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zoom RSS つげ義春ワールドR3    B

<<   作成日時 : 2017/03/21 08:21   >>

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<つげ義春ワールドR3>
図書館で『つげ義春ワールド ゲンセンカン主人』という本を借りたのだが、読んでゆくと既視感がわくわけで・・・
実際、この本を読むのは2度目であることに気づいたのです。(イカン イカン)

この本は、つげ義春作品の実写映画について、原作マンガ、撮影シーン写真、つげさんの見物日記、出演者、スタッフの談話、「ゲンセンカン主人」のシナリオなどを満載した本になっていて、まさに「つげ義春ワールド」であり、つげファンにとっては・・・・
堪えられないのです。

・『つげ義春幻想紀行』
・『ねじ式/夜が掴む』
・つげ義春女性を語る
・ロケ見物日記

ゲンセンカン

R3:『つげ義春幻想紀行』を追記


<『つげ義春幻想紀行』>
図書館で『つげ義春幻想紀行』という本を手にしたのです。
ぱらぱらとめくると、漫画のシーンと旅先の写真が並べてあり興味深いのです。

機関車太海の路地

外房の太海を、見てみましょう。
p162〜167
<「ねじ式」之章>
 以前に訪れたときは、遠慮が左右して漁村の奥深くまで足を踏み入れなかったが、このときは「路地探検」を敢行することにした。狭い石段や急な坂道をはさんで平屋の木造家屋がひしめきあっている。ほとんどが瓦屋根だが、まだところどころにワラ葺きが残る。路地は縦横に展がっていて、まるで迷路のごとき様相を呈している。「ねじ式」の少年ではないけれども、漁村の中をあてもなくさまようがごとき錯覚を強いられるほどだ。

 「イシャはどこだ!」ではなく、「出口はどこだ!」という不安にさいなまれるといったらオーバーに聞えるかもしれないが、実際、路地探検の途中で、どこに抜ければいいのか思案にくれていたところ、民家の縁側から老人がヒョコッと顔を出し、「ああ、そこんちの庭をつっきれば下の通りに出られるよ」と案内してくれた。他人の家の庭を無断で通っていいものか迷っていると、「みんなそうしているんだから大丈夫だよ」とつけ加えた。

 庭の先には再び路地が続いていた。さらに路地を伝わって、ぐるりと周り込み、石段を下ると、なんと「ねじ式」の機関車が到着する家と家の間に出たのである。そして、このとき、太海の漁村こそは“「ねじ式」の迷路”と名づけていいように思った。もともと私には、箱庭的な小空間への異常なまでの偏愛があるのだけれども、「ねじ式」という作品がさらに拍車をかけたことは言を俟つまでもない。

 その結果、1年おいてのこの夏、四度目太海行ということになった。いまでは、太海の漁村を隅々まで極めないと「ねじ式」の全体像さえ味わえないのではないかという脅迫観念が生まれる始末である。

 今夏は、雨降りだった。仁衛門島は、目前にもかかわらずかすんでいた。そんな天候でも、子どもらは、仁衛門島の飛び込み台から夢中で海中へのダイビングをこころみていた。漁村は、悪天候ゆえに、ひなびた感じがいちだんときわだっていた。路地の奥では、れいによって縁側にしゃがみこんで老夫が網の修繕に取り組んでいた。

 まだ踏んでいない路地をたどってみた。石段を登りきった所にお堂があった。漁港の入口に札所の案内が出ていたのがそこかもしれない。信心深い老女でも訪ねることがあるのだろうか。素朴なつくりだが、忘れ去られたようなたたずまいがより以上の関心をよぶ。
 さらに、ぬれそぼる雑草をかきわけかきわけ登り道をたどってみたが、どこに続いているのか見当もつかない。まさか、眼科医の並ぶ町や、産婦人科の看板を掲げる工場に行き当たるとは思えないが、激しい雨にさえぎられて、引き返すことにした。そういえば、仁衛門島の船着場の前にある古風な旅館の二階座敷などには、和服を着た女医がいてもおかしくないと思った。


【つげ義春幻想紀行】
つげ義春

権藤晋著、立風書房、1998年刊

<「BOOK」データベース>より
つげ義春作品と写真で解き明かす。「つげ式」旅術の書。
【目次】
1 「二岐渓谷」之章/2 「もっきり屋の少女」之章/3 「海辺の叙景」之章/4 「初茸がり」「紅い花」「西部田村事件」之章/5 「ゲンセンカン主人」之章/6 「大場電気鍍金工業所」之章/7 「隣の女」之章/8 「チーコ」「義男の青春」之章/9 「ねじ式」之章/対談 ワラ屋根のある風景(つげ義春/権藤晋)

