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zoom RSS 『浅田次郎とめぐる中国の旅』

<<   作成日時 : 2017/05/10 08:28   >>

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<『浅田次郎とめぐる中国の旅』>
図書館で『浅田次郎とめぐる中国の旅』という本を、手にしたのです。
先日、浅田さんの『日本の「運命」について語ろう』という本を読んで良かったので、その勢いでこの本を借りたのです。


【浅田次郎とめぐる中国の旅】
中国

浅田次郎著、講談社、2008年刊

<「BOOK」データベース>より
中国は美しく、奥深い。四年にわたり取材を重ねた著者自身が語る見どころと魅力。
【目次】
1 紫禁城(エッセイ 正大光明/浅田次郎と紫禁城を歩く ほか)/2 北京(北京中心部地図/北京広域地図 ほか)/3 満洲へ(エッセイ 英雄たちの囁き/瀋陽市街地図 ほか)/4 万里の長城(華北地方の長城を訪ねる/インタビュー 浅田次郎、歴史小説を語る ほか  

<読む前の大使寸評>
先日、浅田さんの『日本の「運命」について語ろう』という本を読んで良かったので、その勢いでこの本を借りたのです。

rakuten浅田次郎とめぐる中国の旅

西太后田中裕子の西太后


冒頭のエッセイを、見てみましょう。
p8〜11
<正大光明>
 私が清王朝の末期を舞台にした『蒼穹の昴』を上梓したのは、1996年の春であった。
 執筆には1年半を要したので、満43歳から44歳にかけての大仕事ということになる。できれば小説家として安定してから書きたかったのだが、『プリズンホテル』や『きんぴか』などの極道お笑いシリーズが暴走を始め、「行先がちがう」と危機感をつのらせた結果、この最重量の機関車を出発させることにした。読者はさぞ困惑したであろう。

 私の文学的出自はけっして「極道」ではなく、「漢籍」である。40になってからようやく陽の当る場所に出たとたん、おのれの出自の古臭さに気付き、愕然とした。で、仕方なく机のかたわらに笈を置いて、とりあえず小説家として認知してもらうための小説を書き始めた、というのが真相である。そういう私が『蒼穹の昴』を書くタイミングはたいそう難しかった。

 文学の歴史の流れとともに衰弱するのは、全世界共通の宿命である。文学大国たる中国もまたその例に洩れず、私は明清代の文学にほとんど興味をそそられることがなかった。
 しかし、いくつかの例外はあった。呉敬梓の『儒林外史』を愛読したのは受験勉強の真最中のことで、もしあのとき読みさえしなければ、おそらくすんなりと大学に進んで学者になっていたのではなかろうかと今さら悔やまれる。私は同著によって科挙制度に興味を持ったばかりか、受験そのものに懐疑してしまったのだった。前後して宮崎市定の『科挙史』を読んだ。それが思いがけぬ契機となって、清王朝の虜となってしまった。

 遥か満州の野に起こって漢土を制したこの王朝には、たとえば混血児のおもざしを見るようなひしぎな美しさがある。華麗にして質朴。複雑だが実は単純。儀礼的と見えて合理的。柔にして剛。そうしたあらゆる相反性が、この王朝のたたずまいには奇蹟のように調和している。

 文化的遺伝子の配合の妙は世界中のどこにも見出すことはできるが、宗教という決定的な対立条件がないぶん、この国家は美しい完成を見た。私がこの国に魅了された理由は、ひとえにその奇蹟の均衡のもたらす美しさである。

 清は初期にこそ習俗の強制をしたが、総じて漢民族の文化を否定せぬどころか、敬意を抱き続けていた。「満魂漢才」・・・そんな言葉はないが、おそらくそうしたものが建国期における清の国家的スローガンだったのではあるまいか。

 満州族はかつて定住地を持たず、文字すらも必要としない狩猟の民であった。武力によって漢土を制したのちも、北夷たることを自覚していた彼らは聡明である。

 私は初めて紫禁城を訪れたとき、何よりもまず乾清宮の王座の上にかかる「正大光明」の扁額に心を打たれた。馴治帝の手になるその文字は、まるで小学生の手習いのように稚拙でバランスも悪い。しかし、まったく小学生の手習いのように誠実だった。幼いころに長城を越え、王朝の礎を築いて24歳の若さで死んだこの皇帝は、懸命に異国の文字と言葉を学んだのであろう。そして子孫の未来に、「正大光明」の扁額を遺した。のちの英主たちを啓発したものは、その言葉の意味よりも、その文字におのずと表された謙虚さであろう。

 清王朝は歴代の英明な君主によって引き継がれた。歴史上の王家に比べればこれといって暗愚な皇帝はおらず、少なくとも個性に富んでいる点では、まるで千両役者を並べた観がある。「正大光明」の異国語の下で政(まつりごと)を行った彼らは、みな一様に勤勉で誠実で謙虚だった。


ウン 浅田さんは漢族は別にして、満州族や清王朝になにがしかの共感があるようですね♪

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