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<<   作成日時 : 2017/06/08 23:31   >>

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<取り残された白人たち>
 作家のJ・D・バンス氏がインタビューで「地方の壮絶な現実を認識していたのはトランプ氏だけ」と説いているので、紹介します。

J・D・バンスJ・D・バンス氏
(バンス氏へのインタビューを6/06デジタル朝日から転記しました)


 昨年の米大統領選期間中、ラストベルト(さびついた工業地帯)出身の作家の著作が全米で話題になった。「ヒルビリー・エレジー アメリカの繁栄から取り残された白人たち」。自らの生い立ちを通し、トランプ氏を大統領に導いた「忘れられた人々」の暮らしぶりや考え方を描いた作家に、米国の今を聞いた。

Q:著書では壮絶な生い立ちを描いていますね。
A:私はオハイオ州のかつての鉄鋼業の町と、ケンタッキー州の丘陵地帯で育ちました。白人ですが米社会で権力を握ってきた『WASP』(白人、アングロサクソン、プロテスタント)ではなく、アパラチア山脈一帯で労働者として働く一家の出身です。

 『ヒルビリー(田舎者)』や『レッド・ネック(首筋が日焼けで赤くなる白人労働者)』と呼ばれます。幼少期は、薬物依存の母の交際相手がころころ変わるので引っ越しばかり。家族の崩壊。低所得家庭ではよくあることで、私も別に特別なこととは思っていませんでした。

 ある日、母が『クリーンな尿をカップに1杯ほしい』と言う。勤務先の薬物テストで、薬物反応が出るから自分の尿は出せないというわけです。合格しなければ失職。祖母に説得されて協力しました。私の人生が間違った方向に行かなかったのは、この祖母のおかげ。高校生の頃、私も薬物などで転落寸前でしたが、祖母は努力を説き、自分の医者代より私の学費を優先して高性能な計算機も買ってくれた。身に染みた。以降、高校での成績は改善。海兵隊で社会人の規律をたたきこまれ、除隊後は州立大とイエール大学ロースクールで学びました。シリコンバレーで投資会社を営んでいましたが、今はオハイオに戻って非営利団体を作り、薬物汚染に苦しむ家庭の支援を模索しています。

Q:あなたは「白人労働者階級の報道官」と呼ばれた。米国人はあなたの一族のような暮らしを知らなかった? 同じ国にいて?
A:そうです。地理的、文化的な分断のため、都市の人々は自国で起きていることを知らなかった。まさに私たちが今いるような地方の苦しみを知らず、社会問題は特定の人のものと考えていた。報道機関は都市圏に集中し、記者は外の問題に気付いていなかった。彼らの日々の苦労を知って驚いた。彼らの政治的な選択(トランプ氏の支持)はもっと衝撃だったのでしょう。

Q:白人労働者がトランプ氏を支持した理由をどう考えますか?
A:暮らしがうまくいっていない現実がここにあります。賃金のよい仕事が消え、薬物依存の割合、死亡率など、様々な指標も間違った方向に進んでいる。人々は不満をためこみ、解決策を示せる誰かを探し求めてきました。トランプ氏の解決能力にはもっともな批判があるが、彼は問題があることを少なくとも認識し、その解決を訴えていました。その他の政治家は深刻さを知らなかった。

Q:共和、民主の2大政党の主流派が退けられた。なぜですか?
A:2大政党は数十年にわたって白人労働者の期待に応えなかった。経済や雇用の仕組み、働き方、必要となる教育の内容などが大きく変わったのに、どちらの政党も理解できていなかった。トランプ氏は、少なくとも問題の所在や深刻さを理解していました。

    ■     ■
Q:先日オハイオの理髪店で店主と話しました。客の大半はトランプ支持者です。私が「トランプ氏に入れるんじゃなかった」と後悔しているお客はいませんかと聞いたら、店主の答えは逆で「入れておけばよかった」という客はいると。なぜ支持が根強い?
A:任期は4年間、支持の熱が冷めるには、まだ早い。彼が実際に暮らしを変えてくれるのかの見極めには時間がかかる。成否のカギは、雇用を生み出せるか、日常的な薬物使用を減らせるかの2点にあると思います。

Q:選挙中はエスタブリッシュメント(既得権層)批判で喝采を浴びたトランプ氏だが、政権にはウォール街出身のエリートが目立つ。なぜ支持が離れない?
A:今のところは、ということです。暮らしぶりが改善しなければ怒り出す。改善すれば喜ぶ。米国では『うまくやってのけた人を責めるのではなく、それを許した仕組みを責めろ』と言います。八百長であっても、米国人はそれで利益を得た人よりも、八百長の仕組み自体に怒りをぶつける、という趣旨です。トランプ氏は『米国の仕組みはインチキ。これを熟知して利益を上げてきた私が、皆さんに代わって立て直す』と言っていた。大富豪が政権にいても支持者は怒らない。でも暮らしぶりが上向かなければ怒り出すでしょう。

