カツラの葉っぱ 大好き!

アクセスカウンタ

zoom RSS 種田陽平の世界    B

<<   作成日時 : 2016/02/15 06:33   >>

ブログ気持玉 0 / トラックバック 0 / コメント 0

<種田陽平の世界>
28日放映のNHKの「プロ流儀」シリーズで種田陽平を観たのだが、妥協を許さないプロの厳しさが垣間見えたのです。
種田に仕事を依頼したキアヌ・リーブスも絶賛していたが・・・
とにかく、美術監督という職能を、世に認知させた種田陽平が、すごい♪

ということで、過去の日記などから種田陽平の作品をあれこれ集めてみました。

・映画美術の神様!
・映画美術とは
・スワロウテイル
・見る人を「嘘の街」に誘う
・フラガールとアリエッティ、そしてセデックバレ

円



<映画美術の神様!>
『ニッポンの映画監督』というムック本が種田陽平を取り上げていたので紹介します。
なんと、「映画美術の神様!」という賛辞も見えます♪

■「主張する映画美術」の原点(p96〜97)
 「映画美術の神様!」
『フラガール』の李相日監督は美術監督・種田陽平の作品集『ホット・セット』に寄せて、そう賛辞を送ったが、決して大げさではないだろう。『フラガール』は小品にもかかわらず2007年の第30回日本アカデミー賞をはじめ多くの賞を獲得。スクリーンによみがえったリアルな炭鉱住宅街は、まさに昭和の時代そのものだった。

 「何もない家がある時代を描きたかった。美術予算が限られたセットを組めなかったので、実際に炭鉱住宅や炭鉱周りをつくるのは大変でした。オファーをいただいたとき、いい映画になるという予感がしたので、お引き受けしたんです」

 96年の『スワロウテイル』(監督・岩井俊二)で映画美術の重要性を国内外に知らしめた。21世紀に入ってから07年までに手がけた作品は、米映画『キル・ビルvol1』、『いま、会いにゆきます』、『THE 有頂天ホテル』、時代劇『怪談』など11本に及ぶ。

■こんな贅沢な町、見たことない
 『THE 有頂天ホテル』に続き三谷幸喜と組んだ『ザ・マジックアワー』(08)は、「町ありきで始まった企画」(三谷)だ。知らぬ間にギャングの抗争に巻き込まれる売れない役者と、映画監督のふりをして彼を操ろうとするしがないギャングの友情を描いたコメディ。だが、種田はこの作品を「引き受けるかどうか悩んだ」と明かす。
(中略)
 舞台となる港町・守加護はメーンストリートとそこに立ち並ぶクラブ「赤い靴」や「港ホテル」、波止場など、合計面積が4426平方メートル、日本映画史上類を見ない巨大セットが話題だが、最大の特長は実際に「2階」を造ってしまったことだ。
(中略)

■子ども時代の記憶がアイデアの原型に
 転機となったのが『スワロウテイル』だった。ミュージックビデオの現場で岩井と出会い、すぐに意気投合した。
 「当時、日本映画は低迷する一方で、香港からウォン・カーウァイが出てくるなどアジア映画に勢いがあった。日本映画にお客さんが見向きもしなかった時期に、僕たちの手で新しい映画を作るぞという、今とはまったく違うモチベーションを持っていた。そんな時代を経験したことは大きい」

スワロウスワロウテイル
 日本であって日本でない、架空都市「円都」に生きる若者たちの姿を描いた本作は、バブル後の虚無感漂う日本に生きる若者たちの心をつかんだと同時に、日本映画に「主張する美術」の重要性を認識させた。例えば、アヘン街にある医者のところへたどり着くまでの行程を、種田は何ヶ所も造り込んだ。「一見必要のない行程に見えても、その世界に入り込むためには、大切な時間、大切な空間」だからだ。
(中略)

 理想の映画美術は、「全然違う国の人が観ても、どこか懐かしいと感じてくれる」ことだ。『スワロウテイル』では、「昔、確かに同じような場所があった」と話してくれる中国人や、「映画に出てきたあの店でラーメンを食べたことがある」と主張する観客がいた。映画の記憶は役者の魅力だけで決まるのではない。空間や町並みもまた、記憶につながっていく。

ニッポンの映画監督byドングリ



<映画美術とは>
『映画美術から学ぶ「世界」のつくり方』という本から、映画美術に関する種田陽平の想いを見てみましょう。

<種田陽平>よりp225〜226
種田

 国によって映画産業の実情はさまざまだが、映画言語や映画美術言語は世界共通である。映画のための絵、図面、装飾、小道具は見るだけでたちまち理解することができる。

 私は美術大学で油絵科を専攻したのだが、それは画家になろうと思ったからだ。映画を見るときは、その一瞬一瞬をまるで本の中に描かれた挿絵のように私は捉える。つまり、映画美術とは、古典絵画や宗教絵画に描かれたような一場面を現実の空間につくりあげることが仕事だと考えている。絵画的な発想を映画に盛り込むところに、油絵科出身であることが生かされていると思う。