<読む前の大使寸評>
ぱらぱらとめくると、漫画のシーンと旅先の写真が並べてあり興味深いのです。

rakutenつげ義春幻想紀行




<『ねじ式/夜が掴む』>
帰省先の図書館で『ねじ式/夜が掴む』という本を手にしたのです。
ぱらぱらとめくってみると、「ねじ式」と「ゲンセンカン主人」を押さえていてその他に、シュールなもの、エロっぽいものと、大使好みのラインナップになっています。

つげさんと言えば漂泊願望の人だと思うが、解説でそのあたりを見てみましょう。
p340〜343
<つげ義春の場末趣味:川本三郎>
 つげ義春の作品の舞台となった土地を旅するのが好きだ。文学散歩ならぬ漫画散歩である。最初に出かけたのは「長八の宿」の舞台になった西伊豆の松崎、それから「二岐渓谷」の福島県の二岐温泉、「リアリズムの宿」の青森県の鯵ヶ沢。

 千葉にもよく出かける。作品の中で明示されていないが、「海辺の叙景」の海は外房の大原、「ねじ式」は外房の太海、「やなぎ屋主人」は内房の袖ヶ浦というのでこのあたりを歩いた。

 これは、いまはなくなった漫画雑誌『ばく』の読者の投稿欄で知ったのだが、太海には、「ねじ式」のあの汽車が路地に入ってくる超現実的な絵そのままの風景が残されているという。それで、1993年の6月、その路地を探しに太海に出かけたら、港のところに、ほんとうにあの絵のままの石段のある路地が残っていて驚いてしまった。

 93年の6月にはまた、随筆集『貧困旅行記』に出てくる千葉県のちょうどまんなかあたりにある養老渓谷に出かけた。その帰り、タクシーの運転手に「西部田村ってある?」と聞いたら、なんと、あるという。「西部田村事件」の舞台である。面白い名前なので架空の村かと思ったらちゃんと実在していた。タクシーで出かけてみたら、田んぼのなかに、あの漫画のとおり精神病院が実在していたので、これまた驚いてしまった。

 つげ義春の作品は、幻想譚・奇譚が多いが、その舞台は実在しているのである。実在の場所を旅することから、少し不思議な物語が生まれてくる。だからそれは奇譚といってもあくまでもリアリズムのなかの出来事であり、日常のなかの一瞬の白昼夢である。

 つげ義春の作品の舞台を旅してみると、どこも、寂し気なところが多いことに気がつく。観光地などまずない。港町、田舎町、ひなびた温泉。あるいは鉱泉。いわば「場末」のような、すがれたところだ。大喜田町西部田などまずふつうの地図には載っていない。袖ヶ浦もそうだ。養老渓谷は、千葉県ではそれなりに知られている観光地だが、全国的にはあまり知られていない。

 つげ義春が作品の舞台に選ぶ場所は、どこも、裏通りか場末といったような、隅っこの小さな町や村。そこがいかにもつげ義春らしい。つげ義春の旅先は、日本の田舎ばかりなのだ。温泉といっても熱海や箱根はまず出てこない。有名温泉地では、「義男の青春」の湯河原があるくらい。「長八の宿」の松崎は、吉本ばななの「TSUGUMI」で有名になってしまったが、「長八の宿」が発表されたころは、決して広く知られた温泉場ではなかった。

 「ほんやら洞のべんさん」の新潟県魚沼郡の雪におおわれた小村、「オンドル小屋」の秋田県と岩手県にまたがる八幡平の温泉群、「会津の釣宿」の会津の玉梨温泉…、あげていくと切りがないが、つげ義春の作品の舞台は、まず普通の観光客が行きそうもない、そもそもはじめから存在も知りそうにない、忘れられた場所ばかりである。
(中略)

 つげ義春は徹底した場末趣味の作家なのだ。零落趣味、世捨人志向といってもいい。もともとの資質が引っ込み思案だから、おのずから旅の場所、作品の場所がうらぶれた町や村になるのか。それとも、忘れられた場所への旅を続けるうちに、その資質に磨きがかかったのか。それは定かではないが、つげ義春の描く忘れられた小田舎が、いつしか穏やかな桃源郷、ここにあってここにはない隠れ里に見えてくることは確かである。



