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<<   作成日時 : 2014/10/04 00:26   >>

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<紛争下で命をどう守る>
 緒方貞子さんがインタビューで「イスラム圏の危機 国家の力に限界 人をつなぐ道探る」と説いているので、紹介します。

緒方
(緒方貞子さんへのインタビューを9/17デジタル朝日から転記しました)


国際的な紛争や対立が、国家や国境の枠を超えて細分化、多様化するなか人々をどう守るのか。国家が国民を守るという従来の国際システムの原則では対応できなくなってきている。今月の国連総会を前に、紛争の現場で長く活動してきた国際協力機構(JICA)特別顧問の緒方貞子さんに聞いた。

Q:イラクやシリアの内戦、ウクライナ情勢などで国連の機能不全が目立っています。
A:国連は本来、国家間の安全保障を軸に加盟国が任務を果たす組織で、その中心的な機関として安全保障理事会があります。ところがそれでは対応できない状況が広がっています。本来なら、難民を保護する責任を果たすべき国家が崩壊し、国境線が変わっていく。混沌とした状況では戦時法規の適用もできない。現実を直視して、戦地であろうとなかろうとどうやったら人間の命を守れるか、が問われています。

Q:「国家中心の安全保障」に代わる新たな概念として、紛争や災害、貧困などあらゆる脅威から人々の生存や尊厳を守る「人間の安全保障」を提唱されてきましたね。
A:1991年から10年間、国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)のトップとして、国家中心の安全保障では対応しきれない事態にぶつかってきた。その代表的な例が、ソ連邦とユーゴスラビア連邦の崩壊でした。国境を越えた難民は本来、受け入れた側の国が責任を持って保護しなければなりません。しかし、国家の枠組み自体が流動化するなかでは、誰がどう対応すればいいのかが問題になる。

    ■     ■
Q:この概念をシリアやイラクでは、どう適用できるのでしょうか。
A:まさに人間の安全保障の危機が、イスラム圏で最も顕著に現れています。命の大切さを説くイスラムの教義と人間の安全保障は本来、決して対立するものではないはずです。両国にまたがって支配域を広げるイスラム過激派組織『イスラム国』は、ムスリムと非ムスリム、スンニ派とそうでない人を分離していく。宗教・宗派や信条、人種によって、保護される人とされない人が出てくる。紛争の当事者ではない援助関係者までが狙われる。私がかつて経験したどの状況よりもひどくなっている。

 こうした地域では、人間の『命を守る』という最も基本的なところから始めざるを得ません。安保理に政治的解決策を頼るだけではなく、赤十字国際委員会やUNHCR、ユニセフ、非政府組織(NGO)などの役割が重要になる。

Q:イスラム世界では、「アラブの春」で人々が求めた民主化や自由とは逆に国家の崩壊、混乱が拡大していますね。
A:民主主義や自由化が進み、人間の利己的な部分が出れば、分裂する方向に働くことが多い。ソーシャルメディアなど情報テクノロジーが進展した結果、人々のつながり方が細分化し、多様化している。人間はどういう形でなら、お互いを信用して、ともに生きていけるのだろうか。何か共通のもの、共通の利害というものはないか。宗教にその役割を負わせるのは難しい面もある。

 アフガニスタンでは、部族対立などを背景に、大統領選の当選者が決まらない混乱が続きました。こうした国では自分の大きな利益の中に他者の利益を入れていくようなリーダーがいないと治めることは難しい。全く利益がない集団を出さないようにしていくことが大事だ。

    ■     ■
Q:JICAの政策と「人間の安全保障」はつながっていますか。
A:日本は途上国への開発援助をしてきたが、これまでは必ずしも平和や政治的安定と結びつけてこなかった。技術援助をその地域の安定と繁栄につなげる。開発が安定した社会を作るのに役立っているか。そういった視点を今はかなり意識してやっていると思う。