Q:彼らには何らかの政府の支援を必要とする人が少なくないのに、なぜ、小さな政府を志向する共和党の候補に投票するのか?
A:まず、トランプ氏は共和党の中では、社会保障制度の擁護を語るなど、小さな政府を志向する度合いが最も少ない候補でした。彼はこの点でも古い共和党の型を破った。米国では他国に比べても、労働者階級や低所得層が政府の政策をあまり支持しません。政府の施策はうまくいかない、非効率という認識があります。

    ■     ■
Q:選挙中、私はトランプ氏を支持する多くの元民主党支持者に会いました。組合委員長もやった労働者も今では熱烈なトランプ支持者。あなたは著書に「祖父が民主党を支持していたのは、民主党が労働者を守ってくれたからだ」と書いた。かつての労働者の政党に何が起きたのでしょう?
A:民主党とこの一帯の白人労働者の間には文化的な隔離がある。民主党の指導層はカリフォルニアやニューヨーク、首都ワシントンなど大都市での暮らしが長い。私たちが今座っているオハイオ州東部とは隔離されている。自らの支持層と時間を共に過ごし、真の懸念を理解し、同じ言葉を話さない限り、選挙で支持されない。薬物汚染や失業など、自分たちの懸念を共有しない政治家には投票しないでしょう。トランプ氏が勝利した重要州にウィスコンシン州がありますが、民主党候補クリントン氏はここで選挙運動しなかった。多くの労働者から『よそ者』と見られてしまいました。

    ■     ■
Q:著書ではソーシャル・キャピタル(社会関係資本)の重要さを強調しています。
A:カギだと思います。周囲の人や組織との間に持つネットワークには価値がある。22歳の時、それが何かも知らなかったけど、30歳になる頃には、米国でうまくやっている人と、そうでない人を実際に分けている、最も重要な要素だと気付きました。

 経済的な衰退や家族機能の弱体化、薬物汚染。これらは、コミュニティーにあった『社会的なつながり』をすり減らしている。人々が頼り合うことを難しくしている。例えば教会のような地域機関を空洞化し、消し去ってしまう。幸せに暮らすには、経済的な成功だけでなく、不調な時に支えてくれ、調子がよい時は一緒に喜んでくれる、社会的なつながりが必要です。残念なことに、私の体験的にも統計的にも地域社会におけるソーシャル・キャピタルは弱まっています。

Q:ソーシャル・キャピタルの高低にも地理的な分断を感じる?
A:地域差があり、不均衡です。でも最も大きな不均衡は階級的なものです。中流階級以上の米国人の方が、低所得層よりも教会に頻繁に通っています。

Q:あなたはアメリカンドリームをラストベルトから実現した。ただ、一般的には豊かになる夢はすっかり色あせているようです。
A:最も心配な点です。1940年生まれの世代が親より裕福になる可能性は9割あったが、80年代の生まれになると5割まで落ちます。今日の子どもたちには、ますます困難になっているでしょう。困ったことです。より多くの子に実現可能なものにしたいが、政府が完全に解決できる問題とは思いません。教会など、社会にある機関や慈善団体、非営利活動の取り組みが重要になるでしょう。

     *
J.D.Vance:1984年生まれ。元ベンチャー投資家。「ヒルビリー・エレジー(田舎者の哀歌)」の邦訳は今年3月、光文社から刊行された。

<取材を終えて>
 オハイオ州東部セント・クレアーズビルの取材場所に向け車を走らせた。道は補修が行き届かずガタガタ。廃屋が並ぶ。店に立ち寄ると、地元の人から「薬物中毒者に注意」「現金20ドルのために何でもやるから」と忠告される。一帯はラストベルトとアパラチア山脈が重なる地域で「忘れられた声」の象徴的なエリアだ。都市部では冷笑の的でしかなかったトランプ氏は、この一帯で圧勝した。バンス氏のいう「分断」。彼の本が読まれたのも分断の結果だろう。

 米社会の姿を日本メディアが伝える理由は何か。自問しながらの取材だが、日本社会への警告が含まれているからだと思う。「学校を出ても安定した職がない」「暮らしが良くなる展望がない」「もはや中流層ではない」。メモする言葉は日米で似ている。

 バンス氏が言うように、暮らしが改善しなければ、トランプ氏の支持基盤は揺らぐのかもしれない。しかしトランプ政権の浮き沈みとは関係なく、今の格差が放置されれば米社会の分断は残り、政治は安定しないだろう。米社会のもがく姿を伝えていきたい。(聞き手 ニューヨーク支局員・金成隆一)


取り残された白人たちJ・D・バンス2017.6.06

この記事も 朝日のインタビュー記事スクラップR3に収めておきます。

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