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zoom RSS 『林業がつくる日本の森林』3

<<   作成日時 : 2017/03/21 00:04   >>

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<『林業がつくる日本の森林』3>
図書館に予約していた『林業がつくる日本の森林』という本を待つこと約2ヶ月でゲットしたのです。
ドイツやオーストリアでできている森林経営が、なぜ日本では成り立たないのか?…そのあたりを知りたいのです。


【林業がつくる日本の森林】
林業

藤森隆郎著、築地書館、2016年刊

<「BOOK」データベース>より
半世紀にわたって森林生態系と造林の研究に携わってきた著者が、生産林として持続可能で、生物多様性に満ちた美しい日本の森林の姿を描く。日本列島各地で、さまざまな条件のもと取り組まれている森づくりの目指すべき道を示した。

<読む前の大使寸評>
ドイツやオーストリアでできている森林経営が、なぜ日本では成り立たないのか?…そのあたりを知りたいのです。

<図書館予約:(1/08予約、3/11受取)>

rakuten林業がつくる日本の森林


ドイツの森の良さを、見てみましょう。
p160〜163
<森林所有者と市民との関係>
 私の著書『Ecological and Silvicultural Storategies Forest Manegement』を読んだドイツのドレスデン工科大学林学部のワグナー教授は、2014年に2週間あまり日本を訪れ、その翌年私が2週間ドイツを訪れ、お互いに講演や視察をした。ワグナー氏が日本各地の視察を終えて帰国する前日に、私は日本の中で特に印象の強いものをいくつか挙げてほしいと尋ねた。

 それに対して氏が最初に挙げたものは、「多くの場所を見て回ったが、観光地を除いて、林業の行われている森林で一般市民の姿を目にしたことは一度もなかった。これはどうしてなのか」という疑問であった。日本人は気づいていないが、これが日本の森林・林業の最も大きな問題の一つではないかと思う。日本の森林が市民、国民から離れているのだ。

 その翌年に私はドイツを訪問してワグナー氏の上記の指摘がよく分かった。州有林でも私有林でも、林道や作業道で一般市民が散歩したりハイキングしたりしているのを常に目にするのだ。その30年ぐらい前にも私はドイツの森林を歩いてそのようなことを感じていたが、今回はその印象がさらに強かった。

 このことがなぜ大事なのかは、森林所有者と市民との利害の調整、合意形成がよく図られている結果だということである。森林は、森林所有者のものであるが、公益性の高いものであり、市民、国民のものであるという認識が高いのである。

 持続可能な循環型社会の構築に向けて、林業が大事なことをドイツの市民は理解している。農山村の美しい景観を保つためには農林業の振興が必要なことも市民は理解している。だから市民の税金から森林所有者に所得補償や補助金が多く投入されることを認めている。

 その代わり市民は公共財である森林のサービスを求める権利を主張する。したがって私有林でも市民が林内に立ち入る権利があり、手に持てる束程度ならば山菜や果実などを採取することも認められている。フォレスターは警察の顕現も持ち、林内の治安を守っている。

 ドイツにおいて多目的林業、近自然林業を目指す背景には、森林所有者と市民との間のこのような合意形成がある。それが長期的、総合的に見た生産と環境の調和に低コスト管理なのだという関係者の深い洞察がある。

 それに対して日本はどうか。国公有林でも私有林でも、林内での不法行為を避けるため、また林内で事故が起きた時に責任が持てないということで、多くの場所では一般市民の立ち入りは禁じられている。森林は本来公益的、公共的な性格も有するものであるが、そういう森林においても日本では私権が強すぎて立ち入りが阻まれている。また事故が起きた時に所有者、管理者の責任が問われる。

 2003年に十和田市の国立公園内にある奥入瀬渓流の国有林の遊歩道付近で、約10mの高さから自然落下した大きな枯れ枝が女性観光客を直撃し、女性は後遺症を負った。女性は県と国に対し、現場管理責任があったとして、損害賠償を求めて提訴し、勝訴した。この判決はあまりにも自然の構成物である森林に対する理解に欠けるものであり、人々と自然とを遠ざけるものであり、大きな問題を残すものだと思う。ドイツのそれぞれの州の森林法には、市民が森林に自由に立ち入る権利を認める一方、森林への立ち入りに伴う危険への安全義務は市民にあり、利用者に自己責任のあることが明記されている。
(中略)

 森林所有者と一般市民との垣根が小さくなること、市民にとって森林は自分たちのものでもあるという認識や感覚が持てることは、市民が森林との接触を通して心身の健全性を高めることができるとともに、郷土愛が高まり、地域の材や国産の材を使おうという気持が自然に湧いてくるきっかけともなる。

 日本の国産材利用率が30%弱、ドイツのそれが100%に近いという大きな理由の一つはそこのあるように思える。


ウン 郷土愛とか、私権と公共との関係とか、自己責任とか、ためになるお話でしたね♪

『林業がつくる日本の森林』1
『林業がつくる日本の森林』2

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