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zoom RSS 成長戦略の「勘違い」

<<   作成日時 : 2014/09/10 08:07   >>

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<成長戦略の「勘違い」>
 冨山和彦さんがインタビューで「海外移る国際企業、人手不足の地方圏、処方箋を二分せよ」と説いているので、紹介します。

なるほど、これを読むとアベノミクスのピント外れが、よくわかります。

冨山和彦
(冨山和彦さんへのインタビューを9/09デジタル朝日から転記しました)


「成長戦略」という言葉はどうもうさんくさい。規制緩和で市場原理に委ねればうまくいくなんて、それは強者の論理だろう。一方、格差是正・再分配重視を掲げても、もととなる果実をどう生むかが分からない。と悩んでいたら、企業再生のプロ、冨山和彦さんはそもそも日本経済のとらえ方が間違っているという。どういうことか。

■勘違い(1) 日本の成長は製造業大手の復活にかかっている。

Q:円安で自動車や電機メーカーの業績が好転し、ようやく景気が回復してきたように見えますが。
A:確かに、ものづくりのグローバル企業がしっかり稼ぐことは日本経済にとってプラスです。国際収支の上でも必要です。しかし、そのことが日本経済の全体を浮揚させるわけではありません。

Q:なぜですか。
A:先進国に共通する皮肉な現象ですが、グローバル化が進むほど国内経済におけるグローバル企業の比重は下がります。かつて加工貿易で高度成長をしていた時代は、頂点に製造業の大企業があり、中堅・中小企業が連なって、ざっと日本人の半分はこのピラミッドの中で働いていました。頂点が潤えば、水がしたたるように幅広く恩恵が広がる『トリクルダウン』が起きた。ところがグローバル化で大手メーカーが生産拠点を相次いで海外に移し、この構図は縮小してしまいました。

 いまや雇用者数でも付加価値額でも、日本経済の7〜8割はサービス産業です。ここは基本的に地域密着型の労働集約的な産業。グローバル競争の世界とは、ルールも経済原理も違う。つまり日本経済の中にグローバル経済圏(G)とローカル経済圏(L)のふたつがあると考えたほうがいい。GとLの連関性はどんどん希薄になり、現実にトリクルダウンはほとんど起きなくなっています。

Q:とすれば経済政策も……。
A:GとLで別々の処方箋が必要ですね。特にLの世界で労働生産性と賃金を上げていかないと、持続的成長など無理です。

Q:これまで成長戦略というと、もっぱらグローバル化への対応が柱になってきました。
A:加工貿易時代の成功体験が強烈だからでしょう。Gが拡大することで高度成長を実現したので。しかも政府が政策を立案する際は、主に大手製造業の経営者が加わるため、どうしてもGばかりに目が行く。

Q:安倍政権は法人税減税を最大の柱に位置づけています。
A:Gの世界では必須です。まず海外から日本に投資を引き込むという点で。そして日本企業に本社機能を残してもらい、海外からの配当金や利子の形で所得収支を稼いでもらうという観点で。あくまで立地競争力を強化するためですね。

Q:日本企業の競争力の強化は法人税減税とは関係ない?
A:関係ないです。企業の競争力強化で減税が必要と言っているのは、グローバル化に遅れたところ。いまや世界的に、最終製品は大消費地かその近くでつくる地産地消型にならざるをえない。本当に競争力のある企業は(課税の対象となる)収益部門はとっくに海外。法人税減税の財源として研究開発減税を縮小されるほうが困ると思っていますよ。

Q:安倍政権は地域経済の活性化を最大課題のひとつと考え、成長戦略でも「アベノミクスの効果を全国に波及させ地域経済の好循環をもたらす、いわばいわばローカル・アベノミクスにより……」と気合十分です。
A:文面を読む限り、まだGからLへのトリクルダウンを期待しているような感じですね。むろん、地域経済に焦点をあてるのは重要です。問題は、多くの人が地域経済の現状を勘違いしていることです。

■勘違い(2) 地方は長引く景気の低迷で、働き口が少ない。

 私たちは東北・北関東で総従業員3500人の五つのバス会社を運営していますが、7年ほど前から運転手やバスガイドが足りずに困っています。医療や介護でも、水産業でも、東北はどこも人手不足。最近、外食産業で人手が足りず店を閉める例が相次ぎ、東京でも耳目を集めるようになりましたが、中小企業庁の調査によると、非製造業ではアベノミクスのずっと前、2010年10〜12月期から人手が足りていません。つまり、景気低迷下での人手不足。

 これは人口動態を考えれば当然です。団塊の世代の退職で生産年齢人口(15〜64歳)は地方から先行して構造的に減っている。東北では1990年から2012年までに約90万人減りました。一方で退職世代からの需要は残り、医療や介護のニーズはかえって高まる。

