOK」データベース>より
言葉の魔術に、酔いしれる。生き別れた母を想い、馬と戯れ、小説の神様と向き合う。人気作家の「心わしづかみ」エッセイ集。

<読む前の大使寸評>
生粋の江戸っ子で嘘つきの浅田さんであるが…半分ほど関西人の大使が惹かれるのだから面白いものである。

amazon君は嘘つきだから、小説家にでもなればいい


浅田さんの読書遍歴を、見てみましょう。
p181〜184
<読むこと書くこと> 
 職業がら読み書きはむろん大好きであるけれども、しいてどちらかと自問すれば前者であろうと思う。
 もともとさほどの創造欲があったわけではなく、「読む」という習慣が昂じて「書く」ようになった。だから書くことが本業となった今日でも、最大の娯楽である自由な読書の時間は、毎日きちんと確保している。

 1日に4時間ほどであろうか。私は若い時分からたいそう早起きで、ほとんど禅僧のごとき時間割を持っているから、たとえ締切前でも執筆は午後の早い時間までである。それから日がくれるまでは、特別の予定がない限りは読書をする。

 いやむしろ、概ね午後2時から午後6時までの4時間をゆるがせにできない読書時間と定めて、起床から就寝までの1日を組み立てていると言ったほうが正しい。自衛隊以来の早寝早起きの習慣が、これにぴったりと嵌った。

 1日に4時間という制約にも理由がある。私の読書する速度がだいたい時速百枚、すなわち1時間に四百字詰め原稿用紙で百枚だからである。

 書物というものは、とりわけ小説というものは、なるたけ途中で栞を挟まず、一気呵成に読みたい。そうした私流の読み方を最も合理的に実践できる時間がこれ、ということになる。
 つまり1日に1冊の書物をきちんと読んでいくためには、4時間が適当であるとわかっていたので、若いころには夜間をそれにあて、作家という自由業になってからは午後を充当することにした。

 むろん書物にはそれぞれの厚さがあり、難易度のちがいもある。だがあらゆる書物のうちおよそ半分くらいは、この「1冊4時間」に該当すると思う。プラスマイナス1時間の余裕を持てば、八割方の書物がこの範囲内ではなかろうか。かくしてほとんど栞を挟むことのない1日1冊の習慣は、今も続いている。

 ちなみに、この計算の基礎となる「時速百枚」は、実は他人と較べて相当に遅い。朗読とまでは言わぬが、音読の速度である。さほど馬鹿ではないと思うのだけれど、とにかく万事に要領を得ぬ性格なので、音読以上の速度で黙読ができない。だから「1日1冊4時間」という計算は、あくまで個人的な尺度による。

 このように理屈を述べればよくわかる通り、1日に1冊の書物を読み続けるというのは、それほど難しい話ではない。むしろ読書子にとっての問題は、4時間の連続した読書時間を持てるか否かであろう。

 ところで、私がかくも読書に偏執するようになったのには、幼児の社会背景や家庭環境が関係すると思われる。
(中略)

 たとえば学校から帰って、当時の大ベストセラーである「怪人二十面相」や「少年探偵団」を読んでいると、たちまち江戸前の祖父母に取り上げられた。
 叱言は今も耳に残る。
 「本なんぞ読んでたら肺病になっちまうぞ。表で遊んでこい」
 「まったく、きょうびの学校は子供に何を教えてるんだか。さっさと外で遊んできなさい」というわけである。どうやら育ちざかりの子供が読書をするというのは、さしずめ「引きこもり」に近かったのであろう。

 私の読書熱は、こうした社会背景や家庭環境の中で涵養された。つまり他者から強要される学問としてではなく、今日のゲームやネットと同様の純然たる娯楽として私をこ惑したのであった。
 したがって、以来私は読書をおのれの務めとして命じたことは、ただの一度としてもない。いつもその行為に多少の背徳を感じつつ、しかしやむにやまれぬ酒色か麻薬のように、何となく隠れ隠れ、読書を続けてきた。

 むろん「1日1冊」をみずから課したわけではない。むしろ、そのくらいにしておかなければ人生を棒に振ってしまいそうな気がしたので、1日1冊まででやめておこうと考えた、とでも言ったほうが正当に近いであろう。


『君は嘘つきだから、小説家にでもなればいい』1

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