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zoom RSS 大統領を追い込んだ怒り

<<   作成日時 : 2016/11/30 20:55   >>

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<大統領を追い込んだ怒り>
 在日二世の康煕奉さんがオピニオン欄で「王朝時代思わせる展開」と説いているので、紹介します。
経済格差、グローバル化に苦しむ彼の地の民には・・・・明日は我が身との思いがするのです。

大統領
(康煕奉さんのオピニオンを11/30デジタル朝日から転記しました)


韓国の朴槿恵大統領が辞意を表明した。大統領を追い込んだのは、デモを通じてあらわれた韓国の人々の怒りだ。早期辞任を迫った人々の気持ちの背景にあるものは。

■王朝時代思わせる展開:康熙奉さん(作家)

 朴槿恵大統領とチェ・スンシル被告をめぐるスキャンダルは、韓国ドラマの制作者でも思いつかない劇的な展開です。韓国社会は序列が重要ですが、そのトップの大統領が、怪しげな友人の「操り人形」になり、最後は「辞意表明」という形で転落することになりました。

 取り巻きの欲の強さは、あまりに下品でした。自分たちが選んだ大統領のぶざまな姿を見せつけられ、人々は情けなく、そして裏切られたという思いでいっぱいでした。

 韓国の若者にとって大きな圧力になっているのは、競争が激しい大学入試と男子の徴兵制度です。ここに不正があると、父母の世代も含めて激しく反発します。チェ被告の娘の名門女子大学への不正入学疑惑は、火に油を注ぎました。週末のデモには、家族連れで参加し、大学生だけでなく制服の高校生や中学生の姿も見られます。

 韓国人の感情に訴える韓流ドラマで外せないポイントが二つあります。まずは、序列の厳しい社会で、下から成り上がること。チェ被告は、かつての朴正熙大統領に取り入った父親から2代にわたって上り詰めました。

 もう一つは、生まれながら何不自由ない暮らしをする特権層が転落する設定です。特権層のトップである朴大統領とともにチェ被告は転落してゆくわけで、見事に二つの要素が展開されています。

 歴史をひもとけば、14世紀末から500年余り続いた朝鮮王朝では、幼い王やその側近に、母や祖母が「ああしろ、こうしろ」と背後から指示することがあります。まるで女帝のように権勢をふるい、国政が大変、乱れました。今回も大統領府にチェ被告という「陰の女帝」がいたわけで、王朝時代を彷彿させます。

 チェ被告には霊的な力があって、朴大統領が取り込まれたといううわさもあります。韓国では、特に女性たちが、ムーダンと呼ばれる巫女に、子どもの就職がうまくいかないとか、息子夫婦に子どもができないとかといった身近な悩みをよく相談します。済州島出身の私の母もそうでした。それが生活の一部です。大統領が同じことをしても不思議ではありません。

 最近の韓流ドラマは、ネタが尽きて行き詰まっていたように見えます。そこで起きた疑惑。ブランド好きの主人公、うさんくさい側近、財閥への無心、金持ちのスポーツである馬術選手の娘、大学入試の不正……スキャンダルの奇想天外な展開にドラマ制作者が一番、色めき立っているのではないでしょうか。

 大統領の辞意表明でこの劇場に幕が下りるのか、それとも土壇場でさらなるどんでん返しがあるのか。国民は見守っています。(聞き手・桜井泉)

    *
康煕奉:54年東京生まれの在日韓国人2世。韓国社会、歴史、韓流を取材・執筆。著書に「悪女たちの朝鮮王朝」など。


大統領を追い込んだ怒り康煕奉2016.11.30


この記事も 朝日のインタビュー記事スクラップR1に収めておきます。

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