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<<   作成日時 : 2015/11/02 20:11   >>

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<イスラム過激派の系譜>
 パリ政治学院教授ジル・ケペルさんがインタビューで「欧州社会分断を狙う第3世代の戦略、テロへ若者を洗脳」と説いているので、紹介します。

ISに対して、日本政府および外務省の対処能力は無力であるこことが露見している今、傾聴に値するのでは。
ジル
(ジル・ケペルさんへのインタビューを10/20デジタル朝日から転記しました)

 イスラム過激派の動きがやまない。9・11同時多発テロから14年の今年、「イスラム国」(IS)が台頭し、仏紙「シャルリー・エブド」襲撃事件も起きた。「今のテロリストとその戦略は、かつてのアルカイダとは全く別だ」と、フランスの現代イスラム政治研究者ジル・ケペルさんは指摘する。パリの研究室に訪ねた。

Q:国際テロ組織「アルカイダ」から、現在のISや欧州のテロリストまで、イスラム過激派は一貫して欧米社会に戦いを挑んでいるように見えます。
A:彼らがイスラム教のジハード(聖戦)を掲げているのはずっと同じですが、その考え方や手法は時代によって全く異なります。これまでの活動は三つの時期に分けられ、それぞれ思想家が理論を組み立てました。現在はジハードの3世代目にあたります。

Q:起源はどこにありますか。
A:ソ連による1979年のアフガニスタン侵攻に抵抗した武力闘争が、第1世代のジハードの始まりです。アフガン紛争では、ソ連に打撃を与えようと考えた米中央情報局(CIA)や、地域大国イランの影響力拡大を恐れたサウジアラビアが、イスラム過激派に金銭的な援助をしました。でも91年にソ連が崩壊すると、過激派たちは支援のことをすっかり忘れ、自分たちの成果だと思い込んだ。

 勢いづいた彼らはエジプトやアルジェリア、ボスニア、チェチェンで、地元の親欧米政権や親ソだった政権を相手に武装闘争を繰り広げました。その理論を構築したのが、自らもアフガン紛争に義勇兵として参加したアブドラ・アザム氏というパレスチナ人です。彼らは、一般のイスラム教徒たちも支持してくれると信じました。でも大衆は結局ついて来ず、試みは90年代後半に頓挫しました。

Q:その後に登場したのがアルカイダですね。
A:彼らが展開したのは第2世代ジハードです。第1世代の失敗を教訓として、アルカイダ幹部のエジプト人アイマン・ザワヒリ氏が『殉教』精神に基づく壮大なストーリーを描きました。

 目前の敵を相手にした第1世代と異なり、第2世代が定めたのは遠方の攻撃目標です。それが米国でした。世界を驚かすような方法で米国を攻撃し、その弱さをさらけ出せば、イスラム教徒大衆の支持も自分たちに集まる。その結果、中東各国の親米政権を倒すことができる。しかし彼らは、米国の力を甘く見た。米軍のアフガン攻撃によって、アルカイダの幹部は敗走しました。結局、第2世代もイスラム教徒の大衆を動員することに失敗したのです。

     ■     ■
Q:ただ、当時の米ブッシュ政権はイラク戦争まで引き起こし、混乱を広げました。
A:その行為が、現在の第3世代ジハードの素地を築いてしまいました。ISに参加している若者たち、パリで1月に起きたシャルリー・エブド襲撃事件の容疑者たちは、この世代に属します。

 アルカイダの組織はピラミッド型でした。オサマ・ビンラディン氏の命令で、テロ実行者に標的が示され、現地に行く航空券が用意された。でもこの戦略は、お金がかかりすぎる。組織が大きいのでスパイも潜入しやすい。アルカイダは、情報機関から入念に調べられた末に破壊されました。

 アルカイダが第1世代の反省から生まれたように、第3世代もアルカイダの失敗に学びました。9・11テロのような大スペクタクルはもはや必要ない。安上がりの作戦をあちこちに展開するだけで欧米社会はパニックに陥る。目標も、アルカイダが狙った米国ではなく、敵の弱点である欧州――。欧州で社会に受け入れられていない多くのイスラム教徒が戦いに加われば、宗教暴動を起こせると、彼らは考えたのです。

 第3世代は、アルカイダとは全く異なるモデルを組み立てました。熟練の実行部隊を派遣するのではなく、現地に暮らす学生らを少しずつ洗脳する。一度ぐらいは中東の戦場で訓練を施すかも知れないけれど、あとは彼らの自主性に任せる手段を取ったのです。ユーチューブ、ツイッター、フェイスブックを駆使し、捜査機関が把握できないほど動きの速いネットワークも築きました。

Q:その方法でテロが可能なのでしょうか。
A:確かに実行前に逮捕されて失敗するテロは多い。でも今は第3世代の基盤がつくられている最中です。フランスで95年以降16年間にわたって起きなかったテロが相次いでいるのは、このためです。