Q:地方経済の最大の課題は、人手不足による供給制約だと。
A:そうです。加えてアベノミクスの第1、第2の矢によって需要が増え、日本全体でも需給ギャップが埋まった。ところが政治レベルでは、地方は常に需要が少なくてかわいそうだとの刷り込みがあって、条件反射のようにバラマキ政策に行く傾向がある。だけど、いまや公共事業は消化できませんから。

 人手不足は、労働生産性の低さという日本が抱える大きな課題が、人口の変化で顕在化したことを意味します。
主要国の中で、特にサービス産業の生産性の低さは歴然です。

Q:商店にしろ交通機関にしろ、米国より日本のほうがよほどテキパキして生産性が高そうですけど。
A:日本のサービスが過剰なんです。生産性は労働時間あたりの付加価値なので、日本人はサービスに対価を払っていないことになります。米国型がいいかは別として、日本では過当競争で単価が下がり、生産性が低く、安い賃金しか払えなかった。しかし、それがかえって社会政策的にはいい面もありました。その分たくさんの雇用が吸収できましたから。生産性の低さによって失業を潜在化させてきたといえます。

 それが団塊の世代の大量退職によって百八十度変わり、需給バランスがひっくり返った。逆に言うと、いまこそ生産性と賃金を上げるチャンスなのです。ただ、Gの世界の手法をそのまま持ち込んでも、Lの生産性は上がりません。

■勘違い(3) 生産性向上には徹底した規制緩和が必要だ。

 Gの世界では規制緩和や減税など市場原理を働かせる政策が有効です。しかし、Lは市場に任せても新陳代謝が起きにくい世界。駅の東側と西側にスーパーがあって、東のほうが安くて品ぞろえがいいからといって、西の人もそちらで買い物するわけではない。閉じた商圏での競争で、どちらも事業は成り立ちうる。しかもLでは医療や介護、交通機関など公共サービスも多い。安易な規制緩和はブラック企業を利するだけで、事故も起きかねません。

 大切なのは、生産性の低い企業に円滑に退出してもらうこと。それに必要なのは労働監督の強化を含めたスマート・レギュレーション(賢い規制)であり、なにより最低賃金を大幅に引き上げることです。最低賃金が上がれば、生産性の低い企業は事業をやめざるをえなくなる。


Q:ただ、Lの世界に多いオーナー経営者はギリギリまで廃業しないでしょう。
A:問題はそこです。個人保証や連帯保証、信用保証協会からの保証でがんじがらめの経営者は、廃業で全財産を奪われかねず、決断できない。しかし、そもそも人的な保証は経営者の公私混同を防ぐためのもので、真面目にやっていて事業に失敗したのなら身ぐるみまではぐ必要はない。早く決断すれば従業員に退職金などを十分払えるかもしれない。こうした制度的な退出コストの高さは、見直しを急ぐべきです。

Q:労働者の失業問題には、どう対処しますか。
A:Lの雇用は仕事の内容が限定された『ジョブ型』が多く、もともと流動性が高い。大企業の従来型の総合職とは違います。社員を抱え込ませる雇用調整助成金より、ジョブ型労働者の職業訓練を支援して雇用を流動化させるほうが効果的です。

Q:既存企業の退場を促す政策を政治は決断できるでしょうか。
A:そこが安倍政権にとって本当の勝負でしょう。第1次安倍政権時代は、まだ人手余剰で失業が固定する恐れのある政策は取れなかったが、状況は変わりました。振り返ると、民主党はLの世界の労働者をGに移動させようとした。自民党はGを大きくしようとしてきた。どちらも実現しません。Lの世界でしっかり賃金を上げていくことが必要です。

    *
冨山和彦:経営共創基盤CEO 1960年生まれ。産業再生機構COOなどを経て、現職。近著に「なぜローカル経済から日本は甦るのか」(PHP新書)。

<取材を終えて>
 冨山さんが手がけてきた企業再生の大半は地域密着型だという。一方で、オムロンの社外取締役をつとめるなど、グローバル企業にも深く関わる。両者の経営のあり方がまったく別次元であることから、日本における二つの経済圏という考え方に至ったそうだ。その視点は、冒頭で言及した、経済政策をめぐる新自由主義とリベラル主義との対立を解きほぐす道でもある。(オピニオン編集長・市村友一)


アベノミクスの嘘っぽさについては、海外メディアも感づいているけど・・・
古賀茂明さんの突っ込みは容赦なしですね。
【古賀茂明】「地方創生」は地方衰退への近道〜虚構のアベノミクス〜

成長戦略の「勘違い」冨山和彦2014.9.9



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