【ねじ式/夜が掴む】
ねじ式

つげ義春著、新潮社、2008年刊

<「BOOK」データベース>より
つげ義春ワールドの極点「ねじ式」に始まる“夢の作品群”と、それと並行して書かれた若い夫婦の生活を描いた“日常もの”を集大成。
【目次】
ねじ式/ゲンセンカン主人/夢の散歩/アルバイト/雨の中の慾情/夜が掴む/コマツ岬の生活/外のふくらみ/必殺するめ固め/ヨシボーの犯罪/窓の手/夏の思いで/懐かしいひと/事件/退屈な部屋/日の戯れ

<読む前の大使寸評>
ぱらぱらとめくってみると、「ねじ式」と「ゲンセンカン主人」を押さえていてその他に、シュールなもの、エロっぽいものと、大使好みのラインナップになっています。

rakutenねじ式/夜を掴む



<つげ義春女性を語る>
三宮センター街の古書店でゲットした『ガロ(1993年8月号)』という雑誌が積んどく状態になっていたので、読み始めたのです。
まあ 12月はじめに喪中はがきを出してしまい、暇になったせいもあるんですが…

つげ

この雑誌で「つげ義春女性を語る」という箇所を見てみましょう。
p44
<つげ義春女性を語る>
 旅先で女性となんかあるってのは、マンガにはよく出てきますけれども、実際はないです(笑)。やっぱり女性が関わると旅のムードが壊れてしまいますよね。すごい通俗的になるんじゃないのかね(笑)。

 どこかへ旅して、そこの女性と知り合ってそこに住み着いてしまって、なにかの職について暮らしたいという願望は昔からありましたけれども。それはまあ、一種の蒸発ですよね。

 自分の作品に出てくる女性はわりと突き放した感じで描かれてますけれども、それは自分の蒸発的な願望の、そこへ住み着いた場合の手段みたいなもので精神的な部分は関係ないんですね。

 だってもしその女性に惚れてしまったら、それは蒸発にならずにそこでまた新たな現実が始まってしまうわけですから。それはただ単に引越しをしたっていうのと同じ事になってしまいますからね(笑)。蒸発ではなくて。

 好みのタイプっていうのも別にないんです。自分の作品っていうとなぜか女性について聞いてくる人が多いんですけど、ドラマを作る上で女性がいた方が話が作りやすいから出てくるだけでね。中年のぼてっとした女性が出てくるからって、それが好みっていうわけじゃなくて(笑)、ドラマの中で必用だからああいう描き方をしているだけなんです。飽くまでも自分の内面の問題を描いているだけで。

 別になんとも思わないし理想のタイプなんてないんですね。好きだった女優なんかもいないですし。ですから以前、文春文庫の映画の本でアンケートを頼まれたときにも、男優では好みの人もいるんですけど女優は別にいないんですよ。だから女優の蘭にはいないって書いたんですけど。

 フェミニズム運動なんかにしても女性にしてみれば男性の欠点も見えるでしょうけど、女性側からは気付かない部分っていうのは我々男性からすれば逆によく気が付きますからね。運動をやってる人からみれば、男には反省すべき点がたくさんあるんでしょうし事実あるとは思うんですが、女性にも反省すべき点はあるように思うんですよね。女性自身がそこに気付かないで男性を攻撃するというのはね。

 自分なんかが思うのは、女性は本能的に支配されてる部分が多いっていうことですね。そのことを女性自身は絶対気が付かないですよ。やっぱり男と女は敵ですよ(笑)。


北九州に住む女性読者を訪ねようということで、居所をひきはらって旅に出るというような大胆なところもあるつげさんの女性論でした(笑)。


【ガロ(1993年8月号)】
ガロ

雑誌、青林堂、1993年刊

<商品情報>より
特集 「つげ義春」する!−映画『ゲンセンカン主人』公開記念:つげ義春インタビュー、赤瀬川原平・上野昂志・黒川創・川崎ゆきお・とうじ魔とうじ・高野慎三・ユズキカズ・安彦麻理絵・三橋乙揶・杉作J太郎/ガロ名作劇場17 勝又進「狸」/「パースペクティブキッド」刊行記念 ひさうちみちおインタビュー
イタガキノブオ/松井雪子/鳩山郁子/安部慎一/三本義治/友沢ミミヨ/唐沢商会/QBB/土橋とし子/沼田元氣/みぎわパン/ねこぢる/松沢呉一/高杉弾/中ザワヒデキ/四方田犬彦 etc.