 スタジオのセットを初めて経験したのは、寺山修司監督の1920年代の上海を舞台にした日仏合作映画『上海異人娼館チャイナ・ドール』(81)だった。
 私は当時20歳の美大生で、舞台美術家で本作の美術を担当した合田佐和子の絵画助手を務めた。この作品は合作で、しかも国際都市である上海を舞台に設定してあったことから、必然的にさまざまな人種の人間が入り混じり、たくさんの言語が飛び交じっていた。

 プロダクションデザイナーとなってからは、日本はもとより、中国、台湾、米国などで映画に参加してきた。タランティーノ監督の『キル・ビル』(03)や北京を舞台にしたキアヌ・リーブス監督『キアヌ・リーブス ファイティング・タイガー』(13)など、母国語である日本語の通じない外国の監督と仕事するときは当然、言葉の壁に突き当たる。その言葉の壁がときには映画美術の仕事に都合よく働くこともある。
(中略)

 私は一人の監督の変らぬ世界観を共有し生み出しながら、その監督の下でずっと働き続ける職人タイプのプロダクションデザイナーではないと自分は考えている。さまざまなジャンルの仕事に挑戦して自分のものにしたい、変化し続けたい、成長し続けたいと強く願っている。
 
 日本の映画美術のシステムは50年代の黄金時代、たとえば黒澤明監督、小津安二郎監督、溝口賢二監督たちの時代に完成し、アメリカやヨーロッパとも異なる独自にオーガナイズされたシステムを保ち続けている。撮影所のシステムに組み込まれた日本の美術の仕事はきめ細かく、丁寧で、スケジュール管理も実にしっかりしている。日本のシステムは日本国内で有効だが、世界とのギャップがある特殊なシステムであることは間違いない。私が海外作品で仕事するときは、その国のシステムに適応しながら、日本独自の繊細さを生かすようにしている。




<スワロウテイル>
移民と円盗、アゲハ蝶のタトゥー・・・・
それから、種田がつくった阿片窟のような円都(イェンタウン)がすごい♪

ストーリーがてんこ盛りだったが、映像美優先の映画だったんでしょうね。

【スワロウテイル】
スワロウ
岩井俊二監督、1996年制作、H24.7.24観賞

<goo映画解説>より
娼婦だった母を亡くして知り合いをたらい回しにされた少女は、胸にアゲハ蝶のタトゥーを入れた娼婦のグリコに引き取られた。グリコは歌手を夢見て“円都”にやって来た“円盗”で、2人の兄と生き別れになってからは娼婦を生業として生きてきた。グリコからアゲハという名前を貰った少女は、同じ“円盗”のフェイホンやランたちが経営するなんでも屋“青空”で働き始める…。

<冒頭のナレーション>より
むかしむかし、“円”が世界で一番強かった頃
いつかのゴールドラッシュのようなその街を、
移民たちは“円都(イェンタウン)”と呼んだ。
でも日本人はこの名前を忌み嫌い、
逆に移民たちを“円盗(イェンタウン)”と呼んで蔑んだ。
ここは円の都、イェンタウン。

<大使寸評>
中国人や韓国人の移民が流入して、阿片窟のようなイェンタウンが出現しています。
“円盗”集団が村上龍の「歌うクジラ」を彷彿とさせるが、この時代は過去なのか、もうひとつの未来なのか?
感覚的なシーンも良いのだが、ドラマ作りがやや冗長な感じもするのです。

goo映画スワロウテイル




<見る人を「嘘の街」に誘う>
くだんの大学図書館で「ザ・マジックアワー」を観たあとに、この本を市立図書館で借りたのです。
アトサキになるが、この本から先に紹介しよう。
―物語をもとめて さまよい 風景と出あう―


【TRIP FOR THE FILMS】
種田

種田陽平著、角川グループパブリッシング、2008年刊

<「BOOK」データベースより>
懐かしい場所が現実の世界に存在し続けることはない。けれど、映画の中では、いつまでも同じ世界が待っている。種田陽平がつくる映画の世界は、100年後も変わることなく、訪れる誰かを待っている。『不夜城』から10年―。1998年から2008年までの美術監督・種田陽平の仕事を、写真とスケッチと文で巡る不思議で濃密な映画美術の世界。

<大使寸評>
パラパラと中を見れば、写真集のような構成になっていて、とにかく見る人を「嘘の街」に誘う美しい本です。
KILL BILL、イノセンス、フラガール、ザ・マジックアワーなどのセットが印象的です。