Q:ここ数年、日本の援助のあり方が、以前より「国益」を前面に出すようになっています。低迷する日本経済を引き上げる道具として援助を使うべきだという風潮のなか、「援助は日本企業へのひも付きで当然」という声もあります。
A:『皆さんの役に立つとともに、日本の役にも立つ』ということだと思う。援助を受ける国々に好かれ、信用されないといけない。そういう子どもじみた言い方をする方は、もう少し洗練された言い回しをしていくべきでしょう。

Q:日本政府が5年に一度、アフリカ諸国の首脳を日本に招いて開いているアフリカ開発会議(TICAD)でも「援助から投資へ」という流れが注目されています。中国に負けるなという掛け声とは逆に、国際入札の結果、日本の援助プロジェクトで中国企業が多くの工事を受注しています。アフリカ大陸にいる日本人は1万人程度で、中国人約100万人にはるかに及びません。
A:1万人の日本人で対応できるものもあるでしょう。『そちらはそちらでやってください。こちらはこちらでこういうことをやります』と。中国と日本の双方がウィンウィン(両者が得をする)になれる事例はいくらでもある。これは、援助する側とされる側の関係にも当てはまります。ウィンウィンは、相手の信用を勝ち得るための大事な原則です。

    ■     ■
Q:来年は戦後70年で、日韓の国交正常化50周年の節目です。中国、韓国と日本との関係はうまくいっておらず、3国とも国内にナショナリズムの高まりを抱えています。
A:うまくいかないと結論づけることはない。うまくいくように努力しつつある、でいいじゃないですか。節目だからどうということではなく、関係を改善する余地があるなら、やるべきことをやる。互いに政権も代われば、人も代わり、必要とされるものも変わる。よりよい関係を築くために、絶えざる努力が必要です。過去にさんざん苦労した高齢の世代がいなくなって、元気はいいけど、乱暴な若い人ばかりが出てくることだってあるわけですから。

 健全なナショナリズムは大事だと思いますよ。ただ、問題は、それをどう表に出すかです。国際交流や相互依存がこれだけ進んだ世界で、自分以外は生きる価値がないといわんばかりの言動には誰もついてきません。日本は戦後、過去を反省し、国際関係を再構築するのに一生懸命だった。そうした時代には、日本の歴史、国際政治の歴史を勉強するのは当たり前でした。しかし、今は、過去の問題、歴史の問題は終わりましたという風潮になり、周辺国から『まだだ』と言われるようになった。歴史を忘れた国は問題を起こします。人やモノの交流が盛んになったこの時代に歴史を正しく学ぶことはどの国にとっても大事です。

 日中関係では、軍事的緊張を招かないということを出発点に、まずは話し合うことが大事だ。首脳会談が開催できていないという指摘があるが、首脳会談は最後の手段。その前に様々なレベルで相談し、話し合う必要がある。

    *
緒方貞子:1927年生まれ。国連公使、上智大外国語学部長、国連難民高等弁務官などを歴任。国際協力機構(JICA)の理事長を経て現在は特別顧問。

<取材を終えて>
 人間の安全保障は、当初「甘い概念」(緒方さん)とも見られていた。ところが米ロの対立が続き、大国や国連の紛争処理能力に疑問符が出るなか、国家を超えて広がる21世紀型の紛争に対処する上で現実的な政策概念として注目されている。

 緒方さんの働きかけもあり、2年前の国連総会では「人間の安全保障」を重視する決議が全会一致で採択された。来秋の選挙を経て、2016年1月から安保理の非常任理事国になることが確実視されている日本にとって、安倍政権が掲げる「積極的平和主義」にこの概念をどう活用していくかが問われる。

 もう一つの主要なライフワークがアジア周辺諸国との関係改善だ。9月には、中国・天津で開かれた夏季ダボス会議に出席するなど、積極的な発言を続ける。
「現状がうまくいっていれば私が行く必要はない。よりよいことになる余地があると思うから行くのです」
 JICA理事長を退任後も世界を飛び回る緒方さん。その直言を日本も世界もまだまだ必要としている。(国際報道部長・石合力)


紛争下で命をどう守る緒方貞子2014.9.17



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