<読む前の大使寸評>
三宮センター街の古書店でゲットした『ガロ(1993年8月号)』という雑誌なんですが…
特集:「つげ義春」する!と銘打った本号が、売価で500円(定価550円)という優れモンでおました♪

anamonガロ(1993年8月号)




<ロケ見物日記>
この4作品を実写で見せるオムニバス映画ということだが、こんなレア物はさすがに町の映画館には掛からないだろうね。
しかしま〜、「ゲンセンカン主人」の実写映画にチャレンジする石井監督、佐野史郎たちの蛮勇が、ええなぁ♪

ゲンセンカン


<ロケ見物日記>p106〜108より
'92年10月〇日
 二十日ほど過ぎて、石井監督宅を訪問する。
 先日の喫茶店で、ワイズ氏、北冬氏、評論家のM氏と会う。北冬書房の雑誌「夜行」で監督へのインタビューをする、そのため三氏の待ち合わせである。自分は北冬氏に用事があり顔を出したが、誘われたので同行する。監督宅は同じ調布市内である。

 監督は気遣いをして腰を低く対応されるので、先日よりかえって緊張した。ご馳走もお酒もたくさん出され、M氏の巧みな司会でインタビューが続けられたが、三氏とも映画通で、とくに石井監ファンである。私は話題についていけない。今度の映画に関しては、「ねじ式」の蒸気機関車をどうするのか質問が出たりしたが、何か秘策があるかして笑って答えない。
 アルコールも回って監督の口も滑らかになった処で、私は家庭に心配事があって、ひと足先に帰ろうとすると、三氏も腰を上げ、せっかくの盛上がりをシラケさせてしまった。私は日常の変化を好まない。自作の映画という幸運事にしても、それは何か厄災の前兆ではないかと悪く考える癖がある。談笑しながらも変にその不安がこみ上げて腰が浮いていた。何かあるといつもその例でご迷惑をかける。

10月〇日
 自家から十分ほどの日活撮影所でプロデューサーと会う。諸般の事情により当初予定のオムニバス五作のうち「ねじ式」を外し、「ゲンセンカン主人」の題名に変更するとの報告であった。五作を1時間40分ほどに収めるのはきついと思っていたが、際作費の都合もあるとのことで自分もとくに異存はない。が、長年想を温めてきた監督には気の毒である。たっぷり金を使わせて上げたい。低迷する映画産業の現状が、かつての貸本マンガ業界の衰退期を思い出させ、せつない気持ちになる。

11月〇日
 十日後、日活撮影所で雑誌「フォーカス」からの取材で、主演に決まった佐野史郎氏と監督の三人で写真撮影をされる。佐野氏はテレビドラマのマザコン役で絶妙な演技をみせ、たいへんなスターだと聞いたが、時代にズレている自分は初めてである。竹中直人氏も日活で同じ「フォーカス」の取材で会うまでは顔を知らず、周囲の者に無知を笑われた。佐野氏は中学生の頃から私のマンガを読み、今度の主演を買って出て下さったそうで、まことに有難く思う。
 佐野氏がかつて愛読していたという雑誌「ガロ」からも氏にインタビューするため、私とは顔なじみの編集者が二人来た。役柄作りについて質問をされていたが、素地のままでいいのではないかとの印象を持った。
 しばらくしてプロデューサーに案内され、ガロの二人と一緒に別の部屋で衣装合わせを見物する。そこで美術監督その他のスタッフを紹介される。「紅い花」の少年、少女の子役二人がその扮装をして見せた。
 撮影開始は五日後からで、主なロケ地は、夏のシーンで紅葉を避けるため伊豆の山中と下田に決定された由、約二十日で仕上げるそうだが、四作のオムニバスでこの日程は大変なことだろう。



【つげ義春ワールド ゲンセンカン主人】
つげ

つげ義春×石井 輝男著、ワイズ出版、1993年刊

<内容紹介>より
古書につき、データ無し

<大使寸評>
以下のつげ義春作品の実写映画について、原作マンガ、撮影シーン写真、つげさんの見物日記、出演者、スタッフの談話、「ゲンセンカン主人」のシナリオなどを満載した本になっていて、まさに「つげ義春ワールド」であり、つげファンにとっては・・・・堪えられないのです。
しかし、「ゲンセンカン主人」の実写映画にチャレンジする石井監督、佐野史郎たちの蛮勇が、ええなぁ♪

・李さん一家
・紅い花
・ゲンセンカン主人
・池袋百点会

Amazonつげ義春ワールド ゲンセンカン主人


この際、つげ義春関連のネット情報とか過去の日記を集めてみました。
つげ義春の画像
芸術新潮1月号(特集:つげ義春)
つげ義春ワールド☆湯宿温泉・湯本館

あと見つけ次第に、追加予定でおます。

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