 第2世代のアルカイダからたもとを分かった一派がつくったISは、第3世代にとっての拠点となりました。彼らの本拠地シリアは、欧州の若者たちが車で行き来できる距離にあるのです。

     ■     ■
Q:第3世代の理論家は。
A:シリア生まれの技師で政治思想家のアブムサブ・スーリー氏です。80年代にフランスに留学し、スペイン国籍を取得した後、第3世代ジハードの理論を打ち立てました。2005年に米軍に拘束された後、シリア当局に引き渡され、以後消息不明ですが、彼の著書『世界イスラム抵抗運動への呼びかけ』はネットを通じて広がり、過激派に共有されています。

 今年1月7日、研究室に出勤した私は、妻から連絡を受けました。その朝、シャルリー・エブドが襲撃を受けたというのです。私はすぐに『次に狙われるのは警察官とユダヤ人だ』と予想を告げました。実際、その直後にアラブ系や黒人の警察官が殺され、ユダヤ人スーパーで立てこもり事件が起きたのです。私の予言が当たった理由は簡単です。スーリー氏の本にそう書かれているからです。

 スーリー氏によると、標的は反イスラムの知識人、裏切り者、ユダヤ人です。裏切り者とは世俗国家フランスに公務員として仕えるイスラム教徒で、アラブ系や黒人の警察官が狙われたのもそのためです。彼らへの攻撃で欧州社会を分断できると考えたはずです。

Q:知識人はなぜ?
A:容易な標的だからです。国家の首脳を狙うのは難しい。厳重に警備されていますからね。それに比べて記者を狙うのは簡単です。

Q:弱い者狙いとは卑怯です。
A:確かに。でもそれが彼らの戦略ですからね。

 フランスで第2世代の活動家は何十人かの規模でしたが、第3世代は何千人といます。最近目立つのは、移民家庭の出身ではないフランス人が改宗し、過激派に染まる例です。第3世代は、イスラム過激思想を社会主義の代用品として売り込むことに成功しました。その結果、フランスの地方の反戦活動家たちが一斉にイスラム過激派に転換した例もあります。

     ■     ■
Q:フランスでの連続テロの後、2月にはデンマークでもテロがありました。その後も欧州では未遂事件が続いているようです。
A:他の多くの場合、幸運にもテロは未然に防がれています。ただ、明日はどうなるかわかりません。巨大テロの恐れは拭えない。

 第3世代ジハードのテロリストたちも、イスラム教徒の大衆をそう簡単に戦いに動員できるとは思えません。ただ、過激派の活動がフランス社会に亀裂を生む恐れは、確かにあります。移民やイスラム教徒に厳しい右翼『国民戦線』が地方選挙で勝って自治体の首長を握ったりすれば、イスラム教徒の間で行政への不信感が広がるかも知れない。それは、スーリー氏の思うつぼです。彼は社会を二つに分け、フランスを戦場に変えようと考えたのですから。

Q:対策はありますか。
A:応急措置でなく、抗ウイルス薬で治療するように、問題の根本に迫るべきです。過激派研究に力を入れ、状況をしっかり分析することから始める必要があります。ただ、政治家たちは関心を示さない。選挙と関係ないからです。

Q:あなたは以前、欧州と中東が「歴史と文化遺産を共有している」として、共通の文明圏を築くべきだとも提言しています。
A:ある時期までそう信じてきました。しかし、『アラブの春』以降、恐ろしい状況になりました。シリア、イラク、イエメンで国家の機能が消滅し、激動期に入っています。クルド人との対立を深めるトルコの将来も予断を許さない。以前の提言は通用しません。

Q:随分悲観的ですね。
A:第1、第2世代が失敗したように、第3世代のテロも長期的に見ると成果を生まないでしょう。ただ、その後の世代交代がいつまで続くか。すべては、イスラム教徒自身が過激派の思想を拒否することから始まります。その営みなくして、イスラム過激派の活動が消え去ることはありません。

     *
ジル・ケペル:1955年パリ生まれ。中東各国や欧州の移民街で現地調査を重ねる行動派学者。「テロと殉教」「中東戦記」など邦訳著書多数。

<取材を終えて>
 欧州の普通の若者が、ある時期を境にイスラム過激派に絡め取られる。テロの周辺を取材する中でそんな例をいくつか耳にした。背景には、理論武装し、最新技術を使って忍び寄る過激派側の戦略があることを、ケペル氏の研究は示す。対抗するには、市民社会の側にも知恵と周到さが、きっと必要だ。(論説委員・国末憲人)


イスラム過激派の系譜パリ政治学院教授2015.10.20


この記事も 朝日のインタビュー記事スクラップに収めておきます。

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