AmazonTRIP FOR THE FILMS



後になったけど「ザ・マジックアワー」を紹介します。

【ザ・マジックアワー】
種田
三谷幸喜監督、 2008年制作、H24.2.25観賞

<大使寸評>
種田の美術を見るつもりで、この映画をチョイスしたわけですが・・・・・
内容は映画作りのようなお話になっており、「嘘から出たまこと」とでも申しましょうか。♪

goo映画ザ・マジックアワー





<フラガールとアリエッティ、そしてセデックバレ>H23.8.14
 神戸市民として、老人割引の恩恵を受けようではないか・・・・
というか高い住民税を払っているので老人割引の権利を行使しようと、暑いなか、「借りぐらしのアリエッティ×種田陽平展」開催の県立美術館まで出かけたのです。(半額割引で600円)

阪神岩屋駅で電車を降りたが・・・・炎熱煙る感じで、ま〜暑いわ。甲子園の球児の過酷さが思いやられます。(この時期、昼間の移動は根性いるで)


借りぐらしのアリエッティ×種田陽平展より

アリエッティ

本展のサブタイトルは「現実と虚構の融合(フュージョン)」ですが、このアリエッティの家のセットは映画とテーマパークのセット製作の技術の融合だそうです。
映画のセットは役者さんが演技するためのいわば背景、映像になった時の効果を考えて作られます。
テーマパークはお客さまが主人公で、実際に見て触って楽しめる仕掛けが施されます。
映像として映える背景と、実際に見て楽しめる工夫、この両方がアリエッティのセットの中では実現されています。

アリエッティの家のセットがメインテーマなので、子供連れの観客が多く来ているが、大人もけっこう楽しんでいます。もちろん私も小人になった気分を体感できました。


ところで、この種田陽平:主な作品を見れば、そうそうたる作品が並んでいます・・・・
フラガール、アリエッティ、キルビル、イノセンス等々をつなぐのは、美術監督としての種田陽平だったんですね。

フラガールは私の中の名画ランクでは上位にランクするけれど、あくまでも李相日監督の作品であり、美術監督のことを気にしたわけではなかったが・・・・
確かにボタ山と炭住のセットには「根性入ってるで♪」とは思ったものです。

「霧社事件」を描くSeediq Baleという台湾映画にも種田さんが参画しているようです。
近日公開(9月公開)とのことなので、これは個人的には必見です。
(監督は、『海角七号/君想う、国境の南』(2008年)のウェイ・ダーション。日本の植民地時代の台湾で原住民のタイヤル族が抗日蜂起した「霧社事件」(1930年10月勃発)を描いた作品だそうです)

賽徳克 巴莱 (英題:Seediq Bale) 公式サイトは、台湾語と英語バージョンだけど、美術は言葉抜きでも、わかりますね。

賽徳克 巴莱 (セデックバレ)日本語公式サイトの「今日の仕事状況」が映画制作のなんたるかがよくわかります。

今日の仕事状況より
 昨年マヘボ社での撮影最終日、月夜も静まる真夜中に戦場となったマヘボ社で最後の録音が終わった後、現場に残ったのは流木の燃えかすからかすかに聞こえる火の粉の音と崩れ落ちてゆく木々のくぐもり、ゆっくりと消えて行く音。そしてその場に立つスタッフの心に刻まれたなんとも表現しがたい複雑な気持ち、困難を乗り越えた達成感と同時に別れゆく友を見送るかのような...。

 そのような思いを一つ一つの現場で重ねて行くうちに霧社街だけはどうしても残したい。
 映画を見に来た人たちにも是非この地を訪れて何かを考える切っ掛けにそして、9月の映画公開前に当時の原住民の生活を体験したり文化や歴史などを学べる場所として、また映画を見た後に遊びに来れるようなそんな場所として残せればという思いからクランクアップから今までセットに手をつけずに保存をしてきました。

 月日が経つごとに雨風により損傷が進む中各方面の関係者と協議を続けてきました。広大な土地に立つセットを維持するのは金銭的にも人資源的にも大変なことですが、現在私たちは文化と娯楽面を合わせ霧社街を文化園区として解放すると同時に、部落を一部分再現する事によって当時のセデック族の生活をかいま見れるような施設にするような方向で計画を立てています。


海角7号byドングリ

テーマ

関連テーマ 一覧


月別リンク

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!
ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。
→ログインへ

トラックバック(0件)

タイトル (本文) ブログ名/日時

トラックバック用URL help


自分のブログにトラックバック記事作成(会員用) help

タイトル
本 文

コメント(0件)

内 容 ニックネーム/日時

コメントする help

ニックネーム
本 文
種田陽平の世界    B カツラの葉っぱ 大好き!/BIGLOBEウェブリブログ
文字サイズ:       閉じる